親友の弟である高校生の朋久と同居することになった作家の日和。もどかしいほどに遠慮がちだった朋久が、一生懸命に自分を慕い、屈託のない笑顔を向ける度に愛しさが募っていく。だが可愛いと思っていた彼のキスに翻弄され、男としての想いを告げられても、過去のトラウマから自らの気持ちを認めることができなかった。それでも、真っ直ぐに想いを伝えてくる朋久の瞳に抗えず……。
その瞬間に蘇る恋心――。無駄に高いプライドを抱えたガラスのエリートの京弥は、遠恋が嫌で別れた年下の恋人・歩武に、ケアンズ空港で再会してしまった。そのまま大好きだった肉厚の唇に、キスを奪われ肌に激しい欲情を刻み込まれて、以前にまして歓喜する自分に気づく。だが翌朝見つけた結婚指輪。彼はもう他人のモノだった。なのに。歩武はしばしば現れ、京弥に誘いをかける。抗いきれない自分が許せず、嘘の恋人をでっち上げるが、強引な歩武は京弥の服をむしり取り…!?
都立病院で麻酔科医として勤める繊細な美貌を持つ結衣章人。勤続四年目ともなり麻酔の重要さ、患者との信頼関係の大切さを身にしみて感じていたある日、アメリカから有名な外科医である真岡亮冶が新たに配属されてきた。患者と全く交流を取る様子のない真岡に対し結衣は反発を覚えるが、彼が自分と同じく過去に大切な人を亡くしていたという心の疵を知る。真岡の事を知るにつれ、彼が気になり出す結衣だったが…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
桐原コーポレーションの社長・創介を失脚させるため、秘書として派遣された恵流。独裁的な経営の創介に憤慨するが、彼の傲慢さが愛情を知らずに育ったがゆえだと知る。不器用ながらも情を示そうとする創介に愛おしさを感じた恵流は、彼を騙している己の立場に嫌悪しつつも、その手を拒めず抱かれてしまう。だが、執着されればされるほど悲しみを覚える。愛情を知ってほしいと願っていたが、創介のそれはお気に入りの玩具に対するかのように残酷で――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
幼少時に伝説ともいわれる盗賊に両親を殺された、元武家の子である葉山市之介は、仇を討つため、その盗賊を追っていた。久しぶりに江戸に戻ってきた市之介だったが、町で火事に遭遇してしまう。不審な火事が、追っている盗賊の仕業ではないかと疑いを持った市之介は、翌日現場で盗賊の痕跡を発見する。しかし、そこで鉢合わせた将軍直轄の若き長・後藤数馬に疑われ、拘束されてしまい…。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。