話題なので読んでみました。 SFもダークファンタジーもわたしは好きです。ただなんかちょっとしたがっかり感を覚えることが多いです。不思議な世界で世界の真理に触れそうな期待感を煽ってくれる割には、読後に残るものがあまりない、みたいな。本作もそういう感じを覚えました。 面白くないわけじゃないですよ。ただ作中で「なぜ生きるのか?」という問いかけをするのなら、もう少しえぐって欲しかった。カタルシス(もはや陳腐な言い回しですね)に欠けたって感じですかね。結局、人間が描かれていることでしか(少なくともわたしは)感動できないのかな、と。自分の矮小さにやや嫌気がさすと同時に、その人間の姿を感じることができなかったが故に、わたしのお気に入りにはならなかったというのが、本作への感想の要約になります。 絵の表現力は素晴らしかったです。清濁の描き分けが特に。 せっかく感想書くならネガティブなことはあまり良くないなぁとは思いつつ、吐き出したかったので、お目汚しさせていただきました。 次回作があるのなら、きっと読むと思います。
圧巻のSFダークファンタジー巨編。 バンドデシネ好きや、松本大洋、大友克洋、寺田克也、弐瓶勉、宮崎駿、鶴田謙二、ドロヘドロが好きな人には特に響きそうな構図のダイナミックさ、話の壮大さ、絵の緻密さ、気持ちの良いシーンや動きがあって素晴らしい。 その系譜に連なる凄味がある。 これは紙で買ってよかった。 装丁もいいし大型本で万歳! 先日、サイン会があったらしいが行けなかったのが悔やまれる。 冒頭に出てくるアリスとヘビと番号とドア。 ページをめくるたびにいろんな世界を見せてくれる。 中盤までのそれぞれの欲望を描くのも悪夢のようで不気味で良かったが、中盤以降の加速度的に変わっていく展開にはどんどん前のめりになって読んでしまった。 少しずつ世界の仕組みや謎が解かれていくポイントも気持ちよく、いいラストだった。 この単行本自体、鈍器になりそうな重さがあるがこのマンガのテーマとも合っていて、それでこそという感じ。 いろんな人に知ってほしい一作。
ダークファンタジー斯くや有らんと言うような圧倒的な絵の書き込みと、前半から畳み掛けてるのに後半に進むに従って更に勢いを重ねるストーリー。300ページ超なのに一瞬で読み終えてしまう、でも世界観にはどっぷり入り込める。 商業作品ではなかなか感じられないB5サイズの本の重量感と紙の端まで印刷された画面の壮観さが素晴らしい。私は普段は電子書籍派ですが、紙で買って全く損はない作品。 (2019/5/16追記)「あなたのクチコミで1人が買いに行きました!」の通知が来ていたので念の為。 今作は電書単行本化されておらず、かつamazonでの取扱いも今のところなさそうです。調べてみた結果TSUTAYAでしか取り扱ってなさそう。直リンクを貼っていいかどうかわからないので、興味を持って頂いた方は「BIBLIOMANIA 蔦屋」で検索してみてください。
話題なので読んでみました。 SFもダークファンタジーもわたしは好きです。ただなんかちょっとしたがっかり感を覚えることが多いです。不思議な世界で世界の真理に触れそうな期待感を煽ってくれる割には、読後に残るものがあまりない、みたいな。本作もそういう感じを覚えました。 面白くないわけじゃないですよ。ただ作中で「なぜ生きるのか?」という問いかけをするのなら、もう少しえぐって欲しかった。カタルシス(もはや陳腐な言い回しですね)に欠けたって感じですかね。結局、人間が描かれていることでしか(少なくともわたしは)感動できないのかな、と。自分の矮小さにやや嫌気がさすと同時に、その人間の姿を感じることができなかったが故に、わたしのお気に入りにはならなかったというのが、本作への感想の要約になります。 絵の表現力は素晴らしかったです。清濁の描き分けが特に。 せっかく感想書くならネガティブなことはあまり良くないなぁとは思いつつ、吐き出したかったので、お目汚しさせていただきました。 次回作があるのなら、きっと読むと思います。