霊感の強いAさんの体験談。店を開業するにあたり、お祝いをかねて仲間たちと行きつけの居酒屋で飲んだ帰り、終電間際の某駅でのできごと。酔っぱらった友人の一人が「電車がよく止まる駅は決まっている、そして今いる駅こそがそうなんだ」と話しはじめた。ホームの端でふざけあっている内、Aさんは何者かに強く引っ張られ膝をついて四つん這いに。その視線の先にいたものは……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 八」収録
今から12・3年程前、一人の若者が舞台俳優を目指して劇団に入団してきた。屈託なく華のある男ではあったが、ある夏の夜、彼が住まう一人暮らしのアパートへの帰宅時、立て続けに奇妙な出来事が起こった。初めての怪奇現象から数日が経ったある日。常軌を逸した電話が彼からかかってきた。かけつけた友人らを巻き込み更なる恐怖が訪れる。玄関という異世界をつなぐ境目にまつわる恐怖のストーリー。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 一」収録