※ネタバレを含むクチコミです。
恋愛関係でない男女の描き方と、愛を持って描かれる猫にまつわる諸々がとても良いなと感じさせてくれる作品です。 男性からの恋愛や性愛に応えられないという悩みを持ち、両親が残してくれた一軒家に女友達のみおと二人暮らししていたものの、そのみおも3年で彼氏ができて出ていき独りになってしまった公務員の黒木里香。 彼女が保護猫をお迎えしようとするもの、譲渡会で単身者で一緒に世話できる家族も近くにおらず、自分の仕事が大変なときや体調を崩したときに責任が持てないようでは厳しいと断られてしまうところから始まる物語です。 猫が好きだからこそ、ペットショップで買うのは嫌で不幸な子をひとりでも減らしたいという里香の気持ち、同じように保護犬を迎えた身としてとても好感が持てます。しかし、ボランティアの言うことも至極もっとも。命に対して責任を負うということはそれだけ重いものですから。しかし、その後に譲渡会で出会った男性と共に助けた猫を育てていくこととなります。 恋愛関係ではなく一緒に暮らし始める男女の関係を描いた作品としても秀逸です。 互いに異性として恋慕することはできない。でも、日常の些細なことを共にして共感したり、「おかえり」「ただいま」と言える相手がいると安心できるという気持ちは確かに存在する。何より、互いのライフスタイルによって猫のサポートを補い合える。 そうした利害の一致から始まる共同生活の様子もいいです。理想的な部分だけでなく、赤の他人と一つ屋根の下で暮らすことの大変さもしっかり描かれます。それでも、猫たちの存在が潤滑油となり新生活が少しずつ回っていく様子を見ていると、世の中にはこういう形があっても良いと思わせてくれます。 私自身、結婚はするまで微塵も考えていませんでしたが、最近骨折した際にはとても助けられて独り身のままだったら相当大変だっただろうなと思いました。保護犬を迎える際も夫婦であるからと安心された部分もありました。何だかんだで共同生活は助かる部分が多いというのは身に沁みます。 また、猫の育て方や猫との暮らし、保護猫への解像度の高さも本作の美点です。原作者の筒井テツさんは実際にボランティア活動をしているそうで、幕間では保護猫をお迎えしたいと思っている担当編集のFさんとの実録保護猫マンガも描かれます。 作中で保護される要介くんと要美ちゃんはそれぞれの個性と共にとてもかわいく描かれ、このまま何事もなく元気で成長してほしいと願うばかりです。
旦那さんサイテーすぎ。この主人公も沼にハマりそうで少し心配ですが。。 パンセクシャルって言葉は初めて聞いたので勉強になりました。 ハプニングバーに行った事で考えが変わって、旦那さんと離婚できたらいいな。と思いました。
"どんな人でも"受け入れる、多種多様な性自認や性的指向・嗜好の人々が集まるハプニングバー「BAR California」を舞台にしたオムニバス作品。 個々の登場人物それぞれが自分の人生に大切なことを見つけていく過程がドラマチックに描かれ、なおかつそれぞれの話が密接に関わる連作短編のような構造になっていて、全てが一連の物語のように読める作品です。 それでいて、"セクシャルマイノリティ"についての描写がとても丁寧な印象を受けました。セクシャルマイノリティはいわゆる"LGBT"だけではないし、「トランスジェンダーでレズビアン」のように複数の要素を併せ持った人もいるし、性自認・性的指向・性的嗜好などはそれぞれ異なる概念で…というベースとなる知識を押さえつつ、"セクシャルマイノリティ"という枠組みとしてではなく、"セクシャルマイノリティの特徴を持った一個人"として描いていて、まさに"多様性"、そして多様性が存在する中での"生き方"を描いた、教科書のような作品だと思います。 1巻まで読了
「誰でも歓迎するハプバー」にやってくる人達を描くオムニバス作品。 セクシャルマイノリティーなキャラがやってきては、「自分」という存在に迷っているように見えます。 LGBTQに対して興味のある方は勿論ですが、肩書きが溢れる世の中や世間の目で自分を見失う人もいる。 そんな人に、「あなたらしくいてね」という様なメッセージを感じるお話でした。 ハプバーが舞台なのでちょっと刺激がありますが、エロい目線では見れない綺麗な絵柄なので見やすい。 主人公であろうハプバーの店員も、何かになろうとしてるのか。本体表紙が正直こわいと思いましたが…。 不思議な読み味で今後期待です。
様々な性別、性癖、性的指向を持った人が集まるハプニングバー「BAR California」。 おっと、今日もなにか事情を抱えた方が入店されたようです…。 と、いった感じでオムニバス連載でいろんなお客さん同士の組み合わせを見せてくれそうでいいですね。 58種類、いやもっとあると言われるセクシュアリティ。 ハプニングバーでは世俗のしがらみはすべて解放していいんだよ、と言われているようで救われる人も多いんじゃないかな。 いろいろ落ち着いたら一度くらい行ってみたい。 零話プロジェクトの読切『私季、折々と』から半年経たずに連載化! 読切版→http://www.moae.jp/comic/reiwaproject/17
※ネタバレを含むクチコミです。