私的漫画世界|花咲アキラ|美味しんぼ
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1981年に商業誌でデビューし,1983年からはずっと「美味しんぼ」しか描いていませんので,漫画家人生のほとんどを「美味しんぼ」に費やしていることになります。
連載開始時の絵柄は劇画調でとてもラフなものであり,特に主人公の山岡士郎の造形はひどかったですね。参考として単行本第1巻のカバー絵を掲載してみますので比べてみて下さい。栗田ゆう子もまるで子どものような造形でした。
しかし,回を重ねるごとに絵柄も整理されてきて単行本の第7巻あたりでほぼ完成したようです。それにしてもこのままいくと花咲アキラは生涯ほとんど一作品の作家として終わってしまいそうです。wikipedia でチェックしても作品リストには「美味しんぼ」と「のぼうの城」しか出てきません。しかし,それもまた漫画家人生なのでしょう。
「雁屋哲」は「美味しんぼ」の原作者としてすっかり有名になりましたが,その10年前には「男組」で少年サンデーの看板作品となっています。それ以降も男の生き様を骨太のストーリーでなぞってきました。
この時代のイメージがすっかり染みついている私などは「美味しんぼ」という畑違いの作品に当初はかなり面くらいました。しかし,料理・食材・環境など多岐に渡る知識が網羅されており,原作者の知られざる一面が明らかになります。