あらすじ

色欲の虜となり、尸解仙(しかいせん)に成り果てた美童大僧正は、魔王の血をひく少女・阿修羅にその魔の手を伸ばす。阿修羅を人質にとられた孔雀は、荊山(けいざん)の道士・黄海峰(こう・かいほう)と共に美童の潜む夢幻宮に飛び込む!
孔雀王(1) 死人返り

一切の諸悪を滅ぼす力と、美しい慈愛の相を持つと言われる孔雀王。その名を継ぐ、若き退魔師・孔雀が、この世の理から外れた鬼、怪(あやかし)、憑き物を断つ!! テレビ局で鬼が現れる事件が発生! 憑き物落としに駆けつけた孔雀が見たのは、視聴率のために追い詰められた弱者の、底しれない恨みだった……。神の力を顕現させ、神話の世界にまで足を踏み入れる、孔雀の活躍を描く超伝奇アクションの傑作が登場!

孔雀王(2) 呪禁道

若くしてその名を轟かせる拝み屋・孔雀の前に、呪禁道の王仁丸(おにまる)が現れる。王仁丸が操る、かつてない強力な式鬼(しき)を相手に孔雀は死力を尽くす!追い詰められた王仁丸は黄泉の八雷神を呼び出し、戦いに終止符をつけようとするが……。王仁丸の強大な“闇”の力を、孔雀の“光”は打ち消すことは出来るのか?

孔雀王(3) 黄泉御前

とある寒村に“この世ならぬ魔物の卵”と伝わる鎧魂(よろいだま)が、大雨で崩れた山から出現。鎧魂が持ち込まれた大学でも不吉な事件が多発し、稀代の拝み屋・孔雀が呼ばれることに。鎧魂の中に眠る者が、太古の昔にこの世から追い払われた者共・駁王属(ばおうぞく)であると知った孔雀は鎧魂を破壊。しかし、駁王属は完全に死滅していなかった……。

孔雀王(4) 阿修羅

凶皇仏(きょうおうぶつ)を復活させ、現世に大悪神・羅喉(らご)を呼びだそうとする茶吉尼衆(だきにしゅう)と孔雀の戦いが始まる!若い女を集め淫祠を行い羅喉復活の儀式を進める茶吉尼衆の根城に単身飛び込んだ孔雀。強力な孔雀明王法で奮戦するものの、凶皇仏は復活してしまう。羅喉が現れればこの世は闇に沈んでしまう。孔雀に対向するすべはあるのか?

孔雀王(5) 倶摩羅

古代インドより連綿と続く、魔族に使える者たち六道衆。全ての光を排し、闇の支配に返すことを目的とする六道衆は、魔神復活を目論む。カギとなるのは、阿修羅の血を継ぎし少女。少女の身の上に、自分と同じものを感じた孔雀は、少女を救うべく、伝説の大魔王・孔雀大天使が眠る地獄門に飛び込む。

孔雀王(6) 黄幡星

呪われし黄幡星(おうばんせい)の宿命に生まれた光翼教会の倶摩羅(くまら)は、この世に死人の国を築き上げようと何百人もの死者を生き返らせる死人返りを行う。真相解明に赴いた、拝み屋・孔雀と呪禁道をあやつる王仁丸に、強力な刺客が次々と襲いかかる。

孔雀王(7) 黄海峰

色欲の虜となり、尸解仙(しかいせん)に成り果てた美童大僧正は、魔王の血をひく少女・阿修羅にその魔の手を伸ばす。阿修羅を人質にとられた孔雀は、荊山(けいざん)の道士・黄海峰(こう・かいほう)と共に美童の潜む夢幻宮に飛び込む!

孔雀王(8) 崑 崙

世界支配を目指す謎の密教集団・六道衆の八大明王が一人、軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)によって魔王としての運命を宿命付けられた少年・オカンとその姉・オルガを救うため、呪禁道の使い手王仁丸、道士・黄海峰と共に富士の冥穴(めいけつ)に足を踏み入れる孔雀。自身の恐るべき力におののくオルガを救おうと試みるが……!

孔雀王(9) 天蛇王

闇の孔雀王として育てられた少年・オカンを助けるため、孔雀と呪禁道の使い手王仁丸、道士・黄海峰は、西王母の住む崑崙(シャンパラ)を目指す。王仁丸、黄海峰の決死の力で送り出された孔雀たちは、光の都とうたわれた崑崙の本当の姿を知る……。

孔雀王(10) 鳳 凰

それぞれ、天蛇王・孔雀王の運命を背負うオルガとオカンの姉弟は、宿命に促されるままお互いを傷つけあう。人と神の狭間で苦しむ二人が選ぶのは、この世から消え去ること……。悲しい姉弟の死を見届けた孔雀は、怒りを爆発させる。

孔雀王(11) 裏高野

裏高野で最強の退魔師だった父・慈覚のあとを辿る、孔雀の冥府魔界の旅は続く。孔雀はそこで、自身の出生の秘密と共に、生き別れた双子の姉・朋子がどこかに生きていることを知る。そして朋子が、孔雀王と対立する天蛇王の宿命を背負っていることも……。

孔雀王(12) 聖 杯

キリストの血を受けた聖杯が狙われる?その情報を手にした呪禁道の使い手・王仁丸と道士・黄海峰がサンフランシスコで目撃したのは、ヒトラーが残した終末の軍団<ラストバタリオン>だった!一方、孔雀も聖杯が生き別れた姉への唯一の手がかりと知り、ジークムントの魔銃をもつジークフリードと対決する。

孔雀王(13) 青 龍

聖杯に対抗できる唯一の武器・ロンギヌスの槍を手に入れるため、ロンギヌスの槍をとりこんだ巨大な龍・青龍と孔雀は対決する。しかし、青龍の強大な力の前では、孔雀王の力も通用しない。何にも負けることのない孔雀王の力がなぜ?謎がとけない限り孔雀はロンギヌスの槍を手にすることはできない。

孔雀王(14) 天 蛇

終末の軍団<ラストバタリオン>に囚われていた、孔雀の生き別れの姉・朋子も、黄海峰との出会いにより、徐々に人間らしい心を取り戻し始める。しかし、死んだ父・慈覚が闇に騙されるまま、自分を殺そうとした過去を知り、呪われた天蛇王として目覚めがはじまる。

孔雀王(15) 闇曼荼羅

激情にかられ、孔雀は天蛇王=姉・朋子にロンギヌスの槍を突き立てる。しかし、邪念にかられた孔雀の手のロンギヌスの槍に聖なる力はなかった……。実の弟に殺される事実は、天蛇王を真の闇の盟主に目覚めさせ、孔雀は自分の無力さに絶望する。希望の光はすべて潰えてしまうのか!?

孔雀王(16) 孔 雀

自分の無力さに絶望した孔雀の力を、サタンの生まれ変わり・鳳凰が乗っ取る。孔雀の強力な力を使い、孔雀の師匠・慈空を破る。そして阿修羅をその手にかけようとしたとき、孔雀の心が蘇る!!最強の力・智拳印を手にした孔雀は、天蛇王となった姉・朋子を、闇に呑まれた世界を救うため最期の戦いに赴く。物語は衝撃のクライマックスに突入する!!

孔雀王(17) 卒都婆小町

もうひとつの孔雀の物語・短編集。廃墟となった遊園地にとりついた付喪神(つくもがみ)が少年を襲う!孔雀の力も通じない敵の正体とは?「魔界遊園地」。百人に一鬼ずつ刻まれた百鬼夜行の入れ墨が百夜鬼となって人を襲う……。残るひとつの入れ墨を孔雀は守りきれるのか?「刺青」。拝み屋として様々な事件と相対する孔雀を描く。名脇役・王仁丸の活躍を描く「王仁丸退魔録」も収録。