性犯罪はどうしたって、被害者や当事者を苦しみで縛る。本作でも強姦された女子と、彼女を守れなかった先輩女子の苦悩が描かれるが、強姦という事実は描かれる以上の重さでのしかかると感じた。 守ってくれれなかった先輩を責める事で「奴隷」とする女子と、罪の意識でそれを受け入れる先輩。その関係性は袋小路で、解決しようの無い息苦しさがある。 しかしこの作品で凄いのは、強姦を起点に女性二人の関係性を突き詰める事で、強姦した男の影を薄めてゆく点にある。 本当に苦しい作品だが、女の絆を強固にする事で暴力的な「男」をページの外に消失させるこの作品、ある意味本当に〈百合の力〉への信頼で出来ている作品だ。 (この作品には「完全版」というのもあります。私は追加エピソードがある完全版の方を読んだのですが、現在電子書籍化しているのは無印版なので、こちらにクチコミを書きます)
①男をスペックで選別するクソ女に惹かれる女。二人の女子大生は今日も合コン。 ②本当にクソ女だと知ってゆく。軽蔑とそれでも恋する心の狭間で……。 ③美しさと下衆さの狭間でこちらも感情がぐちゃぐちゃになる読書体験は凄かった。 ★ひとこと★ コミック百合姫2021年10月号は、きぃやん先生の新連載『君としらない夏になる』とカボちゃ先生の読切『ふた切れのケーキ』、そしてこの読切と、ちょっとありえないくらい凄い作品が揃いました。この号を買ってみるのもよし、短編集を買う時の参考にするもよし。
某レポ漫画で一躍有名になった「レズ風俗」、そこで働く女の子や客として来る女の子たちの話です。 基本的にほかの百合アンソロジーよりも肌色率高め、女体の触れ合いが大好きな方は絶対買いましょう。男性向けエロ漫画のレズものほどの生々しさはなく、しかしプレイ内容はしっかりと描かれているので非常にえっち、とても良いです。 レズ風俗アンソロジー2冊目(リピーター)(このタイトルつけた人、天才)につながる話もあり、あわせて購入することをおすすめします。 ななつ藤先生「いちばんのひと」※1冊目収録 ナンバーワンのリカコと、傷心を忘れさせてほしくてレズ風俗を利用するアキナの話。1冊目の中では行為をしっかり描いていてと~ってもえっちでした! 二人がベッドの上で激しく快楽を求める様、最高です。 ちなみに2冊目での「にばんめのひと」ではさらにえっちさが増しています あとがきの岩見樹代子先生の「こんなタイトルの本買う人がエロいの求めてない訳ないだろ」、まさにそのとおりです。ありがとうございました。
ここに居たい、とかここに居ても良いんだと思える場所があると、人は自分を肯定できるし、幸福を感じるんだなと思います。 親友に裏切られ、傷つき、癒やしを求めて田舎へやってきた主人公の真由美は、常に「これでよかったのか」と思い悩みながら、必死に自分が居るべき場所を探します。 「東京から来た女性と、田舎に住む女性が出逢って、恋をしました。」という単純な話ではないところが非常に面白いのです。内容からすると、3巻では足りないのでは?と思ってしまうほど複雑な人間関係が描かれているのですが、そこはしっかり3巻で美しくまとめてくださってます。 さらに主人公2人以外に、もう一組のカップルが描かれています。妾の子として親からの愛を受けられず、家の中に居場所がない少女・阿島と、その異母姉妹のさくらです。 言ってしまうと、私は阿島とさくらの関係性のほうが読んでいてドキドキしました。この2人が主人公のスピンオフ、待ってます…!笑 それぞれが、何かから逃げた自分も、何かを受け入れられない自分も、全部肯定してあげたうえで、居場所を見つけていく姿を最後まで見守るような物語です。
表紙が素敵だったので買った作品。1巻では今のところ表紙のような爽やかさはまったくなくて、かなりドロドロしていて驚きました。 表紙の2人だけでなく主人公の教え子2人(妾の子である阿島と本妻の子)の間にも因縁があるようで、そちらの展開も気になります。
彼氏持ちの女の子同士でイチャイチャしてたら意地悪な彼氏に見つかって写真撮られてドロドロがさらにドロドロしていく百合?漫画です。 武田(左の子の彼氏)はすごく良い奴なんですが、こと恋愛においてとりわけこういうドロドロしたフィクションにおいては良い奴ってのは損する運命にありますね。藤原(右の子の彼氏)は浮気をネタに脅して「女同士でやってるところに混ぜてよ」などという百合界で最も言ってはならないことを言い放つカス野郎ですが
性犯罪はどうしたって、被害者や当事者を苦しみで縛る。本作でも強姦された女子と、彼女を守れなかった先輩女子の苦悩が描かれるが、強姦という事実は描かれる以上の重さでのしかかると感じた。 守ってくれれなかった先輩を責める事で「奴隷」とする女子と、罪の意識でそれを受け入れる先輩。その関係性は袋小路で、解決しようの無い息苦しさがある。 しかしこの作品で凄いのは、強姦を起点に女性二人の関係性を突き詰める事で、強姦した男の影を薄めてゆく点にある。 本当に苦しい作品だが、女の絆を強固にする事で暴力的な「男」をページの外に消失させるこの作品、ある意味本当に〈百合の力〉への信頼で出来ている作品だ。 (この作品には「完全版」というのもあります。私は追加エピソードがある完全版の方を読んだのですが、現在電子書籍化しているのは無印版なので、こちらにクチコミを書きます)