祖母が亡くなったのをきっかけに英国人紳士シシル・ベーカーと出会う真縒。シシル・ベーカーは実は魔法使いで…!?
凝り固まった心をほぐし、失いかけた何かを取り戻す―人前ではむやみに使えない不思議な力をそれぞれに秘めながらも、表向きは普通のイギリス人として暮らす魔法使いの一族がいた。しかし欲望のままに悪用すれば、一族を統率するクレストマンシーがその力を奪いに来る…簡単に夢見られなくなった大人に贈る、ギフト・メルヘン。
非行と無断欠席を繰り返す留年生・瀬良大希。背景では親が高校に退学させないことを条件として多額の寄付金を積んでいたが、大希はその非情な取り交わしを憎み、強く反抗する。また、若くして大希の担任となった仁科春妃は『未熟な女教師』がゆえ、学校側でPTAへの言い逃れとして利用されたと知る。似た者同士のふたり― 春妃は大希に一個人として向き合うと決意し、大希もそれに導かれるように恥じない生き方を模索し始める。
「なんかホントにすごい学校に転入しちゃった」静華女子高校に転入してきた2年生の桜庭風子。明るくて清純でキラキラした女の子たち――風子が抱いていたイメージとは反対に、女子校は魔女の棲家だった!?さっそくスケバン3人組に目をつけられ、男をひっかけるために喫茶店に連れ出された風子のもとに、一人の男が近づいてきた……。少しずつ変わっていく4人の関係に、いつまでも友達でいたいだけの七生は動揺してしまう。
30歳になった希和子、仕事を優先に考えていた彼女は友人である年下の邦と体の関係を持ってしまう。今まで、恋愛感情を邦に抱いていなかったが、彼のことを意識するようになってしまう。
里流は美術のデッサンで、ヌードモデルとして来た男性、聖に出会う美術家を志す者としてモデルである彼に惹かれる里流は、彼と交流を深めるうちに自分に別の感情があることに気づいていき…
施設で育った晶子は大人になって、幼い頃、養子に出された美夏の結婚式に呼ばれ、彼女の家を訪れた。美夏は田舎ではあるが代々続く名家に引き取られ、お嬢様として何不自由なく育っているように見えた。だが彼女は、幼い頃は病気の姉の遊び相手を強いられ、後継ぎの産めない姉の代わりに、家のために結婚しなければならない過酷な運命を背負っていた。そんな美夏との再会が、晶子を恐ろしい事件に巻き込んでいく――!! 田舎の名家に伝わる因習、そして事件の裏に見え隠れする母娘の愛憎を鋭く描いたショッキング・サスペンス!!
朋歌はルームシェア相手を探していたが、友人のかおりが連れてきたのは、なんと男性だった! 彼はゲイだから大丈夫、そう言われて渋々承諾した朋歌だったが、拭いきれない不安が…。だが彼と暮らす内に、お互い心から信頼し合える友人になっていく。
眉目秀麗、頭脳明晰、性格明朗、秘書課の小夜花は誰もが認める完璧な女。短所らしい短所など見当たらず、彼女を虐めていた先輩秘書が事故に遭って入院した時も、小夜花は真っ先に先輩気遣った。しかし、光が強くなればなるほど、影もまた濃くなると言うものだ。実はこの事故、小夜花の双子の妹の英里花が引き起こしたもの。これまでの人生でも、英里花はお人好しの小夜花の障害となる人物を排除し続けていて…。表題作含む、全4編の短編サスペンス。
百合絵は通学バスの中で幼なじみの男の子・柳クンに痴漢行為を働いた(百合絵の勘違いだが)大学生・綴と知り合う。最悪の出会いをした2人だったけど…? 2人が織りなすおかしなラブ・ストーリー。
大ファンだった海外のロックスターが結婚した。でもそれは、ほんのきっかけ。高校2年の山口果菜子は、自分の居場所が無い毎日に焦燥感を感じていた。「死んでしまいたい」そんな言葉が脳裏をよぎりもしたが… 彼女は暗い気持ちに踏ん切りを付けて、明るい足取りで家路に向かう。しかし、ドアの向こうに待っていたのは死神!? 家の中には家族と食卓を囲む明るい果菜子の姿もある。そう、今の彼女は、果菜子から切り離された「死にたい」と言う気持ちなのだ…!?
自由な愛、見つめるだけの愛、愛される愛、許されぬ愛…。図書委員で文芸部の奈津を中心に、様々な人々の恋、苦悩、思惑が交差する、シリアス学園恋愛ドラマ。生徒会長と副会長の矢木沢透と大島渚は、誰もが憧れ、同時にお似合いのカップルだと認める学園の二大スター。奈津も矢木沢に片思いをする女の子の一人。そして文芸部部長の大島にも尊敬の念を抱いていた。そんな奈津に各々様々な感情を抱き、影から見つめる視線が一つ、二つ、三つ…。
仲良し4人組の切ない恋愛群像劇。七生(ななお)、由子(ゆず)、一樹(いっき)、深(しん)。同じ大学を目指す仲良し男女四人組。だけども由子が素敵な男性と知り合い、他の三人と少し距離が出来た。徐々に変わっていく関係…。そんな中で一樹が七生に告白した。おしゃべりでお転婆で慌て者で、子供っぽい七生。口喧嘩相手の一樹からの思いも寄らぬ告白に動転し、七生は意に反して一樹を遠ざけてしまう。そんな二人の仲を取り持とうと動く由子と深だったが…?
降りしきる雨の中、泣きながら歩いていた茉莉子は軒下で“飼っていた猫そっくり”の“人間の男”を拾う。行く場所がないなら自分の家に来てもいい、その代わり猫として過ごす事。という奇妙な条件付で男はノアールとして茉莉子の家に居候する事になるが…!?
典型的な京女の母と京美人の姉を持って生まれたおてんば盛りの紫紘は、内外ともに完璧な姉にコンプレックスを抱く女子高生。そんな折、姉の元同級生で東京の大学に進学していた幼馴染の利実が正月休みで帰省して来た。利実が大好きな紫紘は利実にべったりしていたいのに、利実の友人・剣一の京都観光の案内役を押し付けられてゴキゲン斜め。「京都が嫌い」と語る紫紘だけど、そこには嫌っても嫌いになりきれない愛情の裏返しが感じられて…。
大学生の小桜萠胡がレポートを書くのに必要な本は、茂原教授に貸し出し中。萠胡は教授から本を借りるため、教授のプライベートルームを訪れ、そして二人は出会うのだ。 西條春洋。彼は、パトロネスに金と部屋を援助して貰いながら執筆活動をする学生小説家だった。会話を重ねるたびに若い二人は心惹かれあっていく。しかし、春洋にはパトロネスの藤枝巴がいる。そして萠胡もまた…。
北海道純愛物語。「とまどい皐月」の続編。兄の結婚式に出席するため横浜に帰省した数雪を追っかけて、咲耶は横浜までやって来た。数雪の通った学校、数雪の歩んだ道…。数雪の生まれ故郷を数雪と二人で散策し、咲耶は横浜が好きになった。だけども数雪が高校時代の友人たちに言った「(まだまだ)結婚する気はない」の言葉を、咲耶は「私は結婚対象外」と解釈し、すっかりヘソを曲げてしまって…?
校内一の問題児・瀬良大希。親が多額の金を積み、出席日数さえ足りれば何をしても卒業出来る。だからこそ瀬良は親や学校に反発して不登校を繰り返していた。そんな瀬良の担任に任されたのが大学を卒業したてのハルヒだった。夢と情熱に燃えるハルヒだったが、彼女はPTAへの言い訳の道具に使われているだけの道化だった。「女だから仕方がない」「未熟だから仕方がない」…。全てを知ったハルヒは、教師ではなく一個人として瀬良とぶつかっていく決意を固める。
モテナイ女子高生・東 未知留の悪友二人、クールで男前な女の子・中田唱子と、可愛い天然ブリっ子の沢口晴世。三人は仲良しなんだけど、未知留にとっては悩みの種でもあった。未知留はいつも二人にからかわれる役回りだし、ちょっとでも気になる男の子がいると知れれば全力で妨害してくる…。最近バイト先の大好きな伊原クンといいカンジの未知留だったけど、伊原クンの親友「みちるクン」は伊原クンを取られてご機嫌斜め。唱子と晴世も気配を察して…?
両親が死に、イトコの佐伯おじさんの家に引き取られて7年。なに不自由なく育てられて、両親がいなくたって私は幸せ。だから知らなきゃならない。”あの子”が同じように幸せに暮らしているか…。「私の一生を捧げる男性は、もう決まっている。」そう語った麻衣子が、ある日友人達から中学時代の卒業アルバムを集め、名簿を熱心に見つめて一人の男を紹介して欲しいと言い出した。あの麻衣子が男漁り!? 色めき立つ友人達だったけど、麻衣子にはとある決意があって…。
16にもなって童話の王子様が現れるのを待ち続けているカスミ。そんな彼女を心配した親友のトチ子は、カスミにBFを紹介すべく、半ば強引に喫茶店に引っ張り出す。逃げ出すカスミだったが、二人連れの男がちょうど入店して来て、ドアに鼻を思いっきり顔面強打! 偶然にも男の片割れはオカマの兄の友人・摩生だった。摩生に一目惚れしたトチ子の願いで、後日トチ子を摩生が通う大学に連れて行くカスミ。そこで、あの日の摩生の連れの男・紫苑と再会して…。
亜矢子の家は下宿屋をやっている。女性限定の下宿屋で、男と言えるのは小学3年生の弟だけ。そんな下宿屋に、”フーテン野郎”野村ミキ(幹)はやって来た。名前で女と間違われたのだ。”ジャジャ馬娘”の亜矢子には認めてもらえず、何かといがみあう幹だったけれど…? 鈴木雅子の底抜け元気な下宿ラブコメディ!
鈴木雅子の『幾千万のマリア』第0章。千輝笙(ちぎらしょう)と佐々珠姫(たまき)、二人の出会いと愛の物語とは一体どんなものだったのだろうか…? キャンパスの掲示板にキョーレツな貼り紙がされた。「こどものほしいかた産みます」。キャンパス内は喧々諤々。プレイボーイの笙は、この貼り紙の主が自分が目を付けていた可憐な女の子だと知りショックを受ける。そしてこの見かけによらぬ不埒な女を適当に遊んで捨ててやろうと思い立ち、珠姫に近づくのだけど…?
行き遅れOLの浅倉さん。結婚する気はあるけど、焦って相手を探す気も無い。旅行も行かないしブランド物も買わないが、部屋をただ帰って寝るだけの場所にしないのが彼女のこだわり。部屋は最高の憩い空間だ。が、10年住んだボロアパートが、老朽化で建て直す事になった。彼女は「いっそ自分の部屋を買ってしまおう」と思い立つ。しかし物件に出物ナシ。引越し期日は迫ってくる。そんな時、居酒屋で見知らぬ男に不動産屋を紹介されていたのを思い出し…?