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栗本 薫(くりもと かおる、1953年2月13日 - 2009年5月26日)は、日本の女性小説家、評論家。日本SF作家クラブ会員、日本推理作家協会員、日本ペンクラブ会員、日本文藝家協会員、日中文化交流協会員。
代表作は『グイン・サーガ』、『魔界水滸伝』、『伊集院大介』シリーズなど。『グイン・サーガ』は序盤が英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、韓国語に翻訳されている。
また、中島 梓(なかじま あずさ)名義で、評論活動や作詞作曲、ピアノ演奏、ミュージカルの脚本・演出なども手がけた。本名は今岡 純代、旧姓は山田。
夫は『S-Fマガジン』第6代編集長を務め、天狼プロダクションを経営する今岡清。母方の又従兄弟(祖父の姉の孫)に 梶原一明(経済評論家)がいる。父親は石川島重工業(現在はIHI)の重役をへて、石川島建機(現在はIHI建機)の社長となった実業家。
幅広いジャンルで活躍した栗本薫原作のミステリー。伊集院大介を主人公とした人気シリーズの長編の漫画化です。私が知らないだけかもしれませんが、栗本ミステリーの漫画版ってあまり見かけたことがなくて、長年のファンとしては原作を尊重しているか一抹の不安がありましたが、これがなかなかのもの。事件現場や関わる人間の描き方が丹念で、原作の雰囲気を心得た作品になっています。細部まで描き込まれた人里離れた集落と繊細なタッチの人物とのコントラストも、非常にこの原作にあっているのではないでしょうか。ただでさえ、落人、日本の秘境、九州の山奥とアイヌ人、独特の風習、たたり、嵐の山荘、とただでさえおどろおどろしくならざるおえない状況がてんこ盛り。その中、伊集院やカオルはそのシンプルな描写ゆえに部外者的な感覚が常にあって、事件の本質を冷静に追っていける、という感じ。適度に漫画的な小説家と探偵のコンビ、という設定も良いアクセントになっています。まあ、あまり書くとネタばらしになるので、あとは見てのお楽しみということで。