everybody`s sin
ウチヤマ先生は現実を咀嚼して作品を描くことが巧みで魅力的な方なのですが、この作品は「罪」を描くことに成功した作品だと感じました。 タイトルから連想する聖書のイメージは、人間の抱えた原罪、弱さや醜さを描くとともに、作者のテクニカルな巧みさを残します。 読者のミスリードを誘う手法、あっと驚くラストの仕掛け。読み手の持つ先入観や常識を逆手にとるその作劇は、作者の知性と観察力の深さを感じます。ラストシーンでの会話、爽やかな苦さは人生に確かな何かを与えてくれます。 #マンバ読書会