多映子は幼なじみの文雄と婚約したばかり。近頃彼女は、挙式寸前に逃げ出す夢を見る。これでもう6度目、相手の顔は解らない。正式な結納も済み、あとは式を待つばかりなのに、晴れ晴れとした気分とは何かが違う。そんな時、多映子は文雄たちと遊んだ幼き日の浜辺を思い出す。「小さい波から数えて九番目の波が一番大きいのよ」…。マリッジブルーに揺れる女心を描いた表題他、女達の出会いと別れの恋愛短編集。
「これからはプレイボーイとしかつきあわないわ!」老人ホーム職員のホリーは仕事に理解を示さない婚約者と別れたばかり。その話を聞いた投資カウンセラー、ニックは喜びを隠すのが大変だった。もう彼女は人のものじゃないんだ!はにかみやのニックは決心する。彼女の心を掴む為、プレイボーイになってみせると…。
「今夜9時、渋谷のアンジェリーナの前で待ってる」留守電に入っていた駆け落ちのお誘い。しかしそれは間違い電話だった。メッセージを聞いたともえは、電話の男に間違い電話だと知らせるため、指定の待ち合わせ場所に会いに行く。状況を理解した男は慌てて電話しなおしたが、何故だか電話が繋がらない。彼女は10日も前に引っ越した後だった。それからともえと男は、経過報告も兼ねてちょくちょく顔を合わせるようになり…。女の恋愛短編集。
春うららかなある日、松川家に台風が上陸する事に。4人姉妹のその台風は父親が親友の借金を肩代わりし、その上蒸発したその親友の代わりに面倒を見てやる事になった結果だった。それぞれが傍若無人の振る舞いに天気予報師の松川邦高の日常は台風時々台風!?