「今夜は誰の仕度をするんだい」。江戸で「めしいち」を切り盛りする料理人・市兵衛には、「闇の料理人」という裏の顔があった。市兵衛の料理に舌鼓を打つ友人の重蔵は、お上が裁けない者を始末する、闇の仕事を市兵衛に依頼する。金目の煮付け・天ぷら・鰻・寄せ鍋・おせち料理……食材をさばいた夜は、悪人を裁くために店を出る……。