原作が映像不可能とされて来たトリックは漫画しか出来ない手法で頑張ってたのではないかと思います。絵も綺麗ですし良くコミカライズされているなと(一部キャラクターの性転換もそんな違和感ない)。 けれども、核心となる動機面が原作よりページ割いてスポットを当てられているにも関わらず、改悪としか言えないものになっていました。 警察から誰も悪くない真相が関係者には既に告知されていたのですが(解決編パートで警察が調べてない訳ないだろと強調され)、自分達が殺したんだみたく何故だか皆で騒ぎ合い続けて(エラリィなんかは殺される最期まで自分が殺したと言い張る)、聞きつけた犯人が復讐に及んで勘違いオチになっていたのはなんだかなあと・・・。ショック受けて自殺に走りますが滑稽に見えます。 原作のも被害者からすれば殺されるほどのことかと主張したくなるものでしたが、犯人からすれば成立し得なくもないものではありましたし(現実に問題になった大学サークルトラブル)、島田の追及さえも証拠がないとかわしきって安心した後に、犯行前に良心として瓶詰めした流した計画書が戻ってた運命を悟ることで、「あの人にこれを渡してくれないか」が清涼感すら覚えるラストになったのですが、漫画版では台詞は同じでも情けなく後味悪さを覚えてしまいました。
動物のお医者さんというマンガが、我々動物好きとしては気になっていたのですが、12巻あるので手が出しづらかったんですよね。 それで何度もカゴに入れたり出したりしていた時に偶然見つけたこちらの作品!なんと、気になっている「動物のお医者さん」の作者の方と、わたしも好きで全部読んでる本格ミステリー小説「館シリーズ」の著者の方とのコラボ作品!!!しかも2巻とサクッと読めそう!しかも綾辻先生にしては珍しめの鉄道系ミステリー!? ということで読みました。 ミステリーマンガということで、金田一くん的なものを想像していたのですが、完全に裏切られました。佐々木先生、めちゃくちゃ個性強くないですか?? 独特すぎる世界観で、途中まで「これは本当にミステリーのマンガなのだろうか・・?」と何度も不安になりました。いい意味です。 ミステリー系なので、過度な説明は避けますが、一度ビビる仕掛けがありました。 楽しめはしましたが、このタッグで続編が出たとしたら、多分「動物のお医者さん」と「館シリーズ」を読むと思います。いい意味です。
原作は3年前くらいに無職だった時に暇すぎて読んだのですが、それいらいミステリにハマってしまい、無職期間が伸びてしまったという、私のとって曰く付きの作品です。 コミカライズされていたのは知っていたのですが、今般、完結していたのを発見し、購入に至りました。 正直、こういった小説・ゲームなどのコミカライズは、変に端折りすぎてたり、そもそも適当に作られてたりというケースが多く、大部分が消化不良に終わっているような先入観があり、あまり期待していなかったのですが、こちらは楽しめました! 「小説ならでは」のトリックが使われてるので、それをどう表現するのかも注目してましたが、そういうことかと。 いくつか端折られてる部分もあり、小説を読み切るよりもライトに疲れず読み終えられるのですが、話的には特に消化不良感は感じず、うまくまとまっている気がしました。これであればマンガ版もありですね! 原作は「館シリーズ」として9作目まで出てますので、続編も出たら読みたいと思います。
※ネタバレを含むクチコミです。
ミステリー作家の綾辻行人が原作、『動物のお医者さん』の佐々木倫子が漫画を担当するコミカルなミステリー。 女子高生の空海(そらみ)が夜行列車「幻夜」の車中で起こった殺人事件を、乗り合わせた鉄道オタクたちと真相を解明していきます。2005年に月刊IKKIで連載していたらしいです。 「犯人は誰か?」「殺した方法とは?」この二つの謎を巡って物語が進んで行きます。鍵となるのは走行中の列車に忍び込む方法ですが、綾辻行人によるミスリードが仕込まれています。これにハマってしまうと、読者は空海とともに大前提から認識を改めなければなりません。私もまんまとやられました。 また、事件が起きる前はもちろん、人が死んでからも鉄道オタクたちのギャグが連発されるので「みんなが空海を騙そうとしているだけで、殺人事件に見せかけたドッキリでは?」という疑問が何度か頭をよぎりました。 鉄道ギャグは「乗る」「撮る」「時刻表」など多岐にわたっています。鉄道に明るければオタクたちに共感できると思いますし、そうでない人も勉強になると思います。殺人やミステリーが苦手な人でも、クスリと笑える佐々木倫子のギャグが豊富なので楽しめますよ。
原作が映像不可能とされて来たトリックは漫画しか出来ない手法で頑張ってたのではないかと思います。絵も綺麗ですし良くコミカライズされているなと(一部キャラクターの性転換もそんな違和感ない)。 けれども、核心となる動機面が原作よりページ割いてスポットを当てられているにも関わらず、改悪としか言えないものになっていました。 警察から誰も悪くない真相が関係者には既に告知されていたのですが(解決編パートで警察が調べてない訳ないだろと強調され)、自分達が殺したんだみたく何故だか皆で騒ぎ合い続けて(エラリィなんかは殺される最期まで自分が殺したと言い張る)、聞きつけた犯人が復讐に及んで勘違いオチになっていたのはなんだかなあと・・・。ショック受けて自殺に走りますが滑稽に見えます。 原作のも被害者からすれば殺されるほどのことかと主張したくなるものでしたが、犯人からすれば成立し得なくもないものではありましたし(現実に問題になった大学サークルトラブル)、島田の追及さえも証拠がないとかわしきって安心した後に、犯行前に良心として瓶詰めした流した計画書が戻ってた運命を悟ることで、「あの人にこれを渡してくれないか」が清涼感すら覚えるラストになったのですが、漫画版では台詞は同じでも情けなく後味悪さを覚えてしまいました。