シューフィッターの悠歩の前に四年ぶりに現れたのは、幼なじみの隆史。年上の彼は、歩くのが苦手だった子供の頃の悠歩といつも一緒にいてくれた。けれど隆史から告白されたとき、悠歩は何も言えなかった。再会後、悠歩は隆史と以前のような友達付き合いに戻る。大人の男になった隆史に会うたびに、なんだかドキドキしてしまう悠歩。ところが、隆史からは「四年前のこと、忘れてくれないか」と言われてしまい…?
信仰に身を捧げる小さな村の神父・シエンは、左手に癒しの力を持っていた。ある日、その力で国を助けてほしいと請われ国王のもとへ赴くが、城に着いた夜、紅蓮の竜に攫われてしまう。そして目覚めると、赤毛の屈強な男に組み敷かれていた。男の名はイグニス・レクス――伝説の竜王だった。彼はシエンを古城に囚えて純潔を奪い、幾度もその肢体を貪った。なぜ自分がこんな目にあうのかわからず、困惑ばかりのシエン。繰り返される快楽にまみれた陵辱の理由とは──。
性別を偽り、諸国を巡る舞踊団で舞姫として生きる遥華。謎めいた妖艶な美女と噂の遥華が男だという秘密を知るのは舞踊団の仲間のみ。ところが街中で興行していたところ、通りがかりに冷徹な独裁者と悪名高い昴国の王・凱真に見初められ、伽を命じられてしまう。閨で男と知られ死を覚悟したが、凱真は咎めることなく遥華を抱いた。以降、寵姫として王宮に留まることになったばかりか、凱真は遥華を后にすると宴で公言し…!?
幼い頃に賊にさらわれ、男たちの慰み者になっていた郁。希望も生きることへの執着も失い、心は虚ろだった。ある夜、賊が住処とする古寺に鬼が現れる。銀の髪に銀の瞳、気高さと猛々しさを併せ持つ鬼・琥月に見惚れ、彼に喰われるならば嬉しいと目を閉じた郁。だが、琥月は郁を喰らわず、白梅が咲き誇る幽境――― 鬼が住む世界へと連れ去り…?
昭和7年―― 京都。父亡きあと家業の旅館の主であった双児の兄・芳彦が不幸な事故で命を落とした時から、芳彦として生きている敦彦。旅館と家族を守るため、死んだのは敦彦とし、偽りの人生を選ぶしかなかった。そんな折、ある男の来訪に敦彦は戸惑う。彼・鴻野倫太郎は、かつて心を通わせながらも訳あって縁を切った相手。敦彦を今も愛していると言う倫太郎と想いは同じだが、恋の成就は叶わない。敦彦の死を悼んで逗留を決めた彼と時間を重ねるほど、心は痛み……。
「王都の歌姫」となり、憧れのアルバレスト王に仕えることになったエリーサは、何故か歌えなくなってしまう。治療のため王宮で過ごしていたある夜、部屋へ忍んできたアルバレストに熱く身体を乱されてv