消えてしまいたい……という恥ずかしさの表現、年を経ても未だにしてしまう。それが身体消失として出てしまう、というのは不思議な設定だが、膝を打つような妙な納得感がある。 告白して来る男子も自分も消滅してしまう美少女は、友人や同じ〈消えかけ〉少女達とアイドル部を結成する、というロマンシス物。 目指すは消滅男子の招魂復活! ……ハードルが高すぎる! 〈消えてしまいたい〉思いも色々描かれる。不安感が人一倍強くて、自分から不安の種を探してしまう後輩の姿は、自分事のように感じてしまった。 そしてなまじ容姿が良いばかりに、制御できない状況が降りかかる主人公のプレッシャーは強すぎる(モテる人って実際、こんな状況なのかもしれない)。ネガティブなときの表情や言動は時に酷いもの。しかしアイドルになると強力なポジティブオーラを放ち、ついときめいてしまう。 物語はまだまだ不穏。自分の体のほかに、消えてしまった男子達の命まで背負った主人公には、本当に男って勝手でごめんねと詫びながら声援を送りたい。
つばな先生の新連載!! 冒頭から人が消えまくるのにファンタジーでポップでめちゃくちゃ可愛いです。 失恋したら消えてしまう怪現象が大流行する世界。 学校中の男子に告白されてばかりの美少女・姫あやかは、自分のせいで人が消えることに悩んでいます。 事態を解決すべく姫あやかの友人・もみじと海が思いついた作戦が「あやかをアイドルにすること」なのです! どういうことなの?って感じですが読んでみると意外と納得できちゃいます。そして何よりあやかが可愛いです。 友達想いで行動力があって、でもアイドルが何かよくわかってないもみじと海もめちゃくちゃ可愛いです。 本格的なアイドルになるのか、SF要素が強くなるのか、学校でひたすらわちゃわちゃするのか……どんな展開になるのかわかりませんが、つばな先生だもん絶対面白いはず。これからが楽しみです!
みんながつばな先生を面白いと言っている理由を今更ながら理解した。絵柄がほわ〜んとして可愛いので今まで食わず嫌いしてしまっていたが、そんな自分を恥じたい…!「バベルの図書館」は紙に書かれた文字なら何でも読み取ることが出来てしまう不思議な超能力を持った男の子と、この世ではない世界に憧れていて自分の想像の天使を信仰している女の子の話で、スラスラ読めるのにどんどん内容がダークになっていって、最終的には意外な結末にたどり着くのが面白かった。SFが好きな人、短編が好きな人にはもちろんだけど、ストーリーテーリングに興味がある人にぜひ読んでもらいたいと思いました。
2巻まで読んで「不思議な世界観だな…」と思ったまま放置してしまっていたのですが、4巻で完結したと聞いて慌てて読みました。4巻の中盤からの怒涛の展開がすごいですね!ずっと「夢の中でしか会えない女の子の為にどうしてこんなに一生懸命になれるんだろう?」と思っていましたが、そういうことだったのか!!と納得がいきました。もう一度最初から読み直したいです。
旧版とちゃんと比較したわけじゃないけど、全体的に丁寧に描かれている印象だった。たぶん説明不足とこを補足したりしたのかな? 個人的には旧版のほうが不思議と好みだった。とはいえ物語自体の完成度の高さは変わらないし、描き下ろしエピソード追加、連載時のカラー収録と豪華。ので、未読の人はこれを機にぜひ読んでみてほしい!
『進撃の巨人』の超巨人や『ハカイジュウ』の怪生物など、漫画界は最近やたらクリ―チャ―流行り。人気になる理由のひとつになっています。けれど、そんな存在感ある怪物ではなくて、この作品に出てくる何をするわけでもない名もなき怪物のほうが、私は「おおっ」と思ってしまうから困ったもんだ。この作品、怪物目当てで読む人は少数派だとは思いますけど…。舞台は金やんと高木さんという漫才コンビのような女子高生が暮らす近未来。とはいっても私たちの住む世界とは微妙に違っている世界のよう。便利な道具もあれば、かなり強引な食べ物、一風変わった建造物など、まるで「不思議の国のアリス」の未来版といったふうです。で、なぜか時々この世界には怪物が現れるのですが、これが内容と相まって非常にツボにはまる。第2話に出てくる怪物なんかデザインの秀逸さといい、目的意識の希薄さといい素敵すぎます。本作の内容はゆるゆるのファンタジー。ハードなSFに疲れた人はちょいとつまんでみてはいかがですか。
女子二人が過酷な異世界を冒険する話。ほのぼのパートはあるが、想像以上にマッド。つばにゃん作品の随所に見られた異形的恐怖が全面に押し出されている。百合要素はちゃんとあるのでそこは安心できる。
間断なく続くかにみえる日常生活には実は無数の分節があって常に枝分かれの可能性を秘めている、そのことを知ってしまったがために、今ある現実をあり得たかもしれない(無数にある)もうひとつの現実以上に重くとることを止めてしまった女の子のお話です。このお話には日常生活が崩壊していく恐怖感と、日常生活に対する諦念とが同居しています(なぜって、そのときはたまたま選ばれなかったというだけの道が無数にあるというのに、いま歩いている道をどうして本当の道と言えるのでしょう)。でもそれだけではなく、このお話には恩寵のようなものがひっそりと、でも確かに息づいています。それは例えば、取るに足らないような微か音や感触であり、普段は目にもとめないような光と影であり、それらはとにかくどの道とも無関係にあるいはどの道とも関係をもって日常生活にひっそりと息づいているのです。人はそれを天使といったり神様といったりするのかもしれません。
「第七女子会彷徨」「ホブゴブリン」のつばなの漫画。おなじみのドタバタ感は健在で、ある日通学途中に落ちていた一万円札に釣られて(フィッシングされて)謎の天才の科学実験に付き合わされる羽目になる。ワープの実験だったんだがミスで体が分裂し、もう1人の自分が誕生してしまうという話。 どこか抜けているけど根が素直でいい子なことが幸いしてもう1人の自分と初めはうまくやるんだけど、好きな男を取り合ったりして徐々に亀裂が走ったり、本物と偽物のの区別とかでまた諍いみたいなものが生まれそうになったりして、ちょっとシリアスなところもあるが、本物と偽物が別々の仕方で相手のことを大切な存在だと確かめた結果、見事な大団円のフィナーレを迎える。 1巻完結で読みやすいし、ふんわりとしたSF要素が読んでいて楽しいし読後感も良かった。
基本的に高木さんと金やんのおバカな日常なんだけど、ベースの世界観がちょっとディストピアっぽいSFで、ついでに妖怪とか出てくるファンタジー要素もあってっていう、作者の「こうなったら面白くない?」っていうのが詰め込まれた感じがする 基本的におバカなのに、猛烈に切なくなる回とかがあって、結構好きな作品
消えてしまいたい……という恥ずかしさの表現、年を経ても未だにしてしまう。それが身体消失として出てしまう、というのは不思議な設定だが、膝を打つような妙な納得感がある。 告白して来る男子も自分も消滅してしまう美少女は、友人や同じ〈消えかけ〉少女達とアイドル部を結成する、というロマンシス物。 目指すは消滅男子の招魂復活! ……ハードルが高すぎる! 〈消えてしまいたい〉思いも色々描かれる。不安感が人一倍強くて、自分から不安の種を探してしまう後輩の姿は、自分事のように感じてしまった。 そしてなまじ容姿が良いばかりに、制御できない状況が降りかかる主人公のプレッシャーは強すぎる(モテる人って実際、こんな状況なのかもしれない)。ネガティブなときの表情や言動は時に酷いもの。しかしアイドルになると強力なポジティブオーラを放ち、ついときめいてしまう。 物語はまだまだ不穏。自分の体のほかに、消えてしまった男子達の命まで背負った主人公には、本当に男って勝手でごめんねと詫びながら声援を送りたい。