あらすじ

日本の命運をかけたD計画による「A計画解体」作戦で、パイロットとして自らの命を引き替えにするはずだった小野寺俊夫(おのでら・としお)は、結城(ゆうき)にその役割を奪われてしまう。憎まれ口を叩きながらも任務を遂行する結城は、小野寺に妻・まなみへ結城の死を伝える役目を押しつける。そして結城の犠牲によって大津波の被害を防ぐのに成功するが、結城を殺した自責の念にかられる小野寺の精神は崩壊してしまい……!?
日本沈没(1)

日本が沈没するという未曾有の大災害をテーマにした小松左京原作のSF小説を、一色登希彦がダイナミックにコミック化した災害パニックドラマ。仕事を終えた深海潜水艇パイロット・小野寺俊夫(おのでら・としお)は、後輩の結城(ゆうき)に連れられて入った雑居ビルの居酒屋で酒豪の女性・阿部玲子(あべ・れいこ)と出会う。その後、店で奇妙な行動をした初老の男・田所(たどころ)が「このビルは危険だ」と言い出して……!?

日本沈没(2)

ビル一棟がまるごと地中に沈むという異常な現象に遭遇した深海潜水艇パイロット・小野寺俊夫(おのでら・としお)。日本の危機をいち早く察知して独自に行動する地球物理学者・田所(たどころ)は、沈んだビルに偶然居合わせた小野寺の卓越した能力を知り、日本海溝の最深部を調べる調査を彼へ依頼する。そして小野寺の操縦する深海潜水艇に乗船した田所と助教授・幸長(ゆきなが)は、日本海溝で恐るべき光景を目撃して……!?

日本沈没(3)

日本海溝でありえない異常事態を目撃した深海潜水艇パイロット・小野寺俊夫(おのでら・としお)と地球物理学者・田所(たどころ)。日本列島の異変を感じ取って動揺する小野寺は、阿部玲子(あべ・れいこ)と新年を迎えることで気持ちを紛らわそうとする。そして初日の出を見ようと相模湾へ出かけた小野寺と玲子の眼前で、伊豆大島三原山が大規模爆発を起こして……!?

日本沈没(4)

地球物理学者・田所(たどころ)らを中心にして秘密裡に発足した「D計画」は、2日後に京都で壊滅的な地震が起こると100%の確率で予測する。それを知らされた総理大臣・緒方(おがた)は、その予測を一切公表しないという決断を下す。一方、D計画への参加を誘われた深海潜水艇パイロット・小野寺俊夫(おのでら・としお)は、その予測を聞いて京都にいる友人・郷六郎(ごう・ろくろう)の元へ訪れて……!?

日本沈没(5)

京都大震災をくぐりぬけて友人・郷六郎(ごう・ろくろう)を救出した小野寺俊夫(おのでら・としお)は、意を決してD計画への参加を表明し、新造深海潜水艇・ケルマディック号で調査を続ける激務の日々に身を投じていく。一方、小野寺の後輩・結城(ゆうき)は、田所(たどころ)と小野寺が以前調査した危険な場所を、名誉教授・山城(やましろ)教授の依頼で潜水調査することになるが……!?

日本沈没(6)

「1年を待たずして日本列島の大部分が海面下に沈む」という結論を導き出したD計画。それを聞いて驚愕する面々に、東京で超巨大地震が発生したとの知らせが入る。のちに「第二次関東大震災」と呼ばれ、500万人を超える死者を生み出す恐るべき大災害は、日本の中心であった東京を阿鼻叫喚の地獄絵図に塗り替えていく。そして災害から生き残った人々を蝕む狂気は、新たな犠牲者をも生み出していき……!?

日本沈没(7)

要救助者を救出した後、土石流のような崩落に巻き込まれたハイパーレスキュー隊員・阿部玲子(あべ・れいこ)。奇跡的にほとんど無傷で助け出された玲子は、目覚めた病室で消息不明となっていた小野寺俊夫(おのでら・としお)と再会する。一方、総理のポストを狙う幹事長・大柳(おおやなぎ)は、名誉教授・山城(やましろ)から物理的に強大な力によって日本列島の水没を未然に食い止める方法を聞き出して……!?

日本沈没(8)

熊本城へ降り立った総理大臣・緒方(おがた)は、5時間後の阿蘇山噴火を予告し、自分の命をかけて実況中継することで、一年を待たずして日本が沈没するという現実を国民に受け入れてもらおうとする。一方、そんな緒方の異常な行動を否定する幹事長・大柳(おおやなぎ)は、別のチャンネルで名誉教授・山城(やましろ)教授を登場させて噴火予告を打ち消そうとするが、そこへ地球物理学者・田所(たどころ)が現れて……!?

日本沈没(9)

D計画に反目するA計画へ後輩の結城(ゆうき)が参加することになり、複雑な思いを抱く小野寺俊夫(おのでら・としお)。しかもA計画が唱える核爆弾使用による日本沈没阻止計画では、日本沈没を止められず、環太平洋全域への大津波と沖縄海域水没という甚大な被害を出すと知った小野寺は、中田(なかた)へ被害を防ぐ方法を聞き出そうとするが……!?

日本沈没(10)

日本の命運をかけたD計画による「A計画解体」作戦で、パイロットとして自らの命を引き替えにするはずだった小野寺俊夫(おのでら・としお)は、結城(ゆうき)にその役割を奪われてしまう。憎まれ口を叩きながらも任務を遂行する結城は、小野寺に妻・まなみへ結城の死を伝える役目を押しつける。そして結城の犠牲によって大津波の被害を防ぐのに成功するが、結城を殺した自責の念にかられる小野寺の精神は崩壊してしまい……!?

日本沈没(11)

結城(ゆうき)の死で精神が崩壊し、記憶喪失になった小野寺俊夫(おのでら・としお)は、瀕死の自分を救ってくれた少女・マコだけが生き甲斐の被災者・小野田(おのだ)として生きていた。ただひたすら救助を待つ日々を過ごす無気力な小野田は、D計画民間機関の郷(ごう)に呼び出され、力を貸して欲しいと頼まれるが断ってしまう。そんなある日、小野田のいる避難所にハイパーレスキュー隊員・阿部玲子(あべ・れいこ)が……!?

日本沈没(12)

マコ達を救うためにハイパーレスキュー隊員の阿部玲子(あべ・れいこ)と掘田(ほった)と協力しあう小野田(おのだ)。そこで救助ヘリの操作を任された小野田は、天性の操縦センスで機体のローターに巻き込まれそうになった玲子を助ける。そして次々と救助していき、最後の一人を玲子が救助した時、岩場の崩壊で堀田が犠牲になってしまい……!?

日本沈没(13)

沈みゆく日本列島から日本人を脱出させるために、世界各国に受け入れを懇願する外務省特別顧問・野崎(のざき)。しかしニューヨーク国連総本部のンバヨ委員長は、各国の日本人受け入れに驚愕の「条件」を提示する。しかも国連側は、その「条件」の受け入れの決定を、野崎でも総理大臣の緒方(おがた)でもなくD計画民間機関の郷(ごう)に委ねて……!?

日本沈没(14)

「実質的に奴隷としてもよい」という世界各国から突きつけられた日本人救済条件を承諾したD計画民間機関の郷(ごう)。外国に救助されても暗い未来が想像される日本人には、あえて沈みゆく日本と運命をともにする者もでてくる。そんな時、小野田(おのだ)は資材管理担当の矢崎(やざき)から、ショットガンで損壊された遺体が発見されたという報告を受ける。そして矢崎は、マコと一緒に救出された元死刑囚達に疑惑を抱き……!?

日本沈没(15)

心の支えであったマコが姿を消し、阿部玲子(あべ・れいこ)の発した言葉ですべてを思い出した小野寺俊夫(おのでら・としお)。しかし小野寺は、自分の生体認証タグをえぐり出して、玲子に別れを告げて去っていく。そして八丈島へとたどり着いた小野寺は、滝に佇む着物姿のマコと再会して……!?ついに海の底へ沈む日本列島、愛と感動のクライマックスを迎える完結巻。