Colori Colore Creare
天野こずえ待望の新シリーズ
Colori Colore Creare
六文銭
六文銭
子供の頃、チャリで40キロ先の大型書店まで短編集を買いに行ったほどの天野こずえファンなんです。 その思い出補正が強すぎて、面白いと面白くないとか判断できないマンなので、その点ご容赦ください。 相変わらずの、この作家にしか出せない唯一無二な、ほのぼのファンタジー。まだ設定などは少なく、雰囲気を味わう程度の内容。 たぶん初見の人とか、今の人が読むと、テンポ悪く感じるし、独特のセリフまわしや、絵で理解しろといわんばかりの読者おいてけぼりの展開や、謎な世界観の嵐は、正直、読んでて疲れると思う。 でもやっぱりこういう絵(添付画像)を見開きでどーんと見せられるとワクワクするし、これから広がる物語に期待しかない。 そして、ワクワクしないなら、やっぱり合わないと思う 何より前作『ARIA』の世界観がつながっているのかと思うと、ファンとしては歓喜しかない。 トレンドというか、マーティングというか、打算というか、そういうのが見え隠れするよりも、 これを描きたいから描いてんだ! という熱量高く、むしろ振り回されるくらいな作品が好きなんだとつくづく思うし、天野こずえはそういう作家なんだと思った。
侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~
しっかり練られた無双ハーレム
侯爵嫡男好色物語 ~異世界ハーレム英雄戦記~
えっちな名無し
基本的には典型的な異世界転生の無双ハーレム物なのだが、とにかく主人公の無双とハーレムを満喫されるために世界観が構築されていて凄い。 圧倒的な格差社会で上流階級に転生出来た主人公、この世界における貴族=戦場兵器であり無双しまくり、現代知識チートが応用できる程度の文明で内政も満喫、そして貴族の血を求め平民は抱き放題という、色々と問題な物語である。 しかし元々の原作が小説家になろうではなくノクターンノベルズ、つまり18禁=低年齢層を始めから切り捨てているからこそ、問題の無いストーリーだったのを、一切遠慮することなく漫画化しているので、面白いけど正直ちょっとビビる。 上流階級とはいえ王族ではなく貴族であり、嫡男であり当主ではないというのも疎かにせずしっかり描かれているので、エロがメインでありながらむしろ「大人向けのハイファンタジー作品」という様相で、単純な無双ものとも言い難い独特な雰囲気がある。 戦記物としても基本的に主人公というか、貴族が強すぎるので戦闘自体はあっさり終わる事も多いのだが、面白いのはこういう世界での和平交渉等も中々説得力ある形で描いていて、無双物でありながら物語そのものは脳筋的な構造になっていない。 ここは無双物が好きな読者だと、蛇足的で余計な要素と捉える人も多そうだが、自分はむしろ世界観が深まり物語の魅力に繋がっていると思う。 そして大事な大事なハーレム部分だが、ココもハーレムエッチではなく1対1のエッチが多く、愛人は多数いても一人一人夜伽で呼び出すような形が多い。 1巻の内容とハーレムと入ったタイトルで読む読者には物足りないかもしれないが、画力は高いしけっこうしっかり描かれてて十分エロい。 全体的には「主人公をいかに活躍させるか」を突き詰めているのだが、その割には底の浅い物になっておらず、主人公に感情移入する分にはかなり楽しめるが、一般市民側に感情移入すると何ともド外道感漂う物語になるので、そこには注意。