温泉街の長閑な話かと思いきや全然そんなことはなく…吉田秋生ワールドに昇華されておりますね…。 家族問題がっつり入って、幼なじみの悩みとかやっぱり入ってて…。 相変わらず「ありそう〜〜」ってなります。
「童夢」でも最終的にチョウさんを仕留めたのは女の子だったな…ってのを思い出しました。遊びの延長で無邪気に殺人をするチョウさんと違って、あの女の子は正当な怒りで殺してましたよね(正義のヒーローにこの言い方はよくないかもしれないけど)。吉祥天女に登場する叶小夜子はサイキックという程の能力はないですが、自分に危害を与えた人間の心を操って自殺に追い込んでいました。正直そこまでやらんでもいいだろ…と私は思いましたが、クラスメイトの由似子にとっては最後まで憧れの存在だったことに安心してるところもあります。自然とフェミニズムを考えさせられる作品ですが、これが40年前に描かれたと知って驚きです。今も読まれるべき不朽の名作とはこのことですね。
少女漫画とは思えないハードな内容です。 とにかく主人公のアッシュがいろんな意味でかっこいい。裏社会でもまれてここまで来たから、きれいなままではないはずなのに品があって情に厚い。そして英二にだけ見せる強がりと弱さ。 NYストリートギャングのボスと日本人青年の交流、そこに育まれる友情、何度読んでも泣けます。 作品内に出てくる図書館や博物館行ってみたくなります。
四姉妹の日常。 末っ子の周囲の人間関係が主軸になってる。 中学生とは思えない、考え方・言うこと・表情・気の使い方・恋愛感情… 君たち本当に中学生?とつっこみつつ読みました。 とはいえそんなこと気にならないくらい素晴らしい漫画だと思います。ストーリーも、登場人物たちの心の動きも。こんな心情描写を描けるなんて、漫画家ってすごいなぁなんて思ってしまいました。
友人に勧められて読んでみた作品です。 読んでびっくり、これ少女漫画なんですね。 もう少女とか少年とか青年なんてカテゴリーは不要ですね。 性で漫画を選びません。(違う意味での「性」が多い作品は大好きですが) まぁIQ200でイケメン設定のアッシュとかは少女漫画っぽいですかね。
少し家庭は複雑ですが、暗さを感でじさせることなく優しい雰囲気で話が進んで行きます。 4姉妹それぞれどの立場で見るかで感じ方がまた違って、読むたびに異なった印象になります。 鎌倉の綺麗な景色や名所が色んなところに盛り込まれていて読んでいるといきたくなります。 続きがどんどん気になって面白い漫画です。
吉田秋生作品何を読もうかな〜と思って選んだのがこれ。全4巻だし、なにより日本画みたいな絵がいいなと思って買ったんだけど想像以上にメチャクチャ良かった。 主人公たちメインキャラクターが80年代の高校生っていう設定が、そもそもなんとも言えない良さがある。小説家だと“ノスタルジーの魔術師”こと恩田陸先生大好きマンなのでぶっ刺さりました。 また、地元じゃ知られた2つの名家の財をめぐる争いに、女子高生である主人公の結婚が大きく絡んでいる……という古今東西で愛されている泥沼設定が物語の主軸なのがまた堪らない。 そして何より主人公である小夜子が、「女」という存在の光と影のその全てを背負わされた超越的存在で恐ろしく、こんなキャラクターを生み出した吉田秋生という作者にまで畏怖してしまう。 「女であるということが ときにどれほどの屈辱をもたらすのか あなたたち男にはわからないでしょうね…」という台詞が頭にこびりついた。 小夜子のように自分を取り巻く全てのことを呪いたくなっても…そこには由似子やその兄、そして涼のような人物がいるということを忘れないでいたい。
『ごきげんよう』という挨拶が日常化されている丘の上の女子校の話。 毎年創立祭でチェーホフの“桜の園”を上演するのが伝統。 桜が満開の季節に巣立っていく少女たち。 少女と大人女性の間の微妙な女心が繊細に描き出されている。 小さい頃に何気なく言われた一言で、相手に悪気がなくても自分の心の襞に刺さって抜けないことある。 体と心が一致しない年代でもある。 甘酸っぱいだけではない素敵な作品。 表紙の桜も魅力的。
桜が覆う丘の上の女子高では、桜舞う頃、演劇部がチェーホフの『櫻の園』を上演するのが習わし。部員達は練習に励みながら、それぞれの恋の季節を過ごす。そんな青春模様を描いた四編のオムニバス。 ◉◉◉◉◉ 女子校に通う彼女達だが、お付き合いするのは周囲の高校の男子。描かれる恋は多様だ。 彼氏と体を重ねる事を躊躇う子も、彼氏を放って悪い遊び方をする子も、大切な人に何かを教わり、友達と会話を重ねながら、自分の心と体を大切にする事を覚えていく。心の解放に向かう様子に安堵する。 百合読者としては、後半の二編が気になるところ。自分の中の〈女性〉と折り合いをつけられない二人の女子は、片や男性らしさを身に纏いながら男性に恋し、片や男性を嫌悪しつつその女子に恋する。 二人は最後、互いの気持ちを知りながら、ただ分かり合い、慰め合う。そんな様子を見ていると、女性同士というのは恋をする以前に「分り合う」関係性なのだ、と思い知らされる。そういう意味では、実はこの作品は最初から最後まで〈百合〉的だ。 桜の精って男なんだって……という台詞(p113)とその前後の「男の気持ち悪さ」の遣り取りを読むと、どんなに愛し合い番ったとしても、男は女を解れないのだから、せめて彼女達の冠として咲いてろよ、という気持ちになる、男の私でさえ。
『海街diary』は、読んでないのだが・・・。 この物語だけでも、当然ながら成立してます。 主人公の和樹は、複雑な家庭に育ったのに、素直に成長しているように感じる。反面教師なのかな? 温泉街に住んでいる人々の何でも共有できている良さもあるけど、その閉塞感も辛い。 この街で、生活していくこと、仕事、人間関係、自分の立ち位置、色んな事に気を使いながら成長していく和樹を見守りたい。
温泉街の長閑な話かと思いきや全然そんなことはなく…吉田秋生ワールドに昇華されておりますね…。 家族問題がっつり入って、幼なじみの悩みとかやっぱり入ってて…。 相変わらず「ありそう〜〜」ってなります。