志村貴子の、この長編デビュー作を、単なるうだつの上がらない青春漫画として読むにはあまりに多くのクエスチョンマークが後にのこる。 この感覚はいったいなんだろう。コマを追いながら、ページをめくりながら、とにかく、異常な違和感がついて離れない。違和感がついて離れないというより、コマとコマの隙間、ページとページのあいだに大きな違和感の空洞があって、そこへ随時おちてゆくような感じとでもいうのだろうか。青春という名の、あの、どうにも言い表せない奇妙な時間がうまく表現されているために、こんな違和感をおぼえるのだろうか。 けっして、それだけではないような気がする。この漫画は、漫画と呼ぶにはあまりに構造がおかしい。なんだろう、この、いつも置いてきぼりをくらう感じは。こんなにも人を置いてきぼりにする漫画がかつてあっただろうか。コマは話の筋を追わず、読者をぽっかりとあいた空洞にいざなう。 そして『敷居の住人』という意味深なタイトル、まるであなたはこのコマから出られませんと言わんばかりに。
「女になりたい」「男になりたい」 生きてきて一度は思ったことがあるそんな気持ちを、小学生のころから燻らせるふたりの男女が主人公。 またふたりの周囲の人たちもひとくせふたくせもある個性的なキャラクターが多いのに、登場人物の生活感や現実味が、隣町にいるのではないかと考えてしまうほどリアル。 題材としてはすこし特殊だけれども、こんな子いるよね、と思えるような作品でした。
淡島歌劇学校合宿所、通称寄宿舎で生活する少女たち+αの青春群像劇 メインは少女たちなんだけど、歌劇学校で今は教鞭をとっている先生の若い頃の話とか、昔やめてしまった人の話とかもある。 レッスンの話そんなにない。どちらかというと熾烈なトップ争いのある歌劇学校で屈折してしまった姿とかそれでも真っ直ぐ生きようとしている生き様的なところがメイン。これからはレッスンの話も増えるかもしれないけど。 今のところ1巻が出ていて、この夏に2巻がでる予定らしい 試し読みは1話だけできる模様! http://webcomic.ohtabooks.com/awazima/
※ネタバレを含むクチコミです。
こういう息を吐くようにセックスする漫画の方が堪えるんだよな…
志村貴子が描く女子、読んでてドキドキする
志村貴子の、この長編デビュー作を、単なるうだつの上がらない青春漫画として読むにはあまりに多くのクエスチョンマークが後にのこる。 この感覚はいったいなんだろう。コマを追いながら、ページをめくりながら、とにかく、異常な違和感がついて離れない。違和感がついて離れないというより、コマとコマの隙間、ページとページのあいだに大きな違和感の空洞があって、そこへ随時おちてゆくような感じとでもいうのだろうか。青春という名の、あの、どうにも言い表せない奇妙な時間がうまく表現されているために、こんな違和感をおぼえるのだろうか。 けっして、それだけではないような気がする。この漫画は、漫画と呼ぶにはあまりに構造がおかしい。なんだろう、この、いつも置いてきぼりをくらう感じは。こんなにも人を置いてきぼりにする漫画がかつてあっただろうか。コマは話の筋を追わず、読者をぽっかりとあいた空洞にいざなう。 そして『敷居の住人』という意味深なタイトル、まるであなたはこのコマから出られませんと言わんばかりに。