親の借金を返すため、水商売の世界に飛び込んだマキ。初めて付いた客はF商事の部長で独身の水橋。彼の優しさに魅かれたマキは、いつしか水橋と深い関係になり、そして半年で売り上げナンバーワンに。サナギから蝶に変えてくれた水橋のため、S国の貿易大臣の接待役になったマキだが、その接待とはベッドの上での…。
エッセイスト・笛吹彩香の旬は聞く人々の胸を打つ。彼女は乳がんで余命数カ月と宣告されているが、自然に任せ、限りある命を野に咲く花のように生きたいと言う。彩香のこの世における未練とは、四国に行き、お遍路さんをしてみたかったこと。彼女の身を心配する警視庁刑事、棟居に四国の松山への出張が。そこで彼が出会ったのは!?
4日後に銀行の頭取の息子、久也との結婚を控える22歳の純子は、小さな冒険の独り旅に出た。自然に囲まれ感動する純子に突然、外国人男性・カールがカメラを向ける。彼は優しく包容力があり、まるで恋人同士のように純子は彼と自然に触れ合う。そして、純子はロストバージンの相手にカールをと決める。それには深い理由があるのだが…。
会社の金、一千万に手をつけた26歳の武男。その穴埋めをしてくれた27歳の経理課の栄子だが、武男はその日から、彼女の底なし沼のように陰湿で意地の悪い性格に振り回され、いつしか彼女の男妾に。しかし武男は、栄子とは正反対の、まるで天使のような愛くるしい女性、則子との婚約が決まっていた。栄子との関係に限界を感じていた武男は、栄子から逃れるため…。
警察はM大2年の立花ユミの死は自殺と断定。だがユミの妹・美香は、姉の死は絶対に自殺ではないと言い張る。先月、好きな人ができ、結婚するかも。と、嬉しそうに話していた姉が自殺するわけがないと美香は思う。しかし、相手の男は少し訳ありで、付き合っていることは誰にも言っていないらしい。憧れ、尊敬していた姉の死の真相を探る美香だが…。