ゲゲゲの鬼太郎のアニメは観たことがあるけど、漫画版は読んだ事がないという人は意外と多いんじゃないでしょうか。漫画の鬼太郎はアニメとは雰囲気が全く違うんですよね。アニメだと鬼太郎のビジュアルがどうしてもイケメンになりがちですが、漫画だと三頭身ほどで興奮したときに出る鼻息の描写は格好良いというより可愛い感じです。漫画の方が水木先生の世界観が全面に出ているので、背景を含め、全体的に暗い印象を受けます。ただこれが妖怪たちの怖ろしさを掻き立ててくれるので、一度読んだら癖になること間違いないです。
私が子どもの頃からある漫画ですが、何度読み返しても夢中になってしまう不思議な魅力があります。子どもの頃は不気味さや怖さが多かったですが、今読むと人間関係の深さも感じられ読むたびに新しい感情がわいてきます。怖いだけでないというのがゲゲゲの鬼太郎の名作と言われるゆえんだと思っています。 また、いま8歳の子どもも私と一緒にこの漫画を読む事に夢中になっています。時代を超えて親子で楽しめるとても貴重な漫画です。
鬼太郎シリーズに次ぐ、水木しげるの代表作といえばこれですね。ほかに貸本時代の作品集「水木しげる貸本傑作選 悪魔くん」というのもありまして、こちらはその後年に執筆されたもの。実はストーリーやテーマの部分では、前者の暗い雰囲気のほうに惹かれる部分が多いのです。しかし、やや一般的にアレンジされた後者のこちらを選んだのは、圧倒的な描写力、特に絵画的に描かれるようになった背景にシビれたから。貸本時代に比べて月日がたっているので、描写力が上がるのは当然なのかもしれませんが、この質感のある背景のド迫力は何なんでしょう。スクリーントーンを使わず(この時代にはなかった?)、描き込みだけで表現された濃淡。真骨頂である点描の美しさ。巨大な妖怪や異様にうねる蔓、異世界の風景などは匠の技の賜物です。それでいて、あのペーソス感のあるメインキャラと平行して存在しているからすごいよなあ。悪魔くんは千年にひとりの天才という設定ですけど、それは作者にもあてはまるというのは言い過ぎでしょうか。
漫画界の巨匠・水木しげるの自伝漫画。大阪で生まれ鳥取・境港でのんのんばあと過ごした少年時代、南方の第一線に出兵した戦時中、復員後の漫画家生活と大きく3つの構成で綴られる、約80年に亘る波乱万丈の歴史です。説教くさく押しつけがましいところもなく、しかしながら要所では凄まじい妖怪画や泣かせるエピソード、艶笑譚もあって、淡々と読めるのに妙にお腹いっぱいになる。著者独特の引き気味の目線や、リアルかつ幻想的な背景が、ザ・日本(人)という感じで印象に残ります。またこの作品を読むといつも、悲惨な話もありますけど、ちょっとうらやましい人生だよなあ、自分は年とったらこんなに話すことあるかなあ、なんてしみじみ思ってしまいますね。実は意外に漫画家の自伝漫画は少なくて、あっても漫画ではなかったり、立身出世時代だけだったり。なのでこれはありそうでないジャンルの漫画で、著者はそれが作品にできる唯一無二の存在。まさに人生が漫画みたいなものなんですから、水木サンにはいつまでもオモチロク人生を過ごしてもらいたいものです。
この漫画を読むと大人になって忘れていた小学生の頃の自分が持っていた、純粋な気持ちが少しだけ蘇ってくるような気がします。 水木先生の優しさが大好きなんじゃー!
子供の時にアニメで見てもう一度見たくなったので!
きっと皆さんの知ってる鬼太郎ではないです。賢くて、優しくて、強くて、正義感にあふれていて…みたいなイメージが覆る。思ってたのとちがう。でもダークサイドな鬼太郎も段々好きになる不思議。
この作品を読むと純粋だった小学生の頃に戻れる気がしてくる。 妖怪も見えていたんじゃないか、そんなワクワクしたあの頃を思い出せるような最高の漫画です。泣ける。
背景の執拗な描き込みが醸し出すおどろおどろしさと、間抜けなキャラクターのギャップが素晴らしい。水木しげるは日本の妖怪のイメージしかなかったが、「世界怪奇シリーズ」はドイツやカンボジアなど外国が舞台で新鮮だった。徹底的に資料を調べるタイプらしく、風景や建造物、土着の神などの絵も非常に見応えがある。 人間社会みたいな地獄からやってきた「サラリーマン死神」はブラックな面白さと切なさが気に入っている。
飄々としている風だが、辛辣で冷静な水木先生を感じることが出来た作品でした。
ゲゲゲの鬼太郎のアニメは観たことがあるけど、漫画版は読んだ事がないという人は意外と多いんじゃないでしょうか。漫画の鬼太郎はアニメとは雰囲気が全く違うんですよね。アニメだと鬼太郎のビジュアルがどうしてもイケメンになりがちですが、漫画だと三頭身ほどで興奮したときに出る鼻息の描写は格好良いというより可愛い感じです。漫画の方が水木先生の世界観が全面に出ているので、背景を含め、全体的に暗い印象を受けます。ただこれが妖怪たちの怖ろしさを掻き立ててくれるので、一度読んだら癖になること間違いないです。