ガサツな線の集積が逆に功を奏している
例えば、小畑健の様な卓越した絵柄で同じ面白さが獲得できただろうか?もしくは、高橋留美子の様な可愛いらしい絵柄だとどうか?また、萩尾望都の様な豪華絢爛な美しい絵では?はたまた、諫山創の様なバトル漫画でしか機能しないタイプの粗さでは?この作者は確かにまだ、技術は拙いが、どこか主人公の青臭さ満載の行動や表象と、筆者のガサツな青臭さ、技術不足が妙にマッチしていて、(たかだか漫画の絵)にも関わらず、ここまで重苦しい痛みが、紙面を越えて我々の肉体に突き刺さる。内容が重いから苦手などという愚かな感想は置いといて、ここまで重苦しさを線の集積で伝えられるのはしっかりと評価しなければならないのではないだろうか?
コミックブリッジのコンセプトすごく素敵ですよね!!これまでなんとなく女性向けは暗黙の了解で『恋愛もの』の枠があったのをぐっと広げたというか。この作品はそのコンセプトをしっかり実現したなと感じて心が熱くなります!感覚を共有できたようでとても嬉しいです〜ありがとうございます!!