ユリキュール アルコール百合アンソロジー
お酒で加速!大人百合 #推しを3行で推す
ユリキュール アルコール百合アンソロジー 三田織 後藤悠希 一迅社アンソロジー よしのかや もちオーレ 雪尾ゆき 桐山はるか 樫風 ちこれ 2C=がろあ よぬりめ 今井
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
①アルコールが登場するアンソロジーはシチュエーションが意外と多様。 ② 大人ならではの長年募らせた恋・頑なに拗れた心をアルコールで動かす! ③酒でタガが外れる感じが分かる〜と思いながらも、エモい恋の物語が羨ましい。 --お暇なら読んでね-- ……と言いつつ梅酒の話のほんわかさが好き。 ●頂けない人(2C=がろあ先生)/バーでいつも違う女を落とす女と、それを見ているバーテンの女。 ●今夜はほろ酔いで(よしのかや先生)/昔馴染みと三人で宅飲み。一人帰って好きだった人と二人きり。 ●同窓会はから騒ぎ!?(後藤悠希先生)/同窓会で彼女と仲直りしたい…からの何故か彼女と飲み勝負。賭けるのは? ●浮気(もちオーレ先生)/酷い彼女に家に束縛される女はパート先の先輩に飲みに誘われる。優しい先輩に… ●貴方にスキを与えたら(ちこれ先生)/10年近い片思いに今日こそケリを。私は酒に弱い女…のふり。 ●たすけて!お酒初心者です!(樫風先生)/コンビニバイトの先輩に、お酒を教わりたい大学生。初心者向けの酒は進む。 ●お酒のチカラは偉大です(雪尾ユキ先生)/小さい頃からずーっと一緒の幼馴染みと、20歳で初めてのお酒を一緒に。 ●エンジェルキス・イン・ザ・ダーク(よぬりめ先生)/大学生、見知らぬ泥酔女を介抱する。そんなになるまで何で飲んだの? ●五月のこと(三田織先生)/同居する二人は、一緒に梅酒をつくってもう三年。梅酒の飲み頃は一年後。その時… ●ショコラ(今井先生)/高校の時、リキュール入りのチョコを食べた。いつか大人の味が分かるかな…そしてその時隣には?
ゆりなつ
甘美…島の民宿に百合の花咲く!
ゆりなつ もちオーレ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
とある島の民宿「かがや」は女性だけの一家で切り盛りする小さな宿。そこには様々な女性二人組がやって来る。 女性二人組の来客に対応する度、従業員の姉妹達はそれぞれに「萌え上がる」。長女は二人を百合方面にからかい、次女は横目で二人を伺い、三女は二人を盗撮・盗聴しようとし(コラっ)、五女は自分が何とかしなきゃ!とソワソワする。 そんな百合民宿では次々百合カップルが生まれる一方、姉妹達はそれぞれの「姉妹百合」に身を焦がす。さらには彼女達の母の、民宿の女将も、板前の姉(姉妹の叔母)といい感じ……。 何だこれ、百合成分が濃すぎる! 2ページに一回は悶えてる……。 しかし決して、甘く楽しい恋愛がストレートに描かれはしない。 描かれるのは、プライドのために相手の弱みを突き、優位に立って安心を得ようとする者と、それを受け止める者の様々な在り方。そして相手を安心させてマウントを解き、素直にさせて、ようやく向き合う瞬間の高揚感! こんな脳味噌がはち切れそうな幸せな読書体験があるから、「百合」はやめられない。そう思わせてくれる作品だ。 ♡♡♡♡♡ 例えば1巻を読んで気に入ってもらえたら、出来れば2巻の前にもちオーレ先生の別作品『出会い系サイトで妹と出会う話』を読んでいただきたい(『出会い系サイトで〜』は、わかりづらいが2巻ある)。表題作でどうにも救われなかった一人の女性のエピソードが、『ゆりなつ』の2〜3巻に描かれている。
出会い系サイトで妹と出会う話
愛しさとやましさ…からの、多幸感。
出会い系サイトで妹と出会う話 もちオーレ
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
同性愛特有の苦しみとして「やましさ」があるのは、お分かりいただけると思う。 道ならぬ恋に身を焦がし、罪悪感に陰で泣き、恋そのものを捨てようと苦しむお話を、百合好きは狂ったように読み漁り、似たような話で何度も泣きむせぶ。それが自分にとって真に迫った、大切な感情だから。 それがさらに、血の繋がった者……姉妹同士の恋愛であった時の、背徳感とNo Future感。しかし絶望的であればあるほど、奇跡的に2人が結ばれた時の多幸感たるや……! 本作単行本の「無印版」と「ー333日目ー版」の半分を使って語られる、まるで実録物みたいなタイトルの表題作は、出会いはタイトル通りなのだが、姉妹が互いに秘めていた気持ちと、ままならず離れていた時間の重さ、そしてあり得ない偶然の出会いの奇跡を何とか繋ぎ止めようとする、強い気持ちに胸打たれる。 強い想いは却って嫉妬にもなり、一筋縄ではいかない姉妹の関係に目が離せなくなる。こんなに重い苦しみと執着と、愛情と多幸感、なかなか味わえない。 他に掲載されている短編も、やましさや嫉妬、憎しみがちょっと歪んだ愛情へとスライドしていく「昏い」トキメキに満ちていて、一つ一つが印象深い。 萌えや少女漫画的「可愛さ」を排したもちオーレ先生の絵柄は、昏い感情表現や、下衆なコメディに合っている。特に恥ずかしさ、やましさ、悪巧みの表現は癖になりそう。そして恋に落ちた女性は、却って可愛く見えてくる不思議。 ♡♡♡♡♡ それにしても表題作で姉に振られた女性に関して、扱いが酷いので可哀想……という貴方は、『ゆりなつ』全3巻をご覧いただきたい。第3巻で……!