俺も兄のようなヒーローになれるのか――。子供を助けた代わりに命を落とした兄を持つ真希央。常に優秀だった兄と比べられ、劣等感に苛まれながら無気力な人生を送る真希央の前に、ある日、女性の幽霊・千晴が現われる。真希央は千晴とともに困っている誰かを助けることによって兄へのコンプレックスを払拭していくが、千晴が真希央の元へやってきた本当の理由を知ることになり…!? 表題作『やがて星に届く日』ほか、富をもたらす子狐さまを強欲な人間から助け出し、最終的に愛を得る『花きつね妖談』、結婚に迷う女性が未来が見えるバスに乗り、本当に大切なものに気づく『星夜特急便』など、唐南賀彩生が描くロマンティック・ファンタジー第1弾。
死神に全財産を差しだす代わりに、自分の人生と理想の誰かの人生を交換できるとしたらーー? 運のいい後輩の人生と自身の報われない人生を交換し、地位もお金も手にした会社員…。死神と取り引きをして他人の人生を手に入れた彼らは、果たして幸せな人生を送れるのか…!? 人間の心の闇を描いたファンタジック・ミステリー、待望の電子コミックス化。(『死神の贈りもの』と『気まぐれな約束』は、女たちの事件簿Vol.21に収録されている同タイトルと同内容となります)
35歳、独身OLの千梨子。まったく出会いがないため、彼氏もできそうもなく、会社ではお局様に残業を押しつけられる日々。やさぐれていたある日、たまたま「幸運のメソッド」というタイトルの古本を購入した千梨子だが、その本には著者のユーレイが取り憑いていた。ユーレイは千梨子に婚活のアドバイスをしてくるが、果たして千梨子は幸せを掴めるの…!? 表題作「ユーレイ先生の婚活指導」ほか、「時つむぎ」「扉が呼んでいる」「もし世界が終わるなら」を収録した、ちょっと不思議なヒューマンミステリー!!
相手の微妙な目の動きや言葉の端々から情報を読み取る「コールド・リーディング」。この話術を巧みに操り、犯罪捜査に協力する一人の男がいた。彼の名は天羽譲(あもうゆずる)、通称テン。“3”という数字に執着したり、特定の髪の色の女性だけを狙ったりと、異常な犯罪者たちが引き起こす事件の数々。警察も解決できない難事件に、テンが天才的リーディングで挑んでいくサイコサスペンス!! (表題作ほか読切り作品『三途の番人』『幸運のフォーク』同時収録)
夫ダンテが伯爵であることは知っていたものの、ミランダは身分について深く考えたことはなかった。幸せな日々を送っていたある日、突然ダンテはミランダを売春婦呼ばわりしたあげくに息子を連れ姿を消してしまった。理由もわからず彼女が途方に暮れていると、またもダンテが突然連絡してきた。今すぐイタリアの自分の別荘に来いと言う。夫の仕打ちを問いただそうと別荘を訪れたミランダは、そこで夫の裕福さを見せつけられ、自分の非力さを思い知らされるばかりで…