慎ましく過ごしている友人の圭一。薙久はそんな彼が大切だった。圭一もまた、薙久のことを大切に思っていた。友人として。二人ともそれ以上を求めてはいなかった。ところが、圭一が弟である馨に請われて抱かれた時から、その関係は変わっていく。熟れた身体の圭一を目の当たりにした薙久は、おののく彼の肌に触れて恋を思い知らされる。全部が欲しいとは言えないけれども──。
ニューヨークへ栄転となった薙久。想いを通じ合わせた圭一と離れてしまい、心も身体も寂しくもどかしかった。けれど圭一が買い付けのため渡米してきて、しばらく共に過ごすことに。異国の地での彼との生活は、とても満ち足りたものだった。つい、胸に秘めていた言葉が口を突きそうなほどに──。圭一の父・洋祐の鮮烈でいて一途な恋を顧みる「ETERNITY」も収録。