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ばらとたんぽぽ
「兜合わせ」がトレンド入りした日に読みたい #1巻応援
ばらとたんぽぽ 遠浅よるべ
兎来栄寿
兎来栄寿
最強寒波などの影響で各地「運転見合わせ」が起こったにより「見合わせ」がTwitterのトレンドワードになると、それを「貝合わせ」に空目した人によって「貝合わせ」までトレンド入りし、その流れで「兜合わせ」までトレンド入りするという日本のTwitterらしすぎる展開が起こった本日。 日本で「兜合わせ」がトレンド入りしている間に、Twitterアカウントの名前がMr.Tweetに固定されてしまっていたイーロン・マスク氏はかつて ″Some people don’t like change, but you need to embrace change if the alternative is disaster.″(変化を好まない人もいるが、その結果不幸になるのであれば変化を受け入れる必要がある) という名言を残しました。 しかし、果たしてそんなMr.Tweetでも着いていけるのでしょうか。クレイジーな日本Twitterのスピードに。 BL大手サイトのちるちるさんも好機とばかりに「兜合わせ」の解説ページの再掲などされていましたが、私も今日のこの機会に最近発売された「兜合わせ」シーンが印象的な名作BLを紹介します。 作者の遠浅よるべさんは2020年に『潮騒のふたり』を出された方。『潮騒のふたり』は個人的に2020年でもトップクラスのBLで、こちらもクチコミを書いているので良かったら参考にしてください。 https://manba.co.jp/topics/26809 『潮騒のふたり』はガッツリシリアスですが、この『ばらとたんぽぽ』はシリアス面もありつつギャグ色も強い、愛すべきエロコメです。連載自体は『潮騒のふたり』より前からwebで行われていて、遂に書籍化され先日上下巻同時発売となりました。 32歳になっても一切家事など自分のことができず感情表現も下手なものの役者としては優れた才能を発揮するトモちゃんと、彼と同棲して身の回りの世話を全部行っている大人気少女漫画家でモデル体型・筋肉質で顔も良く歌も上手く絶対音感があり文才もあり経済力もある超スパダリな時田征士郎。 征士郎は性欲モンスターでセフレも複数いながら、トモちゃんが重度のEDであることなどによりプラトニックな関係を続けており、けれど内心は日頃からトモちゃんを滅茶苦茶に抱きたいと欲望しているという、属性モリモリの二人の関係性が愉快にエロく描かれていきます。 2巻で描かれる、二人のち◯ち◯が擬人化される場面は名シーンとして語り継がれています。そう、兜合わせも擬人化したち◯ち◯同士で行われるのです! 何卒、刮目して見てください。 ただ、そんな突き抜けたバカエロ感の裏には非常に情緒に溢れたシーンもあり。実は上記の兜合わせのシーンにすら莫大なエモさが溢れており、やはり遠浅よるべさんの描かれる男性同士の関係性、想いと重みの宿し方は素晴らしいなぁとしみじみ感じ入ります。ピンクタイガーとチェ・ゲバラと北海道のタトゥーを入れている佐智先輩や、征士郎を「スケベを鋳型に流し込んでできた怪物」と形容するみち子ママなど、脇役たちも個性的で輝いています。 おじさん同士のBLに抵抗がない方には強くお薦めです。
潮騒のふたり
今年最高峰のBL
潮騒のふたり 遠浅よるべ
兎来栄寿
兎来栄寿
すっかり寒くなってきましたね。寒さには強い私もとうとう暖房を使うようになってきた今日この頃ですが、この『潮騒のふたり』は読んでいるだけでじっとりと汗をかく蒸し暑さを覚えるような、そして同時に胸を焦されるような、異様で夥しい熱量を放っています。 1994年、関西のとある中学を舞台に、不良新任教師・屋敷と8歳年上の人気教師・比奈岸の恋愛が描かれる物語です。 90年代半ばという時代設定を非常に丁寧に巧みに描いており、令和3年にもなろうという時期にこんなにエモいポケベルでのやり取りを見られるとは思っていませんでした。 絵も設定もディテールが丁寧で素晴らしい作品なのですが、特に好きなのはインモラルで奔放な屋敷が教師用の格安アパートを借りずにわざわざ自分で部屋を借りているその理由です。普段の彼の姿からは想像もできないロマンチシズムの発露とそのギャップは、人を好きになるのに値する良いエピソードでした。 屋敷の刺々しくも内にある柔らかなもの、比奈岸の順風満帆に思える人生の向こう側にあるもの、その二人の交わりによって生まれる化学反応、そして変化に胸の奥が疼きます。 こうした描写の積み重ねによりキャラクターにも肉感が与えられているからこそ、まだBLという言葉が浸透していなかった頃の、男性同士での恋愛の禁忌性が今より遥かに強かった時代設定が輝いています。また、今よりも更に厳格さが求められまだ体罰などもあった時代の、規範たるべき教師としての葛藤も美味しいです。 オタクという言葉がまだ平仮名で書かれていた時代の不登校のおたくである女子生徒が長野まゆみ、銀色夏生、栗本薫が大好きというシーンがあるのですが、90年代にその辺りを読み漁っていた人間として非常に強い共感を覚えると共に懐かしさに浸りました。 50ページ以上の描き下ろしがあり、webで読んだ方もこの結末は必見です。 BL作品でそれなりに交合するシーンも描かれはするのですが、それでもこれは男性と男性でありながら人間と人間の普遍的で切なく狂おしくも愛しい物語であり青年マンガ的な側面も強いので、普段はBLは読まないという男性にも、『コオリオニ』位なら大丈夫というマンガ好きの方にもお薦めしたい作品です。 様々な部分で好みは分かれる作品であることは間違いないですが、それでも今年のBLの中でも個人的にはトップクラスです。
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