世界の何処かで教授の変わりに現地調査の話?と思ったら、突然出てきた魔界。 ファンタジー!! けれど中身は民族学のような、言語学。 言葉にはその人たちの歴史や文化、考え方が詰まっているから、民族学みたいになるのかな。 共通点から言語を解読していくのだろうけど、最初の取っ掛かりは大変だっただろうな。 なんせ言葉を発する器官から違う。 主人公がいろいろ推測しているのを見て、言語学オリンピックの問題を思い出した。 言語学オリンピックのお試し問題だと、パズルのように正解を導くけど、主人公たちの行っていることはパズルのピースを探すところからスタートになるので、なかなか大変そうだ。 ちなみに近頃、世代が下に離れすぎた人たちが使う言語を理解しにくくなってきたので、見習って理解するようにしたい。 一桁台前半はまだ大丈夫だけど、後半以降はおしゃまさも増していて難しい。
かつてファンタジー漫画なんてものは今ほど潤沢ではなく(いっても私が知ってるのはせいぜい30年ぐらいだけど)スニーカー文庫のロードス島戦記やフォーチュン・クエストを読みながら、出てくるモンスターやそれぞれの場面を想像で補っていた。 何十ページかに1枚あるかないかの挿絵だけでは世界観などわからないし、あくまで参考みたいなものでしかないため、リザードマンが硬いだなんて言われてみないとわからないものであった。 今はファンタジー漫画も超増えてるし、漫画雑誌を手に取ればわかりやすいRPG風世界が割と簡単に見られる。いい時代(たぶん)である。 なにしろ「ダンジョン飯」のような想像で補っていた部分に切り込む作品が徐々に頭角を現してきている。「葬送のフリーレン」なんかも角度は違えどそうだろう。 これらにより私達はより「ファンタジー(RPG風)世界ってきっとこう」という理解が深まり(実際に無いものへの理解は深まるとは違うかもしれないが)より一層ちょっと美しい視点で世界を覗くことが出来るようになってくるはずなのだ。 すごい例えが斜めに飛んでいくけど、FFとDQばっかりやってた人がワンダと巨像を初めてプレイした時、本当はこうなんだと衝撃を受けたはずだ。こんなに世界は広くって、遺跡はこんなに大きくて、人間はちっぽけだーと感動したはずなのだ。 それと同じように「気付かされる感動」がこの『ヘテロゲニア リンギスティコ』にはある。 なにせ言語だ!そこはきっと具現化して伝えるのがめちゃくちゃ難しい分野だろうよ、と思えるがあえてそこに切り込んでいき、見事に「なるほど…!」と読み手を唸らせているのだ。 ダンジョン飯やら異世界モノやらが好きな人たちにはもちろんのこと、若い世代・ガンダムより年上の世代がそれぞれこれを読んでどう感じてどう思うのか。 ぜひ時間のある時に、極力大きめの画面で読んで欲しい。 スマホではしっかり読むのにはあんまり適していないですから。
世界のみならず宇宙のすべてもデータ化されている未来で、未知を求めて宇宙を探索する宇宙人・ジアと、それを追っていた警察官の宇宙人・ラミュのふたりがデータのない惑星に不時着します。 知らないことだらけに自由を感じるジアに対し不自由を感じるラミュ、ふたりはこの星でどうやって生きていくのか…? 宇宙人としての特性も全く違うふたりの凸凹感が読んでいて楽しい。
モンスターの設定や異種間交流の様子が突飛さとリアリティの絶妙な隙間を縫っており、まさに作中の言葉をなぞるなら「解釈するには及ぶけど理解は難しい」という印象を受ける。 瀬野反人先生はシュール系のコメディを得意とされてる印象があったが、その作風にこれだけ練られた設定を掛け合わさって、両方の持ち味がより活きる作品に仕上がってる。 他作品と比較するようで忍びないが、個人的には、内容に「設定の勝利」感があり、且つそれに留まらない作品の醸し出す雰囲気の魅力がある辺り、『ダンジョン飯』の再来になるポテンシャルを秘めてる作品だと思ってる。 1巻読了。
ヒトにはない、獣人たちの「発声・文字以外の方法で意思疎通を図る」習慣が興味深い! そんな異文化圏に飛び込んで、知識だけでなく身体を駆使して奮闘する主人公にはとても好感を覚える。 設定が細かくててリアリティを感じられるところはダンジョン飯に、異文化に入って暮らすよそ者という点では乙嫁語りのスミスさんに通ずるところがある。「世界ふしぎ発見」的な異文化を学ぶ楽しさや、芸人が海外で四苦八苦する姿を見て楽しむバラエティ的面白さがある。 主人公のレポート用の手記がナレーションの役割を果たしていて、全体にアカデミックな雰囲気を出している。他人の日記を読んでる感も楽しい! 教授の著書や授業で習った知識を頼りに、その場その場で仮説を立て試行錯誤する主人公をずっと見ているので、読み終わったあとは「自分もだいぶ《大きいあご》の言葉に慣れてきたな〜!」と達成感があった。 最後に言いたいのは、表紙のススキちゃんがめっっっちゃんこカワイイので読んでくれということです。 ススキちゃん元気だね♡ とても助かる〜〜〜ッッ!!
世界の何処かで教授の変わりに現地調査の話?と思ったら、突然出てきた魔界。 ファンタジー!! けれど中身は民族学のような、言語学。 言葉にはその人たちの歴史や文化、考え方が詰まっているから、民族学みたいになるのかな。 共通点から言語を解読していくのだろうけど、最初の取っ掛かりは大変だっただろうな。 なんせ言葉を発する器官から違う。 主人公がいろいろ推測しているのを見て、言語学オリンピックの問題を思い出した。 言語学オリンピックのお試し問題だと、パズルのように正解を導くけど、主人公たちの行っていることはパズルのピースを探すところからスタートになるので、なかなか大変そうだ。 ちなみに近頃、世代が下に離れすぎた人たちが使う言語を理解しにくくなってきたので、見習って理解するようにしたい。 一桁台前半はまだ大丈夫だけど、後半以降はおしゃまさも増していて難しい。