極めて王道的な中華風後宮ファンタジーですが、このジャンルに馴染みがある方もそうでない方も楽しめるであろう傑作です。 近隣諸国を次々と落とす南の大国である煌燿国の源族が世界の中心となっており、北の小国である天河国の姫である主人公・サラーナは齢14にして和平のために煌燿国の後宮へと嫁ぐことに。 正規の妃の座を狙う他の姫たちとのドロドロとした争いや、聡明で高潔ながら外の世界を知らない皇帝とのロマンスなど、押さえるべきポイントはしっかり押さえられています。 サラーナは馬と共に生きることを誉とする一族であり、乗馬が得意であるなど持ち前の逞しさが魅力的です。表紙にも描かれている狼が可愛くて、死なないことを祈りながら読んでいました。 この1巻は「天翔ける狼」と「白玉牡丹」の2本の中編でそれぞれ完結しているのですが、特に後者の方が胸に迫り、強く惹かれました。 1冊でも十分まとまっていて楽しめますが、現在続きも描かれており秋には2巻も発売予定ということで非常に楽しみです。
※ネタバレを含むクチコミです。
恋をテーマにした読み切りが収録されています。どの作品もレベルが高くて流石だなと思いました。以下は作品ごとの個人的な感想になります。 西炯子「縁ありて」 一度は結婚をしたもののお互いに未熟だった為に一年で離婚してしまい、その後は全く恋愛に縁のなかった女性がデートクラブを利用する話。よくある筋書きのような気もするけど、西炯子先生が描くと夢中で読んじゃうくらい面白い。 江平洋巳「へるんさん」 小泉八雲と妻になる節の出会いから始まるお話。小泉八雲だからかオカルト的な展開もあるし、見せ方もドラマティックで読んでいて楽しかった。 谷和野「ソファーベッド・ツアー」(※単行本「魔法自家発電」収録) 親に必要とされていない子供達は夜中に空を飛んでいる…。一見するとファンタジーなんですが、比喩的な意味も込められてるのかな?とちょっと考えました。ラストがとても素敵でした。 梅サト「ほんぽうふき」(※単行本「緑の罪代」収録) このアンソロジーの中で一番独創性が高いと思いました。島の真ん中に生えた大木に住む鬼のところへ生贄としてお嫁にいく話です。タッチもほんわかしてて昔話っぽいですが、終わり方も「めでたしめでたし」な感じで好きでした。 白水こよみ「兄嫁の結婚」 ずっと好きだった人が自分の兄と結婚することになったが、彼女は結婚式の前に事故で死んでしまう。しかし自分が彼女のことを想って作った服を着てもらえば、幽霊になっても姿が見れたりしゃべったりできることが分かって…という話。せつないけどいい話でした。
極めて王道的な中華風後宮ファンタジーですが、このジャンルに馴染みがある方もそうでない方も楽しめるであろう傑作です。 近隣諸国を次々と落とす南の大国である煌燿国の源族が世界の中心となっており、北の小国である天河国の姫である主人公・サラーナは齢14にして和平のために煌燿国の後宮へと嫁ぐことに。 正規の妃の座を狙う他の姫たちとのドロドロとした争いや、聡明で高潔ながら外の世界を知らない皇帝とのロマンスなど、押さえるべきポイントはしっかり押さえられています。 サラーナは馬と共に生きることを誉とする一族であり、乗馬が得意であるなど持ち前の逞しさが魅力的です。表紙にも描かれている狼が可愛くて、死なないことを祈りながら読んでいました。 この1巻は「天翔ける狼」と「白玉牡丹」の2本の中編でそれぞれ完結しているのですが、特に後者の方が胸に迫り、強く惹かれました。 1冊でも十分まとまっていて楽しめますが、現在続きも描かれており秋には2巻も発売予定ということで非常に楽しみです。