19世紀末、ロンドンで起こった怪事件。弁護士のアタソンは、友人・ジキル博士の助手であるハイド氏が少女に暴力を振るう現場を目撃する。街を跋扈する凶悪犯の素顔とは?ジキルとハイドの関係を詮索するアタソンは不可解な謎に突き当たる……「あれは本当にハイド君だったのか?」二重人格の代名詞として名高い傑作小説を漫画化。
なぜ僕じゃなくて……彼なんだ!時は18世紀のドイツ。ウェルテルは自分が住む街から感傷旅行(センチメンタルジャーニー)に飛び出した。現実社会にうまく適応できず、青春が放つエネルギーを自己の内面にしか向けられない青年の苦悩の物語。ドイツが生んだ最大の詩人・ゲーテが、誰もが経験する若さゆえの激情を熱烈に歌いあげた不朽の青春小説を漫画化。
東京帝国大学を首席で卒業し、ひたすらエリートのレールを歩んできた官吏・太田豊太郎は、国費で留学したベルリンでエリスと出会う。豊太郎はエリスの純真に惹かれ、ふたりはやがて恋に落ちるが……。19世紀末、世界が現在よりもまだ遠かった明治時代、ドイツを舞台に描かれる国籍を越えた悲恋の物語を漫画化。
『聖書』に次ぐロングセラーにして、“近代小説”の元祖!騎士道物語の読み過ぎで、妄想に陥った農民のアロンソ・キハーダ老人は、自らを伝説の騎士と思い込み、痩せ馬のロシナンテと従者サンチョ・パンサを引きつれ、家族や友人の心配をよそに冒険の旅に出る……。自意識や人間の成長などそれまでになかった“個”の視点を物語に盛り込み、“はじめての近代小説”とも言われる17世紀の傑作を漫画化。
謎の大富豪が心の奥底に秘める、ある想いとは?高級住宅地で偶然過ごすことになったニックは、隣の屋敷で夜ごと豪勢なパーティーを主催する謎の男、ジェイ・ギャツビーに興味を示すが、パーティーの参列者すら彼の素性を正確に知る者はいない。ある日、パーティーに招かれたニックは、ギャツビーの希望と野望を知ることになり……アメリカ文学の代表的作品を漫画化。
『ユリシーズ』に読む価値がないなら、人生にも生きる価値がない――古代ギリシアの叙事詩『オデュッセイア』をたった1日の出来事に置き換え、2人の主人公ブルームとディーダラスの視点からダブリンの風景や人々の様子、人間の複雑な内面をも克明に描き出したジョイス。「たとえダブリンが滅んでも『ユリシーズ』があれば再現できる」とまで言われる20世紀を代表する傑作を漫画化。
ある朝、布地屋のセールスマン・グレーゴルが奇妙な悪夢から目を覚ますと、自分が大きな虫に変身していることに気づく。突如の異変に家族は困惑するが、グレーゴルが変身した謎を明かそうとする者は存在せず、奇妙な日常がただひたすら続いていく。100年以上経た現在でも色褪せない、不条理文学の傑作を漫画化。
日雇い農民が編み出した“精神勝利法”とは!?名前も定かではない日雇い農民の阿Qは“精神勝利法”という一種の癖を持っており、喧嘩で負けようが、笑い者にされようが、結果を自分の都合の良いように取り替え心の中で自分の勝利としていた……。1920年代の中国社会にはびこる問題を風刺的に描き、辛亥革命の失敗点を強く指摘したとされる『阿Q正伝』をはじめ『狂人日記』『藤野先生』など5編を漫画化。
世界が狂っているのかそれとも僕が狂っているのか1984年、世界は3つに分断され、オセアニア国はビッグ・ブラザーによる強固な管理体制が敷かれていた。その体制に疑問を抱くウィンストンは、政府に抵抗すべく日記をつけはじめる―。東西冷戦をモチーフに、人間と権力の危険な関係を暴露し、全体主義への警鐘を鳴らした20世紀ディストピア(反ユートピア)小説の傑作を漫画化!
「組織」のために必要な犠牲だったんだよ!――帝政末期、すべての価値が崩壊しさまざまな思想が氾濫するロシア。虚無と背徳のなかを生き、強烈なカリスマ性を放つニコライを崇拝するピョートルは、反政府組織を作り社会に混乱を招こうと企てるが、組織の印刷技師シャートフの離反をきっかけにおぞましい事件の幕が上がる――。現代の予言者ドストエフスキーが描いた黙示録を漫画化!
今や私は時空を超えた存在となったのだ!マドレーヌを口にした瞬間、少年時代の記憶が甦る奇妙な感覚。「私」の成長とともに描き出される、第一次世界大戦前後のフランス社交界の人間模様。それは「私」の失われた時を探し求める長い旅の始まりだった……。独自の時間解釈と記憶に対する見解を提示し、20世紀の文学・哲学概念を変革させた傑作大長編小説を漫画化!
貴族階級が支配する19世紀のフランス。愛を知らずに成長した、材木屋の息子ジュリアン・ソレル。かつての皇帝ナポレオンの立身出世に憧れる彼は、持ち前の頭脳と美貌で貴婦人を誘惑し、成功への切符を手に入れるが……。実在の殺人未遂事件を素材に、恋愛心理の分析と政治思想を盛り込んだ、フランス文学の代表作を漫画化。
悪徳官僚がはびこり正義も道徳も失われた中国北宋時代の末期。悪官高きゅう(にんべんに求)の罠にはまり無法者たちが集まる梁山泊へ向かった林冲(にすいに中)だが、そこで道義に生きる好漢たちと出会い、彼らとともに腐敗した国を救うべく悪と闘っていく。12世紀初頭に実在した反乱の記録を題材に、数世紀にわたる編纂を経て伝えられた中国四大奇書のひとつを漫画化。
150年続く「宗教vs科学」、その発端を描く!!19世紀、人々が神による天地創造を疑わなかった時代。世界を巡り、ガラパゴス諸島の生物たちの営みに触れた自然科学者・ダーウィンは、人類の世界観を覆すタブーに気づく……。「種は神によって創造されたものではない」。人々の批判を浴びながらも、生物学に革命を起こした名著を、ダーウィンの生涯とあわせて漫画化!!
貧貧しく孤独な日々を送る少年ジョバンニ。祭りの夜に一枚の切符を手にしたジョバンニは、親友・カンパネルラと宇宙を走る銀河鉄道に乗り、夢のような不思議な旅に出る。奇妙な乗客たちを乗せた汽車はどこへ向かうのか?「ほんとうの幸せ」とは?宮沢賢治の不朽の名作童話を漫画化。
戦争が終わって、私たちの本当の戦いがはじまった…。没落貴族のかず子は、滅びるものなら華麗に滅びたいと、道ならぬ恋に溺れていく。最後の貴婦人である母と、麻薬に溺れ破滅していく弟・直治、無頼な生活を送る小説家・上原。戦後の動乱の中を生きる四人の、滅びの美しさを描く太宰治の代表作を漫画化。
俺の未来のために……死んでくれッ!反乱軍との戦いに勝利したマクベスとバンクォーは、帰路の途中に出会った3人の魔女に謎めいた予言を告げられる。その予言によりマクベスの運命の歯車は狂い始め、彼に生まれた小さな野心は妻の後押しも加わり、やがては国中を巻き込む悲劇を生み出すことになる。シェイクスピア四大悲劇のひとつを漫画化。
俺の正義は必ず裁判で証明される。莫大な遺産を受け継いだ令嬢ポーシャに求婚するため、青年パサーニオは貿易商人のアントーニオに支度金の融資を請う。親友のためにとアントーニオはユダヤ人の高利貸し・シャイロックに借金を申し込むのだが、その担保がもとで事態は思わぬ方向へと展開してゆく……。シェイクスピアの作品中でもとくに人気の高い傑作戯曲を漫画化!
高齢の王・リアは、三人の娘に富と権力を分配し、引退する決意を固めるが、素直な末娘コーデリアの言葉を誤解し、勘当してしまう。怒り狂うリアは言葉巧みな二人の姉にすべての財産を譲り、コーデリアをかばう忠臣・ケントを追放……そして悲劇が始まる。シェイクスピア四大悲劇の中で、もっとも壮大にして重厚と評価される傑作戯曲を漫画化。
罪人は死ぬまで罪人なのだよ――19年間の投獄生活を経て出獄したジャン・バルジャンは、ミリエル司教の導きにより新しい人生を歩むことを決心する。だが数年後、名前を変えて市長となったバルジャンの元に、かつて牢獄で看守をしていたジャベールが警察署長として赴任してくる……。フランス最大の詩人にしてロマン派を代表する作家・ユゴーのベストセラーを漫画化。
死に至る病――それは絶望。絶望とは人間の精神のみが患う病である。時は19世紀のヨーロッパ。社会や個人への不安を抱え、自己疎外に陥った人々の魂の救済、精神の教化と覚醒のため、哲学者キェルケゴールの探求が始まる。21世紀、今も私たちをとらえて離さない『死に至る病』を、現代の視点から綴ったオリジナルストーリーと絡めて漫画化。
本当の人間らしさとは何か?美しさとは何か?武士道、天皇制、道徳など、古代からの為政者たちが制度化してきた「カラクリ」を暴き、人間の再生を説く…敗戦後の焼跡、闇市に象徴される混迷の日本に衝撃を与えたエッセイ「堕落論」。その小説版とも言える異色作品「白痴」。無頼派作家・坂口安吾の存在を世に知らしめた代表作2編を漫画化。
『武士道』と併せて読みたい仕事人のバイブル!職場の悩みを抱え、心労の耐えない日々を送っている佐賀藩の侍、田代陣基(たしろ・つらもと)。ある日、自分の悩みの解決方法を教えてくれるという人物がいると聞き、武人と仏道の心をもつ元鍋島藩の侍、山本常朝(やまもと・じょうちょう)がいる山里の庵を目指すが……。新渡戸稲造『武士道』とならび、現代にも通じる教訓の数々をまとめた歴史的指南書を漫画化!
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云えり」……人間の尊さを説き、明治初期の刊行後300万部以上の売れ行きを記録、現在も日本人を啓蒙し続ける大ベストセラー『学問のすすめ』。私たちは何を信じ、何を疑うべきか?自由とは何か?義務とは?独立自尊とは?原著者・福沢諭吉の人生と併せて漫画化。