ある日、元システムエンジニアの島田さんに一枚の自撮り写真を見せられる。その写真が撮られた数年前の冬、島田さんは多忙を極め不眠症に陥り病院で診察を受けていた。しかし複数の医療機関にて診察を行っても、期待はずれの診断ばかり。落胆して飲みふけり、ふと気が付くと何故か故郷の駅によく似た風景の線路沿いにいた島田さんは、学生時代の親友 石橋さんとバッタリ再会した…。自撮りの写真に隠された意外な真実が紐解かれる。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 二」収録
ゆみちゃんが念願だった独り暮らしを始めたのは大学2年の春。大好きなぬいぐるみを部屋中に飾り付け、早速仲良しの女友達を招いて引っ越しパーティを開く事になった。ところが、ある時期からいくら誘っても誰も遊びに来てくれなくなってしまう。勇気を出して原因を尋ねると、困った顔の友人が重い口を開いた。「前に上からテレビの音が聞こえるって言ったでしょ…あれねテレビの音じゃないんだ」 一体友人は件の夜、何を聞いたのか……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 七」収録
海上保安庁の船員である23歳の青年の体験。船員になって間もない夏、休暇のスケジュールを道東にいる親友に伝え、小樽まで迎えに来てもらう約束をした。親友は高校時代から仲の良いお人よし。 二人は約束の日、久しぶりの再会を喜び昼食を済ませると夕方に札幌を立ち、一路地元を目指したのだがその道中、怪談好きの青年は怖がりの友人にある悪戯を仕掛けようと思いつく。見えもしない幽霊が見える振りをして、翻弄してやろうと……。軽はずみなジョークのつもりだったのだが、思いもよらない結末が待ち受けていた。
実体験に基づいた、あなたの身近にひそむ恐怖体験を新作描きおろしでコミック化。原作は、幼い頃から自身でも不思議な怪体験に遭遇し、全国各地から聞き集めた数百にも及ぶ実話怪談・奇談を持つ怪談師、城谷歩(しろたにわたる)。怪談師がライブ会場で生み出す迫真の語り、臨場感を、戦慄作画を得意とする漫画家陣の手によりトラウマ級にビジュアル化。背筋も凍る恐怖を味わいたいあなたにおくる、本当にあった怖い話をお楽しみください。中島さんという男性がまだ小学生の頃に体験したエピソード。当時、神社のお祭りの縁日にあった移動仮設式のお化け屋敷は、チープな作りであったものの、子供心にはそら恐ろしい面白さを感じるものだった。中島少年が今年こそは独りでと、いざお化け屋敷の中に入ったとたん、大きな耳鳴りにみまわれた。受付のおじさんの言葉も無視して中に踏み入ると…。そこは真っ暗で、外の喧騒も聞こえない異常なくらいの静けさだった。初めての体験に胸躍ったのもつかの間…。
8月下旬の暑い盛り。仲間と共に順番に怪談話を語り合う百物語をやろうと算段がまとまる。場所は村木とその彼女が住んでいる築年数の古いアパートの一室。幾話もの怪談話が出尽くした夜更け、村木の彼女が眠気に耐え切れず別の部屋に移動すると、村木が住んでいるアパートでの不可解な体験を語り始めた……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 七」収録
三十代の主婦ミサキさんが、家族で新築二階建てに引っ越して間もなくの夏、娘が越した先の公園で出会った友達二人を連れて帰宅した。ミサキさんも混じり家の中でかくれんぼをすることになった激しい雨の降る薄暗い夕方…「一分以内に見つかったら・・される。」という異様なルールに縛られたかくれんぼがはじまった。「見ーつけたー。。。」ミサキさんを待ち受けていた恐怖体験とは。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 二」収録
霊感の強いAさんの体験談。店を開業するにあたり、お祝いをかねて仲間たちと行きつけの居酒屋で飲んだ帰り、終電間際の某駅でのできごと。酔っぱらった友人の一人が「電車がよく止まる駅は決まっている、そして今いる駅こそがそうなんだ」と話しはじめた。ホームの端でふざけあっている内、Aさんは何者かに強く引っ張られ膝をついて四つん這いに。その視線の先にいたものは……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 八」収録
御存命であれば90代のお婆さんがまだ幼少の頃の話。彼女が生まれ育った田舎は、当時まだ土葬であった。小学校にも上がらない小さなころ、親戚の叔母が若くして亡くなった。葬儀まで滞りなく終わったのだが。初七日を迎えるころ、眠りについたはずの彼女はいつの間にか墓地にいた。叔母の墓前まで歩いていくと、ざわざわとした悪寒を感じるとともに足元から白い手が……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 八」収録
若い女性タレントと、霊感の強いその母親が共に体験したエピソード。 当時小学生だった体験者とその母は、夏の夜、福岡市内にある一軒の女性専用のビジネスホテルに宿泊することとなった。 夜も更けており、二人はチェックイン後、早速汗を流そうと地階にある大浴場に入ることにした。母子二人だけのはずの深夜の浴場の引き戸が開き、一人の人影がゆっくりと入ってきたのだが……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 六」収録
いつの時代も密かなブームを呼ぶ「降霊術」。城谷が小学生だった三十年ほど前、世間で「こっくりさん」が大流行したことがあった。ある日の夕刻、クラスの女子が待ち構えて、先生に内緒で禁止されているこっくりさんをやろうと言い出した。好奇心も手伝って、四人で始めた訳だが、あまりに顕著な反応を示す降霊の儀式に不信感を抱いた城谷はタブーを敢えておかしてみたのだが……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 九」収録
とにかく安い部屋を。その条件だけで初めての一人暮らしに望んだ体験者が案内されたのは築数十年のアパート。最上階まで階段でしか上がれないボロボロの建物だったが、部屋を見るとリフォーム済みでユニットバスに水洗トイレもあり、不満なく暮らし始めた。しばらくたったある晩、廊下の奥からチンというエレベーターの到着音が聞こえ、小さな子供達の嬌声と駆け回る足音を聞いた。そこには、ないと思い込んでいたエレベーターが一基だけ存在していたのだった……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 九」収録
体験者がまだ新社会人だった二十数年前、就職先も決まり彼女も出来、都内某所の新しいマンションの角部屋に引っ越して間もない頃。出勤するのに部屋を出た朝にふと気づくと自分好みの綺麗な女性が廊下の奥に立っているのに気が付いた。それから毎朝のようにすれ違い、ある日とうとう男女の一線を越えてしまう。逢瀬を重ねて一カ月、本命の彼女からかかってきた一本の電話から事の異変を知らされることになるのだが……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 八」収録
雪降りしきる12月の札幌。当時中学生だったY君は、初恋の相手と毎夜のようにこっそりと電話をしあっていた。ある夜、Y君は母親に長電話を咎められ、自宅の電話を禁じられてしまう。仕方なく、家の前にある電話ボックスを使う事にしたのだが…。そこで彼を待ち受けていたのは背すじも凍る不可思議な体験だった。そして、謎に包まれていた怪体験はその数年後に思いもよらない形で真相を顕す事になった……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 一」収録
上京して小さなワンルームで一人暮らしを始めた女子大生、みほちゃんの話。昼は正社員、夜は大学の夜学に通うハードな毎日を過ごしていた頃、ある時期から自分の部屋の壁におかしなシミを発見する。やがて何かに突き動かされるように毎日そのシミを監察するようになるのだが、しばらくして、遂にそのシミが原因と思われる異変が彼女を襲う。そして、今もなおその出来事は終わっていなかったという……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 一」収録
50年輩のサトミさんは人生で二度、お風呂場でソレに出くわしている。もともと気配や悪寒に敏感だった彼女が、小さい頃姉たちと留守番をしていた秋の日の夕暮れ、長姉の背中に張り付くように見えた黒い影に目を奪われる。やがて入浴しようと風呂場に向かったのだが、いざ入ってみると狭い風呂場に姉の姿はない、途端に体が熱く重くなり朦朧とした視界に蠢く者は長髪を振り乱し、異様に手足の長い人であって人でない何かだった。「またくる」という謎の言葉を残して姿を消してしまった異界の者。その後、姿を現す事はなく忘れかけていた数十年後のある日、風呂場に再び現れたソレの正体とは。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 八」収録
今から12・3年程前、一人の若者が舞台俳優を目指して劇団に入団してきた。屈託なく華のある男ではあったが、ある夏の夜、彼が住まう一人暮らしのアパートへの帰宅時、立て続けに奇妙な出来事が起こった。初めての怪奇現象から数日が経ったある日。常軌を逸した電話が彼からかかってきた。かけつけた友人らを巻き込み更なる恐怖が訪れる。玄関という異世界をつなぐ境目にまつわる恐怖のストーリー。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 一」収録
経営者の高橋さんは、元来幽霊お化けには否定的な豪放磊落な性格だった。ところが、ある時期から妙な夢を見るようになった。見知らぬ古い座敷に布団を二組延べて寝ている夢なのだが、カリコリカリコリという音が聞こえて目が覚める。横に寝ているとばかり思っていた妻の姿はない、音は切れ切れに妻の布団の脇にある衝立の向こうから聞こえてくる。気になった夢中の高橋さんは思わず衝立をどかしてみると、長髪をザンバラに振り乱した老婆が、何かを両手でわしづかみ歯を立ててガリガリとかじりつく様を目の当たりにする。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 九」収録
ある女性が中学生の頃に体験したエピソード。彼女が通っていた中学校には、代々学校の七不思議と呼ばれる怪談が伝わっていた。中でも放課後四時過ぎに、校舎四階の女子トイレから現れるという「まゆみちゃん」という小さい女の子の話は、自分達でも呼び出せるという曰く付きだった。実際に怪異が起こるか試してみようということになったのだが、不可思議な事は起こらない日々。遂に彼女が試してみることになるのだが、夕暮れの校舎の廊下に現れたモノとは。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 十一」収録
三十代半ばの独身女性が、長年住み慣れたアパートを出て新築の大きなマンションに引っ越して間もなくのこと。深夜一人きりの寝室に足音が聞こえてくる。足音は彼女の寝ている背後でピタリと止まる…。お札や霊媒師に頼るも奇妙な出来事は連日に渡って彼女に襲いかかる。そして、その怪奇現象には悲しい事実が隠されていた。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 三」収録
当時、ホステスをしていたミサちゃんが体験したエピソード。独り暮らしのマンションで、ある時期からアクセサリーが見つからなくなってしまう事案に悩まされた。闇雲に探す内に部屋は散らかり放題、次第に生気が失われ親友のミヤビちゃんに片付けを手伝って貰う事になったのだが。その数日後、思いもよらぬ結末に言葉を失う事になる。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 二」収録
学校の七不思議や呪われたマンションなど、あなたの身近にひそむ恐怖体験を集めた10作品をオール新作描きおろしにて収録。
実体験に基づいた、あなたの身近にひそむ恐怖体験を新作描きおろしでコミック化。面白半分で心霊スポットを訪れた者へふりかかる恐怖、安息の地であるはずの住宅で毎夜起こり続ける怪異、何度元の場所に戻してもついてきてしまう日本人形など、この世に強い怨みを残した怨霊にまつわる10作品を収録。原作は、幼い頃から自身でも不思議な怪体験に遭遇し、全国各地から聞き集めた数百にも及ぶ実話怪談・奇談を持つ怪談師、城谷歩(しろたにわたる)。怪談師がライブ会場で生み出す迫真の語り、臨場感を、戦慄作画を得意とする漫画家陣の手によりトラウマ級にビジュアル化。背筋も凍る恐怖を味わいたいあなたにおくる、本当にあった怖い話をお楽しみください。【収録作品】1. ジョーク(全三話) 作画:摩周子2. Iさんの話 作画:こにし真樹子3. 子取ろ 作画:池田鷹一4. バタトンネル 作画:はれ5. もう寂しくないよ 作画:まやひろむ6. この子そんなに怖い(全三話)作画:逢川沙伎7. 薄野交差点の花魁 作画:津久井直美8. 魚溜の滝ーうおどめのたきー 作画:蛇香妖市郎9. ドーベルマン 作画:摩周子10. 消える鍵 作画:美山薫子本コンテンツに収録の作品は、単体発売されている内容と同じです。重複して購入されませんようご注意ください。
50年輩の鈴木さんという男性は木枯らしの吹く寒い晩になると、かつて不慮の死を遂げた親友の事を思い出す。事の起こりは今から三十年以上も昔、鈴木さんと親友のシンヤ君が学校帰りの路地で出くわした一頭の犬だった。野良犬と化した大きなド―ベルマンが牙をむいて2人に近づいてくる。恐怖のあまり傍にあった板切れを振り回しけん制したところ、それが犬の額にぶつかってしまい、錆び釘が飛び出ていて犬の眉間に突き刺さってしまった。この時、シンヤ君は聞いてはいけない声を聞いてしまうのだが……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 四」収録
埼玉県飯能市にある通称バタトンネルは有名な心霊スポットである。全寮制の高校に通っていた秋山君は小さい頃から怪奇現象に興味津々、あちこちの心霊スポットを巡るのが趣味だった。いつもビデオで現場を映像に納め後から見直しては楽しんでいたのだが、その年も悪友と連れ立ってどこに行こうかと算段を練っていると同級のY君を同行させようということになった。臆病者の友人を連れていき現場で驚かしてやろうというつもりだったのだが、そのいたずら心が招いた悲劇の結末とは……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 四」収録