14歳の飼い犬を老衰で看取るまでの一年を描いた「犬を飼う」。この短編は言わずもがな傑作です。普通だったら避けがちな臨終の瞬間まで描き切ってますが、谷口ジロー先生の端正タッチだからこそ目を逸らさずに読めました。ペットの看取りだけではなく犬の一生に寄り添った目線で描かれているからでしょうか。小学館漫画賞特別審査員賞を受賞したのも納得の素晴らしい作品です。 表題作ではなく巻末に収録されている「百年の系譜」はフィクションだと思いますがこちらも犬の話でシンプルに泣かされました。戦前にドイツ軍人からもらったシェパード犬を大事に育てて血筋を絶やさずにいましたが、戦争が激化することで軍用犬として徴用されてしまいます。しかし飼い主の少女は再会を諦めなかった。犬と人の絆は深いですね…!!
とても静かな漫画。 孤独のグルメ以上に淡々と、何も起きず、時間はただ過ぎるばかり。 そこにあるのはとても上質な退屈。 散歩で得られる気持ちがある。 それは癒しと言うと簡単になってしまう、安堵のような感情。 新しいまわり道を見つけた嬉しさ。 誰かの落とし物を見つけた寂しさ。 散歩でしか補充できない心のゆとり。 が、この本にあります。 雨の日、暑い日、雪の日、散歩がしたくてもできない日。 この本を読めば、散歩をしたのと同じ気持ちになります。 散歩を愛するひとへの漫画です。
ドラマが有名過ぎますが漫画もあるんですよ。 ふつうのおじさんがご飯を食べるだけで、こんなに面白いのはなんでだろう? 料理がメインと思いきや、それ以外の周囲の情報が豊富で読み応えありますね。 一時期「孤独のグルメ」を好きで、孤独のグルメのお店を食べ歩きする事がカッコ良いという感じだったよね。 その時、グルメ気取りしている奴の事は大嫌いでした。
ドラマの方が有名で、だいたい飛行機に乗ると、孤独のグルメくらいしか見るものがないので、みてしまう作品だと思います。わたしもその口で、ドラマの方は本当にお世話になってました。 マンガ版、めちゃ面白いですね!!!! ドラマ版は正直そこまで面白いものとは思わなかったのですが、マンガ版はかなり面白いです!!! 内容はグルメマンガだとばかり思っていたのですが、いわゆるグルメマンガではなく、ハズレの店に入ってしょんぼりしたりすることがあるところが好きになりました!!行く店も高級店ばかりということではなく、営業先で腹が減りすぎて適当に入った店とか、あげく入院中の病院食とかもあって、そこも好きです! ちなみにパリの書店でこちらのマンガが平置きになっていたので、買ってあったのでフランス語版でも読みました!味わい深いです!群馬の焼きまんじゅう屋に行く話をパリジェンヌ・パリジャンが読んで何が面白いのか分かりませんが、どうやら一定の人気があるようです! ★5も検討したのですが、1巻巻末の対談で、原作者の方が「食べ物のマンガで食べているシーンって、濡れ場というか…セックスシーンなんですよね。」というどこかでみたような発言があり、−1させていただきました。
主人公のおじさんが1人飯をする時間が至高タイムに思える! 頂くご飯の食レポ、天才!食べたくなります。 食べるまでの過程も好き!店内についてだったり、その日なんでこのお店を選んだかの気分の説明だったり、気分によって食べたいものって左右されるのですごく共感する! ドラマ化もされていて更に食欲そそる素晴らしい作品であります!
散歩に出かけようと思ってするんじゃなくて、たまたま出かけた先の知らない町をそのまま散歩する。ストーリーもほとんどなくてただ淡々と散歩している作品なんだけど、普段は何気なく通り過ぎてるような平凡な町並みもここまで丁寧に描き込まれるとすごく特別なもののように感じますね。夏目房之介先生のマンバ通信の記事を読んだ後だと尚更そう思いました。人の手で描いてることすら信じられないのに、ほとんど修正ナシで描かれているという事実に改めて驚きです。それをなんてことない事のようにやってしまうのが谷口ジローなんだなぁ…。 https://manba.co.jp/manba_magazines/16154
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ たしか中学生くらいのとき連載中に読んでいたが今読んだ方が圧倒的に面白い。あと「遥かな町へ」を記憶が混ざっていた・・・ ・特に好きなところは? 父親の心情。これは中学生の俺には理解できんわ・・。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 淡々と話が進んでいくだけでなんでこんなに面白いのか? 後書きも含めてよかった
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 20年くらい前に連載中に読んでいたがその時はわからなかったものが今になってわかるもんだな。親父の心情がよくわかる ・特に好きなところは? タイムスリップして14歳になったはいいが所々おっさんな部分が滲み出てくるところ。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 物語の中枢である父の失踪の謎や中学生活などの面白い要素はたくさんあるが最後のオチが特によかった。
1924年にエヴェレスト初登頂の謎を残したまま消息を絶ってしまったイギリス人の登山家マロリー。そのマロリーが登頂時に持っていたカメラを発見した羽生丈二という日本人登山家の消息を探すところから始まります。 山を登る男の無骨な物語ですが、マロリーは本当にエヴェレスト登頂に成功したのか?という謎もストーリーに絡んでいて読めば読むほど引き込まれていきました。これを全編谷口ジロー先生の美しい筆致で読めるのが神ですよね。 登山に無知な私でも単独行がどれくらい難しいかなど説明が分かりやすく、シェルパ族の人々の暮らしぶりのような細かいところにも触れられていて興味深かったです。意外と初めて読む登山マンガにも向いてるのかもしれません。 山は人間の全てをお見通しだ…というのはどの登山マンガを読んでも共通して思うことです。少しでも欲が出ると取り返しのつかないことになる…。しかしクライマックスの羽生丈二は本当にかっこよかった。
表題作『犬を飼う』が有名ですが、他にも犬猫を題材とした短編が収録されている作品集の完全版です。中でも『百年の系譜』は、知名度はあまりないものの、傑作と呼べる短編じゃないでしょうか。戦時下の日本で、飼い犬を軍用犬として徴用され、家族と引き離される物語。犬と人の最も美しい瞬間と、谷口ジロー先生が考える戦争への思いが絵に込められていて、言葉は少なくとも胸がいっぱいになる名作です。 もちろん、『犬を飼う』も名作中の名作で、何度読んでも感動しか呼ばない。自分を含め、犬を飼ってた人、看取った経験のある人、主に親戚たちに読ませたことありますが、不思議なことにみんな口を揃えて「ウチと同じだ!」と言いますね。飼ってた犬と全然似ても似つかないのにです。ネットでも時々同じような感想を目にします。そのたびに谷口ジロー作品の普遍性の凄さを感じるのです。
14歳の飼い犬を老衰で看取るまでの一年を描いた「犬を飼う」。この短編は言わずもがな傑作です。普通だったら避けがちな臨終の瞬間まで描き切ってますが、谷口ジロー先生の端正タッチだからこそ目を逸らさずに読めました。ペットの看取りだけではなく犬の一生に寄り添った目線で描かれているからでしょうか。小学館漫画賞特別審査員賞を受賞したのも納得の素晴らしい作品です。 表題作ではなく巻末に収録されている「百年の系譜」はフィクションだと思いますがこちらも犬の話でシンプルに泣かされました。戦前にドイツ軍人からもらったシェパード犬を大事に育てて血筋を絶やさずにいましたが、戦争が激化することで軍用犬として徴用されてしまいます。しかし飼い主の少女は再会を諦めなかった。犬と人の絆は深いですね…!!