なぜならこの『ゆりなつ』の舞台である異常百合家族経営旅館「かがや」の五女、花ちゃんがゲスト出演しているからです。びびったぜ。 両作にすごく強いつながりがあるわけではないと思うんですが、花ちゃんのキャラを本作で知ってから『百合じゃない』を読むとより面白いと思います。もしかしたら島を出ていつみちゃんの居る学校に入ったのかもしれないですね。『ゆりなつ』にもヤバいキャラもっといるから全面コラボしてくれたら楽しそう。
どんどんキャラも増えていきますが基本のラインは変わらない。 毎回いつみちゃんの邪悪な目論見が外れて出てきた女の子と「なんで百合にー!?」ってオチになるんですが、このバリエーションが尽きないのがすごいなと思います。 段々惚れ薬を使わなくても女の子を惚れさせられる能力に開花してるのも笑えるポイント、さすが主人公。
暴力や陰湿なイジメ、ネットリンチの元となる「あいつがムカつく」という感情は、実はその人の(こうあるべきだ、という)「倫理」の投影である。その「倫理」は人の数だけ存在し、それは時に酷く歪な形を取る。 本作の登場人物はそれぞれに、倫理感や強い想いがある事が語られる。ストーカー女子、ストーキングされる女子、それにある思いを抱く親友、そしてストーカーを退治したい女子。それぞれの背景が語られると、全員の同情できる部分と、到底受け入れられない部分が見えて来る。 閉じた場で増幅し伝播する、正しさの〈やみ〉。 彼女達が倫理を振りかざし、正しくあろうと画策する先にあるのは誰もが「悪」と断定するはずの構図だ。しかし、その場にいる人達はある程度気付かずに、そしてある程度確信犯的に、その「悪」に踏み込んで行く。 誰が生き残るかの理由は少し語られるがそこは重要では無いだろう。そんな事よりこの歪みに、一人一人同調していたら気が狂う。全てが最後まで正しさを主張しながら狂って、終わっていく……私はそれをただ見ていた。
①アルコールが登場するアンソロジーはシチュエーションが意外と多様。 ② 大人ならではの長年募らせた恋・頑なに拗れた心をアルコールで動かす! ③酒でタガが外れる感じが分かる〜と思いながらも、エモい恋の物語が羨ましい。 --お暇なら読んでね-- ……と言いつつ梅酒の話のほんわかさが好き。 ●頂けない人(2C=がろあ先生)/バーでいつも違う女を落とす女と、それを見ているバーテンの女。 ●今夜はほろ酔いで(よしのかや先生)/昔馴染みと三人で宅飲み。一人帰って好きだった人と二人きり。 ●同窓会はから騒ぎ!?(後藤悠希先生)/同窓会で彼女と仲直りしたい…からの何故か彼女と飲み勝負。賭けるのは? ●浮気(もちオーレ先生)/酷い彼女に家に束縛される女はパート先の先輩に飲みに誘われる。優しい先輩に… ●貴方にスキを与えたら(ちこれ先生)/10年近い片思いに今日こそケリを。私は酒に弱い女…のふり。 ●たすけて!お酒初心者です!(樫風先生)/コンビニバイトの先輩に、お酒を教わりたい大学生。初心者向けの酒は進む。 ●お酒のチカラは偉大です(雪尾ユキ先生)/小さい頃からずーっと一緒の幼馴染みと、20歳で初めてのお酒を一緒に。 ●エンジェルキス・イン・ザ・ダーク(よぬりめ先生)/大学生、見知らぬ泥酔女を介抱する。そんなになるまで何で飲んだの? ●五月のこと(三田織先生)/同居する二人は、一緒に梅酒をつくってもう三年。梅酒の飲み頃は一年後。その時… ●ショコラ(今井先生)/高校の時、リキュール入りのチョコを食べた。いつか大人の味が分かるかな…そしてその時隣には?
※ネタバレを含むクチコミです。
憧れの男性教師に惚れ薬を仕込むつもりがクセの強い女子生徒に飲まれてガンガン惚れられて毎話望まぬ強制百合状態に陥るというアホ百合ギャグマンガ。襲われるたびに主人公のいつみちゃんはこう叫ぶしかありません。 「私は百合じゃない!」 いや…百合だよ!! ギャグのテンポも心地よくていつみちゃんが毎回ドキドキしちゃうのがカワイイ。途中から先生の顔とか忘れちゃってますしね。ちょっとエッチなノリもご愛嬌でしょう。 1巻の時点ですでに4人と関係を持っているんですがまだまだ新キャラ出てきてほしいですね。わたしの推しは美人学級委員長の四方塚まことさんです。強いからです。
とある島の民宿「かがや」は女性だけの一家で切り盛りする小さな宿。そこには様々な女性二人組がやって来る。 女性二人組の来客に対応する度、従業員の姉妹達はそれぞれに「萌え上がる」。長女は二人を百合方面にからかい、次女は横目で二人を伺い、三女は二人を盗撮・盗聴しようとし(コラっ)、五女は自分が何とかしなきゃ!とソワソワする。 そんな百合民宿では次々百合カップルが生まれる一方、姉妹達はそれぞれの「姉妹百合」に身を焦がす。さらには彼女達の母の、民宿の女将も、板前の姉(姉妹の叔母)といい感じ……。 何だこれ、百合成分が濃すぎる! 2ページに一回は悶えてる……。 しかし決して、甘く楽しい恋愛がストレートに描かれはしない。 描かれるのは、プライドのために相手の弱みを突き、優位に立って安心を得ようとする者と、それを受け止める者の様々な在り方。そして相手を安心させてマウントを解き、素直にさせて、ようやく向き合う瞬間の高揚感! こんな脳味噌がはち切れそうな幸せな読書体験があるから、「百合」はやめられない。そう思わせてくれる作品だ。 ♡♡♡♡♡ 例えば1巻を読んで気に入ってもらえたら、出来れば2巻の前にもちオーレ先生の別作品『出会い系サイトで妹と出会う話』を読んでいただきたい(『出会い系サイトで〜』は、わかりづらいが2巻ある)。表題作でどうにも救われなかった一人の女性のエピソードが、『ゆりなつ』の2〜3巻に描かれている。
同性愛特有の苦しみとして「やましさ」があるのは、お分かりいただけると思う。 道ならぬ恋に身を焦がし、罪悪感に陰で泣き、恋そのものを捨てようと苦しむお話を、百合好きは狂ったように読み漁り、似たような話で何度も泣きむせぶ。それが自分にとって真に迫った、大切な感情だから。 それがさらに、血の繋がった者……姉妹同士の恋愛であった時の、背徳感とNo Future感。しかし絶望的であればあるほど、奇跡的に2人が結ばれた時の多幸感たるや……! 本作単行本の「無印版」と「ー333日目ー版」の半分を使って語られる、まるで実録物みたいなタイトルの表題作は、出会いはタイトル通りなのだが、姉妹が互いに秘めていた気持ちと、ままならず離れていた時間の重さ、そしてあり得ない偶然の出会いの奇跡を何とか繋ぎ止めようとする、強い気持ちに胸打たれる。 強い想いは却って嫉妬にもなり、一筋縄ではいかない姉妹の関係に目が離せなくなる。こんなに重い苦しみと執着と、愛情と多幸感、なかなか味わえない。 他に掲載されている短編も、やましさや嫉妬、憎しみがちょっと歪んだ愛情へとスライドしていく「昏い」トキメキに満ちていて、一つ一つが印象深い。 萌えや少女漫画的「可愛さ」を排したもちオーレ先生の絵柄は、昏い感情表現や、下衆なコメディに合っている。特に恥ずかしさ、やましさ、悪巧みの表現は癖になりそう。そして恋に落ちた女性は、却って可愛く見えてくる不思議。 ♡♡♡♡♡ それにしても表題作で姉に振られた女性に関して、扱いが酷いので可哀想……という貴方は、『ゆりなつ』全3巻をご覧いただきたい。第3巻で……!
この漫画は読者が大熊さん(箱入り娘)と一緒に神田さん(イケメン女)を愛でるんであって大熊さんはほとんどモブとして読んでます。 まさにこの1巻の表紙のような立ち位置。笑 男と勘違いされて女装を頼まれ、断ろうとしたら付き合うことになっちゃった2人のイチャイチャを眺めるだけなんですけど、最初は、きっとすぐ女であることもばれて、それでも気持ちが変わらないから大丈夫!じゃあ心置きなく百合だね!みたいな展開でしょ、と思っていましたが、1巻が終わるまで勘違いは続いてます。 神田さんを心底男だと思いこんでいるがゆえに、勘が鈍い女みたいになっちゃてる大熊さんにちょっといらつくこともあるけど、個人的には神田さんの美しさがこの漫画の価値だと思っています。ほんっと美しいので。ひとえにこの著者のかたの画力の賜物だと思いますが。 みなさんも一緒に神田さんを愛でませんか?
クレイジーサイコなんとやらみたいなことばが一時期流行りましたけど、本作の田山さんもその系譜に名を連ねるキャラクターになる予感がビシビシきています。 田山さんに擦り寄られている主人公の花絵もヤンデレをダメにする女という感じでそこそこどうしようもない感がリアル。根が優しいせいで田山さんをつい甘やかしてしまうんですよね。いかんでしょ。 そこに現れた籠屋さんというイケメンが田山退治に偽装の恋人役を買って出たことで事態は泥沼の三角構造へ突入し…というところで2巻へのヒキ。 絵柄のキュートさが各キャラのポテンシャルを際立たせており独特の読み味になっています。 花絵ちゃんもカワイイがゆえに割とクソダメな人間性が垣間見えたり、逆に田山さんにも「あれ、カワイイのでは…?」みたいな瞬間が普通に訪れるのが怖い。読み進めると籠屋さんも絶対的存在ではないということが分かって安息の場所はないです。常にグラグラ。 まだまだとんでもない展開が巻き起こりそう…とにかく不穏な気持ちになりたいときにおすすめの百合マンガです。
なぜならこの『ゆりなつ』の舞台である異常百合家族経営旅館「かがや」の五女、花ちゃんがゲスト出演しているからです。びびったぜ。 両作にすごく強いつながりがあるわけではないと思うんですが、花ちゃんのキャラを本作で知ってから『百合じゃない』を読むとより面白いと思います。もしかしたら島を出ていつみちゃんの居る学校に入ったのかもしれないですね。『ゆりなつ』にもヤバいキャラもっといるから全面コラボしてくれたら楽しそう。