かなりスローペースな連載だけどストーリーはスピード感があっておもしろい。なんでゾンビにとかなんでマオはとか謎は明かされないけれど、ギャルたちの日常は猛スピードで変化していく。 ゾンビ禍でのサバイバルだけどギャルはギャルの矜持を失わずに生きている。だからこそ信念と信念がぶつかる。 それらをまとめていたのが圧倒的カリスマ・マオだったけど、ゾンビになってしまった。 マオと共に生きるもの、マオニを崇めるもの、愛を求めるもの……なんだかバベルの塔みたいだなあと思ってしまう。 宗教はいろんなところに溶けているんだなあと気づかされる。カリスマとか推しとかアイコンとか全部そうだ!! ゾンビ禍ではないけれど確かなもの当たり前のものが揺らぐ昨今だから、ギャルたちがどう生きるかは自分にとっての指針になっていくかもしれない。
「るなしい」は,意志強ナツ子先生の新刊です。今のところ,既刊は1巻のみ。 掲載誌はなんと小説現代。 意志強先生の過去作は,「魔術師A」と,あとは「りゅうのすけくん」だけ読んだことがありました。 http://leedcafe.com/webcomic/exmanga019a/ どちらも面白いのですが,エロ比重が大きすぎて,正直自分の中で持て余していたところ, 本作は,(少なくとも1巻の時点では)直接的な描写はなく,比較的読みやすい作品になっています。 主人公の「るな」は,学校内でいじめをうけている,もっさりした感じのメガネ女子高生。 彼女は,広報委員会に所属しており,その中では「オタサーの姫」的な扱いを受けています。 一方で,彼女は,学校内で,処女の血がしみ込んだモグサを売って, 希望者にお灸をする(しかも有料)という,やや怪しげな活動にも手を出している人物。 そんな彼女が,ふとしたことから背の高いイケメンと仲良くなって…というところからストーリーが始まります。 …こう書くと,なんだかラブストーリーが始まりそうですが, 意志強先生のお話ですので,そうではなく, 中心になっていくのは「やや怪しげな活動」の部分です。 るなの「おばば」は, るなを「神の子」とするリアルな「信者ビジネス」を営んでおり, その考え方は,ほぼカルトです。 悩みがある者を焚き付け,家族と切り離し, 奇跡を見せて,取り込んでいく…。 もちろんガッチリお金をとる。 るな自身も,そのことを充分に把握したうえで, これに加担し,背の高いイケメン(ケンショー君)を取り込んでいく…。 破滅が確定している結末に向けて, 不穏さばかりが増していく物語。 オバケが出てくるわけでもないのにホラー感は強く, ゾクゾクするような読み味であり,きっと名作になるであろうと予感させてくれる作品です。
全国民が待ち侘びた意志強ナツ子先生の新連載、第1巻ですよ…!! 宗教のお話であり、宗教ビジネスのお話。 人々の信仰心を利用してお金を稼ぐことは神への冒涜のように感じられるのだが、るなしいにおける神の存在は絶対。 火神の子として生きている少女・るなは閉経するまで処女であらねばならないし、恋もしてはならない。 神であり続けるためには犠牲も厭わない。人を騙すための演出もする。火神は間違いなく存在する。 アンビバレントでありながらブレない世界観。これこそ意志強ナツ子先生の世界観。 るなしいは「神の子として生まれた郷田るなの伝記である」ので、るなの出生や家族についても明かされていくのかな、と期待が膨らみます。 彼女を取り巻く2人の少年、ケンショーとスバルの今後も気になります。 2巻が出てから一気に読みたいけど気になりすぎて小説現代読もうかな…
2回目の感想になります。 つい先程、最終話を読み終わりました。 意志強ナツ子先生は全くブレない。カルト宗教とか自己啓発みたいなものを斜めから見た作品なのかと最初の最初はちょっとだけ思ったけれど、意志強先生は真っ直ぐな目で見つめて描いている。 何かを信じるということは頼るとか縋ることにも似ていて、それは不安な気持ちを誰かに丸投げするような行為に思えたりもする。 でも、信じ続けることは違うのだ。 信じ続けることは真実すら変えてしまうほどの強さがある。 証明したもん勝ち。意味のない偶然なんてない。 あまりに鮮烈で力強い言葉に圧倒される。 わたしはいち読者でしかないので、意志強先生が本当に伝えたいところを100受け取れたかどうかはわからない。 それでも、100伝えようとしていること、そこに嘘や揶揄が一切ないことはわかる。 証明したもん勝ち。読んで信じ続ければきっと高次元に行けるはずです。
まず、非日常に取り込まれる。 超感覚知覚?高次元? 混乱している間に、はづきの切実さやアマゾン純子のカリスマ性にあてられる。引っ張られている。 気づいたら、非日常が日常になっている。 超感覚知覚も高次元もボタニカチョコの占いも、確かなものに思えてしまう。飲み込まれる。 次に、強者の理論に魅了される。 強者は強者で在らねばならない。失敗は許されない。嘘でもなんでも証明してしまえばこっちのもん。 信じるものは救われるという言葉があるけれど、たぶんこういうこと。 さらに、いちばん苦しいことは何か知る。 求められたいひとに求められない苦しさ。自分を信じて突き進んでいても、認められない、キスしてもらえない、ただそれだけがいちばん苦しい。 でもその苦しさが人間力を高めるのかも…? 読んで飲み込まれてみたらわかる。証明してしまえばこっちのもん。2020年5月6日までトーチwebで全話読めるのでぜひ読んで! 最新話はかなり衝撃的展開です!
わかってほしいなんて思ってないし、お前らとは違うし これくらいわかるでしょ、いやみんなわかってない、あなただけはわかってくれる。 通り過ぎてしまうと、みんな同じだよねって思ってしまう。通り道なんだよねって。 それでもこういうものを捨てきれず、忘れきれずにいるから、触れてしまう。 描かれる女の子はみんなかわいい。単純で痛くて尖っていて、めちゃくちゃかわいい。 女の子が憧れたり焦がれたりするひと達はみんな愚かで薄っぺらくて、こんなの全然つまんないよって傍観者であるわたしは思ってしまう。それでも女の子にとっては世界のすべてで、通り過ぎたあとに世界の入り口だったと気づくのだろう。 世界の入り口に入れなかったひともいるんだから、入れただけでも「すごい」し「やばい」んだよね。 やばいことは気持ちいいし、やばいやつって思われるのも気持ちいい。 最高に痛くてやばいことをして発狂したくなる夜がある方が、気持ちいいよ。 あいつなんて大したことなかったっていつか思うけど、今はそんなのどうだっていいんだよ。 自分だけが尊いんだから何やったっていいんだよ、全世界の少女達に読んでほしい。
こういうのから解放されるのっていつなんだろうか。 はやく狂ってしまいたくて、新しい世界を開いてしまいたくて、アブノーマルに傾倒していく気持ちは正直わかる。溺れることで自分の精度が高まっていくような気がするのだ。 でも振り切れてるひとなんて滅多にいない。乳首にピアスを開けて女装AVに出てそらに見られながらワカマツとセックスをしたところでユウキは振り切れていない。側から見たら狂っている部類のひとかもしれないけど、ユウキは結局そっち側に行けない人間だ。おそらくそらも。 だからこそユウキはそらに見たいものを押しつけ、そらはワカマツに見たいものを押しつけ、都合よく崇拝するみたいに恋をしたんだろう。 あの人のようになりたい、あの人に受け入れられたい。それが実際のあの人とは違うものだったとしても。 自分の見たいものだけを見て、恋い焦がれることは間違っているのだろうか? ずっと、狂って振り切れて突き抜けてしまえば楽になれるんじゃないかって思っていた。 私は、おそらく多くのひとは、ユウキのところにすら届かない。狂えないことに気がついて、溺れるのを諦めて、うまく泳ぐしかない。 狂おしい日々に若気の至りとか青春とか名前をつけて忘れる日を待っている。 でも、忘れる日なんてくるんだろうか? そんな日々のことを「僕は今からでも輝けるのだろうか?」なんて眩しく思っているうちはきっと忘れることなんてできないんだろうな。 狂えないまま大人にもなりきれないひとに読んでほしい。
魔術師Aのときから注目していたが、長編になるとこうなるのかと驚いた。2巻以降も期待。
つまんない女って言われたくないからオナニーしてみたり 頭の固さをほぐすために女性器をほぐすコリコリさんとか 性へのタブー感を一回外してみているような感じのストーリー 苦手な人は苦手そう ただ、好きな人はすごく好きだと思う トーチでも少し読める http://www.to-ti.in/product/?id=16
かなりスローペースな連載だけどストーリーはスピード感があっておもしろい。なんでゾンビにとかなんでマオはとか謎は明かされないけれど、ギャルたちの日常は猛スピードで変化していく。 ゾンビ禍でのサバイバルだけどギャルはギャルの矜持を失わずに生きている。だからこそ信念と信念がぶつかる。 それらをまとめていたのが圧倒的カリスマ・マオだったけど、ゾンビになってしまった。 マオと共に生きるもの、マオニを崇めるもの、愛を求めるもの……なんだかバベルの塔みたいだなあと思ってしまう。 宗教はいろんなところに溶けているんだなあと気づかされる。カリスマとか推しとかアイコンとか全部そうだ!! ゾンビ禍ではないけれど確かなもの当たり前のものが揺らぐ昨今だから、ギャルたちがどう生きるかは自分にとっての指針になっていくかもしれない。