魚と水

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魚と水の感想 #推しを3行で推すにコメントする
魚と水
コロナ禍下で育まれる想いと掴まれる胃袋 #1巻応援
魚と水 田亀源五郎
兎来栄寿
兎来栄寿
田亀源五郎さんの新作は、男性同士の友達以上恋人未満の関係性とグルメマンガとしてのふたつの軸を楽しめる一粒で二度美味しい作品です。 読切で描かれたお話が連載化された作品ですが、それもそのはずでメインキャラクターのふたり、アキラとコージの息衝きが非常にヴィヴィッドです。あとがきで田亀さん自身が「お、こいつらよく動くぞ」と語っていますが、本作はこのふたりの掛け合いだけでも十二分に成立しています。1巻完結ではありますが、何ならこの後もずっと追っていたいほどの良き存在感があります。 アキラは営業職で、食べる方の専門。 コージは在宅のフリーランスで、世界各国のさまざまな料理に精通している料理上手。 気心の知れた友人同士であるふたりですが、コージの卓越した調理技術によってアキラは次第に胃袋を掴まれていきます。恋愛において、料理ができるというのは本当に強いアドバンテージだなと思います。側から見ている私ですら、コージの作る料理はとても美味しそうで食べてみたくなります。逆に、アキラが美味しそうに食べてくれるのがとても喜ばしいコージの気持ちも伝わってきます。 中には、コージがアキラの手料理を食べてみたいと簡単なレシピを教えて作らせるお話も。「シンガポールチキンライス」はお手軽で美味しそうなので、その内作ってみたいです。 個人的には、初めてギリシャに行った時に食べてとても美味しく思い出に残っているものの日本ではなかなか食べられない「ムサカ 」が、作中にガッツリと登場して嬉しかったです。自分ではあの味を上手く再現できないのですが、ギリシャ名産のミソスビールと併せてまた味わいたいものです。 食というのはひとつの生活の中心なので、その時間を笑顔で幸せに過ごせる相手というのは理想だと思います。美味しい料理を作ったのにアキラが目の前におらず思わず食べたときの反応を想い描くコージや、逆に持っていく食材があればコージの所へ行けるのにと考えるアキラの通じ具合が良いです。日々の逢瀬に始まり映像作品を一緒に観たり、デートをしたり、男性同士が心を通わせ合って行く作品として細かいシーンの積み重ねで想いが募り行く構成が堪りません。 単行本ではふたりの出逢いのエピソードが描き下ろされていますが、お互いがお互いのどんなところに興味を持ち、そして惹かれて行ったのかが解る内容で非常に良かったです。連載を楽しんで追っていた方は必読でしょう(加えて、裏表紙もかわいいです)。 なお、本作は意識的にコロナ禍下の日常であることが強調されて描かれています。ウクライナ情勢に言及するシーンもあり、そうした中でのふたりの関係性を描いており正に「今」を切り取った作品でもあります。それ故に、ふたりの存在感のリアルさもまた重みを増しています。根幹にあるものは変わらなくても、時代の変化にしっかりとアジャストしていく田亀源五郎さんの物語作りの真摯さを感じるところです。 一冊で一旦の完結を見ていますが、最初にも述べた通りこの続きにあるであろうふたりの平和で尊い日常をまだまだ追って見ていたくなる、そんな作品です。
ただいま、おかえり
オメガバースの育児BL
ただいま、おかえり
るる
るる
アニメを見て大人買い。 既に見た内容で分かりやすかった。 オメガバースの設定が実は嫌いなので手を付けずにいたけど、その設定を詳しく掘り下げた内容ではなかったから環境差別ありの育児BLみたいで受け入れられた。 (でもこの作品以外はやっぱり無理) かがやくひ 弘と真生の親族関係。 弘の両親は差別意識がないとは言えないかもしれないけど、真生のことは認め過去も謝るほどの関係に。 真生の従兄弟は自覚なしで真生のことほんのり好きだったのかな。 またあした 松尾家の双子が初登場。 父子家庭の新しいご近所さん、望月家も初登場。 望月さんは逆差別意識があったけど、似た思いをしてきた真生が今度はそこをサポートできるまでに成長していた。 そして祐樹が松尾さんを意識し出した。 ひとやすみ 松尾さんと祐樹がとうとう! うん、お似合い! はれのひ 輝とみちの初めての喧嘩の原因はどんぐり。 微笑ましいーーー! せっかく両思いになったのに「運命の番」について悩む祐樹。 長いこと弘と真生を見てきた松尾さんは器デカくて優しい。 後半は弘と真生が結婚する頃のゴタゴタについて。 とても感動的で続きが楽しみ。
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