3分間の魔法シリーズはどれも好きですが、今回もとてもよかったです。 単行本にならな
妻を亡くした主人公は、1年経ってもまだまだ死を受け入れられず、3歳の娘の口から妻の話題が出るとすぐに話を変えてしまうし、「3分間だけ幽霊が見えるアメ」を5万で買ってしまうほど。1周忌で妻の家を訪れた際、娘が行方不明になってしまい…。 アメの使い方が完全に予想外ですごく良かった! ぜったい娘探すのに使うでしょ〜〜と思ったら、使わんのかいってなって、最終的にメチャクチャ心温まるオチった。すごくいい。
恋をテーマにした読み切りが収録されています。どの作品もレベルが高くて流石だなと思いました。以下は作品ごとの個人的な感想になります。 西炯子「縁ありて」 一度は結婚をしたもののお互いに未熟だった為に一年で離婚してしまい、その後は全く恋愛に縁のなかった女性がデートクラブを利用する話。よくある筋書きのような気もするけど、西炯子先生が描くと夢中で読んじゃうくらい面白い。 江平洋巳「へるんさん」 小泉八雲と妻になる節の出会いから始まるお話。小泉八雲だからかオカルト的な展開もあるし、見せ方もドラマティックで読んでいて楽しかった。 谷和野「ソファーベッド・ツアー」(※単行本「魔法自家発電」収録) 親に必要とされていない子供達は夜中に空を飛んでいる…。一見するとファンタジーなんですが、比喩的な意味も込められてるのかな?とちょっと考えました。ラストがとても素敵でした。 梅サト「ほんぽうふき」(※単行本「緑の罪代」収録) このアンソロジーの中で一番独創性が高いと思いました。島の真ん中に生えた大木に住む鬼のところへ生贄としてお嫁にいく話です。タッチもほんわかしてて昔話っぽいですが、終わり方も「めでたしめでたし」な感じで好きでした。 白水こよみ「兄嫁の結婚」 ずっと好きだった人が自分の兄と結婚することになったが、彼女は結婚式の前に事故で死んでしまう。しかし自分が彼女のことを想って作った服を着てもらえば、幽霊になっても姿が見れたりしゃべったりできることが分かって…という話。せつないけどいい話でした。
3分間の魔法シリーズはどれも好きですが、今回もとてもよかったです。 単行本にならな