「銀河鉄道999」でおなじみであり、SF漫画界の巨匠とされる松本零士が、シュールな世界観で男と女を描いたオムニバス作品11編を収録した傑作短編集。虫マニアの敷井高志(しきい・たかし)は、会社を解雇された後に立ち寄った公園で、木の上のミノムシを取ろうとしたらカップルの性行為を覗いた疑いをかけられ、警察へと連れて行かれてしまう。なんとか疑いは晴れて部屋に戻った高志の前に、カップルの女・山川螢子(やまかわ・けいこ)が現れるが……!?
鉛をも溶解する灼熱地獄のような金星から、新たな土地を求めて地球へとやって来た高等生命体。だが地球の環境は、彼らの持ち込んだエネルギーを急速に奪い、それどころか、人間の脳細胞の働きも低下させてしまうという…。(翼手龍の墓場) 地球と金星の間には無の空間があった。金星の調査に向かった古教授と台場は、沈黙圏と呼ばれるそれを通過し、金星へとたどり着いた。しかし、そこで二人が見たのは…!?(金星の死の都) 他、全12編を収録したSF傑作短編!!
エンジン音が地上から絶えて久しく、バイク禁止令の敷かれた近未来。旧式のバイクに乗り、旧式の武器を使って機甲旅団司令のゼラ・ツェンダーを倒せば、バイク禁止令は解除され、自由に走って旅することができるという。だが、もう世界のどこにも動くバイクはなかった…。それでもゼラを倒すことに命を懸ける美女、セイバー・セラザートは、老人・シンに、もう一息で動くようになるバイクがあるとの話を聞き…!?
▼第1話/ヤンの生きた世界▼第2話/未完成▼第3話/第3生命帯▼第4話/新世界はむらさきの空▼第5話/ヒミコの矢▼第6話/電話▼第7話/幽霊世界▼第8話/わが愛の幻影▼第9話/無限世界のヤン▼第10話/みどりの国のマーヤ▼第11話/さらば生命の時▼第12話/サレルヤの森▼第13話/蛍の青い火▼第14話/幻想世界のアム▼第15話/140万光年の沈黙▼第16話/インパールの雪▼第17話/古本屋古本堂▼第18話/緑の環▼第19話/ブーメラン▼第20話/枯木霊歌▼第21話/グリーンインセクター▼第22話/海軍拳銃1851▼第23話/衛星2連独房▼第24話/狂詩曲第五番▼第25話/無限軌道1997 ●あらすじ/太陽に飲み込まれる寸前に、地球を脱出してきた者たちが住む惑星でのこと。祖父と洞窟に住むヤクは、壁に絵を描いて暮らしている。彼は力が弱く、他の男たちのように狩りをすることができない。そして彼の絵のモデルになっていたマヤは、そんな彼に愛想を尽かして、強い男ムウに従って旅に出ていってしまう。弱肉強食の世界が始まったのだ(第4話)。▼売れない絵描きをしている蜜蜂のヤンは、家のそばで美しいカゲロウのレアがうずくまっているのを見つけ、休ませることにする。ヤンは光り輝くような彼女に惚れてしまい、「いつまでもここにいていいよ」とまで言うのだが、金色に輝く身体を持つロロが迎えに来ると、彼女はヤンを捨てて出ていってしまうのだった。「あなたは自分の世界を持っている。私達には目に見えるものだけしか持ち合わせがない」という言葉を残して…(第9話)。
「宇宙戦艦ヤマト」でおなじみのSF漫画界の巨匠・松本零士が描く、逆境の中で必死に生きる少年・有紀嶺(ゆうきれい)が活躍する蜃気楼フェリーでの冒険の旅。人が働くことを禁じられた時代、惑星・ミラージュで暮らす嶺は、漫画家になることを夢見ていた。そしてアルファ達から、星の海に雪が降ると、蜃気楼のようなフェリーが来ると聞いて……!?
顔も頭もさえなくてひがんだ少年・物野けじめ(ものの・けじめ)と、彼につきまとう美しき魔女天使が巻き起こす不思議な出来事を描いたSFファンタジー。生徒達から馬鹿にされる学校生活を送っていた中学生・物野けじめ。そんな彼の前に突然現れた美女・時野輪レイ(ときのわ・れい)は、けじめに好きだと告白して熱烈な愛情を注いでいくのだが……!?
海底で異変が起きている!?地球規模の危機に、深海探査船「くろふね」は日本海溝に向かうが、1万メートルの深海で遭遇した「ヘルメット党」の潜水艦によって破壊されてしまう……。「くろふね」に乗船していた沖博士の息子・ススムは、「くろがね」と共に海に消えた父と兄の遺志を継ぎ、二人が残した潜水艦「スーパー99(ナインナイン)」に搭乗する!なぜ「くろふね」は狙われたのか?「ヘルメット党」の目的は?「スーパー99」、今、出航のとき!松本零士が描く大海洋アクション!
太陽系第10惑星プロメテ――1億7千万年の周期で太陽の周りを一周する、気の遠くなるほど遠い星。地球とほぼ同じ環境といわれるプロメテを開発しようと、人類はプロメテ移住計画を発動するが、パイロット・一文字断鉄の裏切りによって失敗に終わる。そして10年後……。ドップラー総統がプロメテ星を選ばれたエリートのみが支配する星にするべく暗躍するなか、一文字断鉄の息子・タクマは卑怯者の息子とそしられながらも、大江戸博士のもと、パイロットの腕を磨いていた。ドップラーによって劣勢に追いやられる大江戸一派だったが、彼らには巨大ロボット“ダンガードA”という、切り札があった!!『銀河鉄道999』の松本零士が描くスペース・ロボット・ロマン!!
おんぼろアパートの窓を開けると、大宇宙がひろがった!イヴの髪の毛、イヴの匂い、イヴのぬくもり――大口守にとって、イヴはたしかな存在であった。イヴの澄みきった瞳の中に、まだ見ぬ異星の風景が映しだされた。
アルバイトしながら中学校へ通う苦学生・大山大(おおやま・だい)は、間違えて時刻表に書いていない、存在しないはずの電車に乗車してしまう。その電車の名は漂流幹線000(スリーゼロ)。時を超え旅をする000の無限区間定期券を手に入れた大山は、謎の美女・メイビスに導かれるまま、時空を股にかける旅に出発する!西無時谷(にしむじだに)という名の駅に降り立った大山が見たのは、永遠の平和と幸福の追求のために時間が停止させられた街だった……。松本零士の描く時空ロマン大作!!
街角にある古めかしい酒場・蜃気楼。人生に迷った男たちは時空を超えて蜃気楼にやって来て、美しい女主人・摩耶の虜となる。戦いに敗れた男たちは摩耶に何を求めるのか…。松本零士が描く、妖しく哀しい男たちの物語。
●登場人物/ラダー(宇宙のとある惑星で殺戮を続ける男)、裸田(ラダーの先祖)。▼第1話/赤血光道編▼第2話/暗黒光道編▼第3話/無体漂流者編▼第4話/ワイナピチュの黒い影▼第5話/ガンフロンティア ●あらすじ/広大な宇宙の中にある惑星で無差別殺戮を続ける男・ラダー。彼が何故人を殺していくのか、ラダー自身も、その他の誰も知らない。ある時、出会った敵を追ったラダーは、一艘の漂着した宇宙船までやってくる(第1話)。▼地球に深い霧が漂っている。その霧が晴れた時、闇が訪れた。3ヶ月後、闇夜に宇宙船が現われ、裸田をはじめとする人々は、支持に従い宇宙船に乗り込む。地球を飛び立ったその時、地球は黒い星と衝突、消滅する(第2話)。●本巻の特徴/暴騰で語られるラダーの殺戮行為の理由が、第5話で明らかに。登場する惑星/ラダーのいた惑星(名前なし)(第1話)、地球(第2、3話)、大気の希薄な惑星(名前なし)(第4話)、ガンフロンティア(第5話)
▼第1話/誇りの墓標 ▼第2話/暗黒の魔女 ▼第3話/振動(フラッター)100 ▼第4話/界雷防御線第13号 ▼第5話/碧血の旗 ▼第6話/冥界からの手紙 ▼第7話/真空流体 ▼第8話/錆の海の旅人 ●あらすじ/終戦直前、浮かぶだけで動かない城と化した空母。そこに残された艦載機は2機。そのうちの1機を指し「これには俺が乗る」と島田大尉。残る1機の搭乗者は決まっていなかった。オイル漏れのひどいその飛行機を嫌がる仲間に、田川一飛曹は「俺は飛べればなんでもいい」ともらす。深夜、飛行機から照準器をはずした島田は田川を連れ、それを死んでいった同期生の残したプロペラの隣に埋める。これは誇りを埋めた墓、島田は田川に向かって「おまえには埋めた誇りを見届ける義務がある」と言うのだった。そして翌日、敵襲が現れ出撃する2人。だが、田川の飛行機は故障で満足に飛べず、島田はただ一人戦場に散る(第1話) ●本巻の特徴/ビッグコミックオリジナル増刊号に掲載の作品を中心に、第2次大戦中の飛行機にとり憑かれた男たちの生きざまを描く。「ザ・コクピット」「ケースハード」と続く、巨匠・松本零士のライフワーク「コクピット」シリーズ最新作。
SFコミック界の巨匠・松本零士が、一年中ステテコをはいている中年男の自由な生き様を描いたショートギャグ作品。就職が決まって上京した若者・草葉茂は、会社が決めてくれたアパートでステテコ姿の中年男・沢渡酒造と遭遇する。翌日、初出社した草葉は、社内でもステテコ姿の佐渡と再会して……!?
『聖凡人伝』の主人公・出戻始(でもどり・はじめ)の兄である年郎(としろう)の冴えないサラリーマン生活を描いた、松本零士の人生哲学的作品。休んだ年郎の代理で、取引先のセックスコンサルタントに会いに行った女性社員・中原(なかはら)は、出戻宛ての封筒を渡される。その中身がエロ写真だと知った中原は、男性社員・森山(もりやま)に届けてもらうことにするが、エロ写真を見た二人はエッチな気分に……!?読み切り短編『エロビンフッドの冒険』も収録。
国民全員のあらゆる過去がすべて記憶された機械“ヤマビコ13号”を破壊しようとする青年を描いた表題作と、他3作品を収録したSF界の巨匠・松本零士の傑作短編集。恋人・レイが事故によって心臓移植手術を受ける事になり、その手術中に何者かに頭を殴られて気絶したハシ・ワタル。そして目覚めたワタルは、全身の骨格写真を撮られた後、謎の美女に押し倒されて……!?
荒廃した地球で、不時着した友軍を助けにむかったファントム・モリがみたものは……『ゼスラス第3紀』。太陽系の運命を背負った孤独な狙撃兵ゼノ。いつ来るかもわからない敵を待ちながら、彼は孤立無援の中で戦う日本狙撃兵の夢を見る『太陽系狙撃兵』など、いつ終わるともしれない戦争に生きる人々を描く10の短編集。薄暗い戦場で、男と女はそれぞれの誇りをかけ、生き抜こうとする……。
昆虫の世界を舞台にした、松本零士の新感覚SFストーリー。恒星間の女性飛行士ライザは宇宙船が故障したため、とある惑星に不時着した。どこまで行っても昆虫だらけの世界かと思いきや、ムクキという地球人が現れ、ライザに子供を宿そうと迫ってくる。やがて、二人の間にはムクキ・ライザが生まれ、彼女はサナギの中で変態を繰り返しながら時と宇宙をさまよい始める…。その真の目的とは!?
ボロアパートで平凡に暮らしていた貧乏青年・大山敏郎(おおやま・としろう)は、ある夜、隣の部屋の美女・夜野麻由(やの・まゆ)が飼っていた吸血昆虫に襲われる。危ういところを麻由に助けられた敏郎だったが、その虫刺されに強い体質を見込まれて“昆虫開発社”で働くことに。そこで敏郎は、怪しい出来事に巻き込まれていき……!?
SF漫画界の巨匠・松本零士が描く不思議な魅力があふれるファンタジー短編集。木下(きのした)に誘われて無人島の馬魚ヶ島にやってきた美しい女性。馬魚ヶ島を嫌う彼女は、かつてその島に住んでいて自分との別れ話から自殺した男の話をする。それから木下と彼女はセックスを始めるのだが、闇夜に佇むカラスがそれを見ていた……。そのカラスの正体とは?そして木下の目的とは?
SF小説家をこころざすものの、その日の生活もままならない、ヤー公ジュリーの大四畳半人生奮闘物語。大したことがあるわけでなく、生活は特に面白いわけでもない。ここはそこらへんのどこかの誰かのいる、何の変哲もないアパート・恐竜荘。松本零士の原体験をモデルとした、四畳半一間の人間ドラマ。
男達が腰にぶら下げた拳銃で命のやりとりをしていた時代、そこはインディアンを初め、保安官や無法者が暮らす混沌とした西部劇そのものの世界。この大草原の小さな四畳半に住むのは、松本零士のおなじみのキャラクターであるトチロー。酒と女をこよなく愛し、男の誇りを何よりも大切に生きるトチローが大草原でドタバタ繰り広げる読み切り集。
空間機甲隊に所属するヤマは強行偵察の末、自然防衛サイト4に不時着する。半死半生の彼を助けたのは、ナミという名の女性だった……「空間機甲団」。未来に夢をかける少年、バン=サイゴーは希望を胸に宇宙へ飛び出す。しかし宇宙から帰ってきた兄が残した最期の言葉「おまえは宇宙へ行ってはいけない」が頭にひっかかっていた「機械人間マシンナーバン」。孤独な宇宙で生きようともがく人々を描く、7編のSF短編集。
美女にだまされ、タイムスリップの実験台にされた男の復讐劇「ダイナソア・ゾーン(恐龍帯)」。新しい人類を造るのに最も適した男として、未来に呼び出されたモト・アキラが見たのは合成生命体インセクターが支配する地球だった……「コスモレディSS」。才能はあっても愛に恵まれない哀しい男たちを、『銀河鉄道999』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』など多くの名作漫画を送り出してきた巨匠・松本零士が描く、8篇の短編集。モテナイ男には世間の風がことさら冷たく感じるのだ……。