タキシード姿のネイトに一瞬で心奪われ、情熱を交わしたテスは6週間後、彼のオフィスにいた。夢のような一夜で授かった命を彼に伝えたい──だが、彼は「父親は僕ではない」と冷たい言葉を投げつけた。信じがたい態度に傷ついたテスはあの夜を後悔し、途方に暮れる。しかし不意に家に現れたネイトは再び彼女を激しく求め、テスもまた応えてしまいそうになる。いいえ、情事の相手になってはだめ。彼女は胸の痛みをこらえ、妊娠は間違いだったと嘘をつく…。
家事や雑用の代行会社を営むクララには恋よりも大切なものがあった。それは世界で一番愛しい幼い娘。そう公言する彼女の前に、ある日、顧客の兄ラフが訪れた。妹の居場所を捜しているという彼は切羽詰まった様子で耳を疑うような依頼を持ちかけてきた。心労で倒れた祖父を安心させるため、クララに恋人代行をしてほしいというのだ。報酬は破格、さらに1万ポンドのボーナスもつけるという。彼はいったい何者なの!? 疑問を感じながらラフにエスコートされた先は…?
地味で冴えない秘書のパトリシアは、上司であるサムに密かに思いを寄せていた。そんなある日、彼から信じられない提案をされる。「僕のフィアンセになってくれないか?」突然のボスからプロポーズに、パトリシアは天にも昇る気持ちだったが、サムから詳細を聞かされて落胆した。人事部の部長は既婚者であることが望ましいと社長に言われ、どうしても結婚相手が必要になったというのだ。たとえ“ふり”だとしても、愛する彼のためならと彼女はフィアンセ役をひき受けるが…?
別居していた夫の葬儀のさなか、マディは視線を感じた。その先にいたのは夫の従兄レオ。美貌の彼の瞳に侮蔑の色がにじんでいて、彼女の心はさざ波立つ。レオは、マディが財産目当てで結婚したと思っているのだ。浪費家なうえにマディを裏切った夫だったが、幼い息子のために、せめて屋敷だけでも残してやりたい。けれど、莫大な維持費がかかってしまう。葛藤するマディに、レオが信じられない提案をする。資金を援助するかわりに結婚し、からだを差し出せと――。
訪問看護師のアニーは派遣先の屋敷で12年前に突然姿を消した恋人スローンと再会した。病気の伯母を見舞いに帰郷したと言う彼。以前の荒くれ者は影を潜め、今や事業で成功を収めた魅力的な大人の男性に成長していた。スローン、この屋敷の美しい庭であなたと結婚式を挙げるのが私の夢だったのに。どうしてあの日黙って町を去ってしまったの? アニーはすぐにでも真実を知りたかったが、自分もまた、スローンには決して気づかれたくない重大な秘密を抱えていて…。
ケイトは懐かしい故郷に11年ぶりに戻ってきた。18で望まぬ妊娠をし、「家の恥だ」とつき放されて以来両親とは疎遠だったが、あの時生まれた最愛の娘を会わせ、こじれた関係をそろそろ修復すべきと考えたのだった。だが、もうひとつの思わぬ再会にケイトの心はひどく乱される。それはかつての恋人サイラスだった。愛し愛されることに夢中で、幸せだったあの頃。まさか8歳年上の彼に家庭があるなんて思いもしなかった。――ケイトの心によぎるのは、恋しさか。憎しみか?
ひったくりにあってケガを負い、病院のベッドで目覚めたとき、モリーは記憶を失っていた。息をのむほど魅力的な男性が、心配そうに見守っている。彼は夫ピエトロと名乗り、モリーのお腹には彼の子供が宿っているという。記憶が戻らないまま彼のペントハウスで何不自由ない生活を送りながら、モリーは違和感を募らせた。本当に夫婦だというのなら、どうしてピエトロは寝室を分けるのかしら。その理由を知ったとき、モリーはピエトロの残酷な仕打ちに言葉を失った…。
親子ほども年の離れた亡きジョンとは純粋な友人関係でしかなかった。その彼からヴェネチアの館を含む莫大な遺産を贈られて驚いた二コラは、事情を探るためイタリアに向かう。旅の途中でドミニクという男性と恋に落ち、情熱的な一夜を過ごすが、翌朝何も告げず彼は姿を消してしまった。夫を失って以来、初めてのときめきだったのに、彼にとっては情事にすぎなかったのね。失意のままヴェネチアに着いた二コラを待っていたのは、巧妙に仕組まれたドミニクの罠だった!?
慈善団体の職員アリシアは、過去の恥ずべき経験から、自分を戒めひたすらまじめに生きてきた。けれど同僚に誘われしぶしぶ行ったクラブでニコライと出会い、今までの生き方を忘れた。危険で美しい人――まるで狼のよう。彼にかかわったら、私はまた取り返しのつかない間違いを犯す気がする。なのに絡みあう視線を外すことができない。たくましい腕に抱き締められたとたん、体のなかから激しい欲求がわき上がった。ニコライとのキスは、濃密な夜と破滅の味がした。
ベスは双子の妹の頼みに愕然とした。妹は実業家マーコスの秘書をしているが、社員と不倫のあげく妊娠したうえ、出産が終わるまで自分の身代わりになってほしいというのだ。聞けばマーコスは、社内恋愛すら許さないワンマンな社長のようだ。ベスは断りきれず、緊張しながら出勤した。そして初めてマーコスと対面して息をのんだ――女性を一瞬で虜にする、野性味あふれるセクシーな男性。奥手なベスは彼の誘惑に抗えず、秘密を抱えたまま恋に落ちてしまい…。
目の前の恋人はプロポーズの言葉を口にするだろう。アニーは直感した。だめ、私にはまだ忘れられない人がいる…。その時、携帯が鳴った。ジャーナリストのアニーを、マスコミ嫌いで知られる実業界の大物ヴァン・カーライルが、インタビュアーとして指名してきたという新聞社からの連絡。彼女の心は激しく揺さぶられた。ヴァン――少女の日に出会い、かつて深く愛しあい、別れてしまった人。そしていまだに最愛の人。その彼が私に会おうとしている。今さらなぜ?
トリーの勤めるテレビ製作会社に、新しい社長が今日やって来る。彼の名はルーカス・ライカールト。容赦ないリストラを断行することから“死神”と噂されていた。きっと利益のことしか考えない、嫌味な男性だわ。ところがトリーの予想は見事に裏切られた。現れたルーカスは驚くほど洗練された魅力の持ち主だった。「ずいぶん前に君をどこかで見た気がする」ルーカスの意味ありげな言葉にトリーの胸が騒ぐ。それはこれから訪れる、嵐のような禁断の恋の前触れだった!!
仕事には超有能なマークは、恋愛についてはきわめてお粗末な男。無駄なほどセクシーな彼はベッドでのテクニックも並外れていて、どんな女性も夢中になる。それをすぐ恋と勘違いしてはプロポーズ、結婚直前でドタキャン、というプロセスを繰り返すことなんと5回! マークは今度こそまっとうな恋愛をしようと、新たなお相手チャーリーと初めてのデートに出かけた。しかし、彼女にひと目ぼれして有頂天のマークは、過ちを忘れ人生で6回目のプロポーズをしたのだった!
家族のため家政婦として働きづめのモリーは、仕事先の貴族の邸宅で、イタリアの富豪サルヴィオと出会う。元サッカー選手らしくたくましくハンサムなサルヴィオにときめくモリーだが、みすぼらしい自分が相手にされるはずもないと思いこんでいた。ところが彼の気まぐれなキスを受け、一夜の夢でかまわないと純潔を捧げてしまう。まさかその一度で妊娠し、正直に告げると、金目当ての女と彼にののしられることになるなんて、そのときは想像すらできなかったのだ…。
慈善団体の職員アリシアは、過去の恥ずべき経験から、自分を戒めひたすらまじめに生きてきた。けれど同僚に誘われしぶしぶ行ったクラブでニコライと出会い、今までの生き方を忘れた。危険で美しい人――まるで狼のよう。彼にかかわったら、私はまた取り返しのつかない間違いを犯す気がする。なのに絡みあう視線を外すことができない。たくましい腕に抱き締められたとたん、体のなかから激しい欲求がわき上がった。ニコライとのキスは、濃密な夜と破滅の味がした。 ※この作品はオリジナル版に着色したものとなります。
ベスは双子の妹の頼みに愕然とした。妹は実業家マーコスの秘書をしているが、社員と不倫のあげく妊娠したうえ、出産が終わるまで自分の身代わりになってほしいというのだ。聞けばマーコスは、社内恋愛すら許さないワンマンな社長のようだ。ベスは断りきれず、緊張しながら出勤した。そして初めてマーコスと対面して息をのんだ――女性を一瞬で虜にする、野性味あふれるセクシーな男性。奥手なベスは彼の誘惑に抗えず、秘密を抱えたまま恋に落ちてしまい…。※この作品はオリジナル版に着色したものとなります。
夏に配信開始となった懐かしの名作をテーマにしたハーレクインコミックスのセットです。まだ見ぬ名作が眠っているかも! 「億万長者の妻の値段」「セカンドハネムーン」「せつない献身」の3巻をまとめて収録。
裕福な家の子息エリックを慕っていた家政婦の娘ソフィア。だが、彼が全寮制の名門校へ入学するために旅立ってからは一度も会うことなく、15年が過ぎた。そして今、彼が築きあげた不動産帝国の面接にソフィアは訪れた。女手ひとつで幼い双子を育てるためにも、この仕事にどうしてもつきたい。見事、採用されたソフィアは喜び、かつての思い出が脳裏によみがえった。エリックにされた初めてのキス。あれは彼にとってはただの戯れ。忘れなくては――。
羽生シオン先生のタイトルをまとめてお得にお楽しみいただけるハーレクインコミックスのセットです。「恋の罪、愛の罰」「情事の報酬」「憂鬱な城主」「スルタンと愛妾のハーレム」「残酷な祝福」「眠れぬ夜の情熱」「アドニスの冷たい抱擁」「億万長者の妻の値段」「鷹王と純潔の踊り子」「シチリア大富豪の誤算」の10話をまとめて収録。
兄の店でウエイトレスをしているレイラは、さびれた田舎町に似つかわしくない客に眉をひそめた。イギリス屈指の建築家ドレイク・アシュトン。再開発のため故郷に帰ってきたという彼は、彼女がもっとも遠ざけたいタイプだった。ロンドンの秘書時代に彼のような有能でハンサムな男性に騙され、一文無しになってしまったことがあるからだ。熱い誘いにレイラの脳裏で警報が鳴り響く。もう傷つくのは嫌…。だが気がつけば、彼のディナーの誘いにイエスと答えていた…。