江戸時代、大晦日。簪(かんざし)職人の青年・佐助(さすけ)は、同じ職場の親方に連れられて、遊郭で飲んでいた。大晦日に遊郭で遊女と遊ぶことに、躊躇う真面目な佐助であったが、ふたりの部屋に来た遊女・雛菊(ひなぎく)の姿を見て驚愕する。雛菊は、以前佐助が勤めていて潰れた簪屋の1人娘と瓜二つであった。親方にふたりで過ごすように仕向けられ、雛菊と個室でふたりになってしまった佐助は、彼女の秘密を知る――。
大学生カップルの光路(こうじ)と麻紀(あさき)は、毎年の夏に2人で海を見にいくのを恒例のイベントにしていた。だが、病を抱えていた光路から、「俺、今年までだって」と唐突に告げられ、驚く麻紀。光路は、そんな彼女に、「俺の遺灰は、海に撒いてくれ」と頼み……。