コミックDAYSの感想・レビュー1020件<<678910>>「架空戦記」でもあり「歴史」でもあるアルキメデスの大戦 三田紀房starstarstarstarstarmampuku極上の「負」のカタルシスだった。 日本が第二次大戦に突入しそして敗戦するまでを描いた戦記モノで、架空の天才軍人・櫂直(かいただし)が明晰な頭脳と冷静な分析によって開戦を、ひいては敗戦を回避すべく孤軍奮闘する話。 犠牲を払いながら手を尽くしても戦争へ突き進む軍部を止められず、事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途をたどっていく。巻数にして30巻を超える長い長い無力感と喪失感を味わいながら、物語終盤ミッドウェー海戦で惨敗、櫂は軍を離れ、そのまま終戦、東京裁判を経て完結へ。 勝利も復讐も俺TUEEEも、およそ快感と呼べるものを与えられないまま、ずっとしんどい思いをしながら読み続けることになるものの、読後感は不思議と悪くない。むしろ心地よいまである。なぜか。 「いわんこっちゃない!」と叫びたくなるような負の感情のカタルシスの連続、喪失感、破壊(と再生)、櫂の決意と忠誠、わずかな希望……。一言であらわすなら、「大人の味すぎる娯楽」って感じ。あっけらかんと、現実を突きつけられる。ひとりでしにたい カレー沢薫 ドネリー美咲starstarstarstarstar_borderゆゆゆ現実、将来、老後。 どの言葉がよりふさわしいんだろう。 あっけらかんと、つきつけられる。 持たざるものからしたら、主人公が珍獣のように見える理由はとてもよくわかる。 しかし、主人公は少しずつ、知らなかった生活環境を送る人たちの存在に気づいていき、変わっていく。 すべてのきっかけが孤独死というあたり、なんだか都会っぽい。 孤独死しないために婚活して結婚? 結婚したからといって、大丈夫と思うなよと言わんばかりに突きつけられる、親の介護、何もしない夫、子がなにかしてくれると思うなよの嵐。 気にしたら見えなかったものがどんどん見えてくる。 ただ、耳をふさぎたくなるような話題も、主人公の百面相のようにコロコロ変わる表情や、油断したら出てくる猫もしくは猫オマージュ、あと不思議な人・ナスダくんで大変読みやすい。 我々の将来は、一体どんなかんじになっているんだろう。 今日が明日も続いて、親が過ごしていたような老後を我々も?と思っていたけど、昨今の情勢を考えると、それはなさそうだなという気がしてきた。沙村広明っぽさ✕最近のスピード感✕ミステリー✕バトルな漫画カオスゲーム 山嵜大輝starstarstarstarstar_borderさいろく面白い。 スピード感と展開の強引さ(というか死)が読みやすさを後押ししていて、グイグイっと話が進んでいく。 3巻読了、まだ全貌が全然見えないしどんどん展開していくし矢継ぎ早な少年誌っぽいバトル、いいねいいねヲタクって恋できるんだなぁ...ヲタクに恋は難しい ふじたstarstarstarstarstar_border宮っしぃ隠してはいないんだけど実際自分も結構な雑食ヲタクなんで、分かる気持ちは結構ある... ゲーオタと雑食腐女子、コスプレイヤーとノーマルアニオタ、ゲーオタ大学生と一般大学生、色々なカップル同士が織りなすラブコメは楽しくも切ない要素もありつつ、でも最後は綺麗に着地して笑わせにもくる物語 最初から最後まで綺麗にスッキリした気持ちで読めるので、男女問わずに楽しめる良作ラブコメです あまりいないかもですが、未読ならオススメですよ初恋よりもロマンティックな恋は見つかるのか!?ふたりじめロマンチック 蟹沢ちひろ名無しファーストキス(幼稚園)が自分史上いちばんロマンティックな思い出のまま高校生になった主人公が、当時のキス相手と同姓同名の男子を見つけ運命を感じるも、似ても似つかない別人で、更にドライすぎる性格でがっかり。だったのに、彼のことがとにかく気になる。そして関われば関わるほど、実はいい人だとわかってきた!もしかしたら人生イチのロマンティックが更新されるかも?な可愛らしいラブストーリーでした。感情が生々しく表情から伝わる。ちーちゃん 押見修造 内藤瑛亮 「毒娘」製作委員会starstarstarstarstar_border江戸川さすが押見修造。その世界に入り込んだ感覚になる。前回の血の轍は、読んでいて正直辛かった。今回もそんな予感がするが、原作?が付いてるようで、新たな押見修造ワールドを見れそうだ。 ネタバレは避け、作者の思想について語りたい。 押見修造の世界は、バタイユの著書エロティシズムに通じる。死や破滅と性的興奮はリンクする。彼は一貫してそれを描いている。暗くて救いようのない話なのに、それが劣情を発動させる。ではなぜ、愛ではなく、死や破滅がそうさせるのか?そこをさらに深堀して物語として提示されたなら、名作になるに違いない。僕なりの答えはあるけれど。 兎にも角にも、本当に描きたいのは、苦悩や閉塞感ではない。性的興奮の正体だ。名言の勉強になるが・・・。サラリーマンZ 石田点 NUMBER8干し芋1巻読了。 昭和のサラリーマンを思わせる前山田が経営者たちの名言を織り交ぜながら危機を乗り越えていく漫画だが、ゾンビが出てきたり、社員がゾンビに変わっていく様子を観察したり、ゾンビがたくさんいる中食糧を調達しに行ったり、と盛りだくさんで、とても、忙しい漫画。 一瞬たりとも気を抜くと次の場面に進んで切る感じ。 読んでて、私は、ちょっと疲れる。ワンダンスワンダンス 珈琲starstarstarstarstar寸々初心者であるカボの修行シーンや元々よく音楽を聴くほうだからノれる幅が広いといった背景を省略して、ただひたすらダンスシーンを見せたいというのが伝わってくる。ただのスポ根ともまた違う感じ。 ダンスバトル編に入ってからはダンスシーンの迫力に磨きがかかり、音が可視化されるワンダさんのダンスやコブラを画面内に召喚してしまう恩ちゃんなどの「異能バトル」っぽいノリも面白い。 あと何よりビートの上では男女が対等になる点を描けてるのも大事。新食感の居酒屋群像コメディ #1巻応援慎みなさい篠宮くん! 桃聖純矢starstarstarstarstar_border兎来栄寿『恋は妄毒』の桃聖純矢さんの新刊が2冊同時発売しました。その異才ぶりは、同時発売の短編集『桃聖純矢短編集 ハニーサックル』を読んでいただければよくわかります。 純度100%の短編たちに比べると、連載作品のこちらはマイルドで楽しく間口の広い作品に仕上がっています。ただ、それでも主要キャラから滲み出る作家性は健在です。 この作品は、所沢のあるチェーン店居酒屋が舞台。かわいい娘を持つ店長と、その娘を露骨かつ執拗に狙っているチャラいけど仕事や気遣いはめちゃくちゃできてコミュ力おばけで人気者の篠宮くんとのせめぎ合いを描いたコメディとなっています。 気軽に「お義父さん」と読んでくるし、ことあるごとに娘の個人情報を聞き出そうとしてくるし、油断も隙もない篠宮くん。しかし、時折見せるのが娘ではなく店長自身への謎の気持ちの向け方。もしかしたら、本当に狙っているのは店長なのでは……? というミステリ的要素も含んでいるのがひとつポイントです。 篠宮くんと並んで存在感を放つのが、社員の酒井さん。常に周りに厳しく、店長にも当たりが強い……かと思いきや、2年前の妻の出産日に立ち会わせてもらった恩義を強く感じていて、内心では店長を崇拝している彼。しかし、それにも関わらずアクシデントも重なって店長にはうまく接せないし、篠宮くんはやたらとフランクに店長と絡んでてジェラシーを禁じえないしでかわいそうな酒井さんがまた癖になります。 「バッシング」「金種表」「グリスト」など、居酒屋バイトの解像度がとても高いのも特徴的です。居酒屋バイト経験者は「あるある!」という気持ちになるのではないでしょうか。学生同士の職場の大変だけど楽しいわちゃわちゃ感も描かれます。個性豊かな学生バイトたちとがんばって上手くコミュニケーションを取ろうとするも、なかなか上手く立ち行かない中年店長の悲哀もまた共感を呼ぶポイントでしょう。 徐々に店長の妻の美代子にも取り入り好感度を高めていく篠宮くんの本懐は果たしてどこにあるのか。それが果たせる日が来るのか。 笑いの裏に少しの恐怖がありますが、それでも楽しさが上回る作品です。若いイケメンにほだされて戸惑うおじさんが見たい方にお薦めです。弁護士れいな先生の百面相が素敵ギャル弁 ー歌舞伎町の幽霊ー ヨウイチ 高崎俊(弁護士法人原法律事務所)starstarstarstarstar_borderゆゆゆものすごくにこやかな表情から、通常モード、セリフと相まって自身の心の闇を見せる表情、少し昔のハードボイルド漫画のような男前っぷり。 れいな先生がとても良いキャラクター。 強そうなのに、「ご自身を一番大事にしてくださいね」という気持ちも分かる。 しかし、ものすごく短いタイトルであっても、作品の内容がちゃんと表現されていたのに、ちゃんと理解しきれなかったのは、昨今の長いタイトルに慣れきった弊害だろうか。 ギャルで弁当でなくギャルで弁護士だし、ギャルなのに弁護士っていうおふざけ系かと思いきやサスペンスだし、コミックス表紙は怖い話のような様相だし、実際(人間が一番怖い的な)アングラな怖い話だし。 なんだこの作品は。すごいぞ。 初連載でこんな勢い、すごいぞ。 第一話は常に無料公開とあったので、興味を持たれた方は第一話だけでもぜひご一読を。 こういうアングラな作品を描かれる方っていうのは、どういう取材や生活をされていて、ストーリーを思いつくんでしょう。知りたいような、知りたくないような。?????アカイリンゴ ムラタコウジstarstarstarstarstar_border山下真司ずっと何読んでるかわからない エッチなの見たい人はどうぞ圧倒の東アジアン・ファンタジー霽雪のニルヴァーナ 松下朋未starstarstarstarstarたか※ネタバレを含むクチコミです。くだらないが、そこにはある時間停止勇者 光永康則starstarstarstarstar_border山下真司男のロマンが! 現代から異世界(ゲームの世界?)に転移した主人公に与えられたギフトは時間停止。しかしイベントごとに制限時間があり、時を止めながそれをクリアしていく必要がある。 ことあるごとにパンツをめくり胸を揉む主人公はクズだろうか、はたまた勇者だろうか。正義感の強い少年×破滅願望スリル狂の女教師ディディアディクション♡♡♡ 馬かのこ天沢聖司※ネタバレを含むクチコミです。謎の青年・ハガの正体やいかにこの世界は不完全すぎる 左藤真通starstarstarstarstar_border山下真司※ネタバレを含むクチコミです。陰寄り女子高生の日常阿久津さんは推しに似ている 白川すみれstarstarstarstarstar_border山下真司推しキャラの殺し屋・ナナシそっくりな阿久津さんと地味女子・秋原さんのなんだかんだイチャイチャ日常系。普通の高校生活を覗き見てるような気分でほっこりするし懐かしくもある。新しい映画を知れるよR15+じゃダメですか? 岸谷轟 裏谷なぎstarstarstarstarstar_border山下真司エッチに見えるタイトルですが、残念行き止まりです。映画を見ましょう。 母親にあらゆる娯楽を禁止された主人公が映画大好きな男の子と映画を通して仲良くなっていくラブコメ要素ありの映画紹介漫画です。 僕もここで教えてもらった「呪詛」を見ました。バチくそに好きな作品天国大魔境 石黒正数starstarstarstarstar山下真司自然が豊富で設備が整った施設で過ごすトキオ、反対に荒廃した世界を歩くマルとキルコ。二つの視点で描かれる壮大で緻密なストーリーが魅力の作品。謎の化け物・ヒルコと戦いながら天国を目指す。 散りばめられた伏線を紐解きながら読むとまた一段と面白い。アニメ化してるのでそちらもどうぞ。忍者VS極道忍者と極道 近藤信輔starstarstarstarstar山下真司タイトル通り忍者軍団と極道軍団が現代で激突! 細かい説明なんて要らない。とにかく勢いが凄い。謎のセンスで駆け抜けるぜ!あと首がキングスマンくらい飛ぶから苦手な人は気をつけろ!めちゃくちゃ王道野球漫画イレギュラーズ 松本直記starstarstarstarstar_border山下真司もうほんとはちゃめちゃに王道野球漫画。ヤンキーが最初暴れてて、でも少しずつ野球にハマり出して、皆んなで一緒に頑張るぜ!的な 推しキャラは錦くん。ヤンキーのボスなのにツンデレ。めっちゃ可愛い。これでデビュー出来るの?山田君のざわめく時間 中丸雄一名無し周りがもっと正直に感想を伝えるほうが本人の為です。雑誌に掲載される漫画でここまで何も感じない漫画は、初めてでした。スローライフラブコメ追放魔術師のその後 新天地で始めるスローライフ 兎塚エイジ 天音ナツシロ 砂糖多労starstarstarstar_borderstar_border宮っしぃ魔法使いの主人公は国で魔物狩りをする貴族として取り上げられるが、アホな王様が主人公を追放、その後彷徨った先の村で定住することになって、村人は女の子ばっかりの中、男で1人で村人と仲良くなっていって〜というお話 内容的にはスローライフしつつ、冒険要素もちょっとありつつも、男女キャラ同士掛け合いを楽しむラブコメって感じ 盛り上がる要素はちょっと少ないが、全体的にバランス良く楽しめました あと何よりも女キャラの絵が上手い...!ぶっちゃけ表紙のカラーはうーん...って最初思ったが、むしろ中のモノクロの方が上手く感じる、そういう意味ではちょっとレアなコミックだったとにかく勢いで笑わせにくる何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 井出圭亮 藤本ケンシstarstarstarstarstar山下真司織田信長が本能寺で殺されるのを回避するために何度もループする歴史改変しまくりストーリー。 とにかく信長がクズ野郎でめっちゃ笑う。部下に嫌われすぎててどんだけ頑張っても謀反起こされる。果たして信長は歴史を変えられるのか!?が見どころ。パロディも多くてネタが豊富。ウマ娘のやつとかめっちゃ笑った。絵が古いとか女子柔道に興味ないとか思ってるあなた!JJM 女子柔道部物語 小林まこと 恵本裕子starstarstarstarstar_border山下真司そんなあなたにぜひ読んでほしい。 スポーツ漫画としての熱さとクスッと笑ってしまう等身大の高校生たちのコミカルさを併せ持つ作品。特にキャラの表情の描き方が抜群に上手い。<<678910>>
極上の「負」のカタルシスだった。 日本が第二次大戦に突入しそして敗戦するまでを描いた戦記モノで、架空の天才軍人・櫂直(かいただし)が明晰な頭脳と冷静な分析によって開戦を、ひいては敗戦を回避すべく孤軍奮闘する話。 犠牲を払いながら手を尽くしても戦争へ突き進む軍部を止められず、事態は坂を転がり落ちるように悪化の一途をたどっていく。巻数にして30巻を超える長い長い無力感と喪失感を味わいながら、物語終盤ミッドウェー海戦で惨敗、櫂は軍を離れ、そのまま終戦、東京裁判を経て完結へ。 勝利も復讐も俺TUEEEも、およそ快感と呼べるものを与えられないまま、ずっとしんどい思いをしながら読み続けることになるものの、読後感は不思議と悪くない。むしろ心地よいまである。なぜか。 「いわんこっちゃない!」と叫びたくなるような負の感情のカタルシスの連続、喪失感、破壊(と再生)、櫂の決意と忠誠、わずかな希望……。一言であらわすなら、「大人の味すぎる娯楽」って感じ。