ムチャチョ―ある少年の革命―の感想 #推しを3行で推す
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ ニカラグアというよく知られていない国での革命、同性愛、ガブリエルの 成長といった様々なテーマを高レベルでまとめられていると思った。 ・特に好きなところは? ガブリエルの成長と彼の心情に合わせて色彩が変わっていくところ。 エマニュエル・ルパージュは絵の上手さだけでなく色彩の使い方にも 長けているなと感心した。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! ストーリーもそれほど難しくないのでバンドデシネ入門として 読む価値は充分にある。同作者の「チェルノブイリの春」もおススメ。
舞台は1970年代のニカラグア。宗教画を描く修道士ガブリエルはゲリラに同行し、彼らとともにジャングルを行軍することになります。「ムチャチョ」とは「坊や」の意味。ゲリラとともに行動する中で愛や政治、芸術などさまざまな面でガブリエルが「ムチャチョ」から大人の男になっていくことが描かれます。
ストーリーは歴史的な理解が必要なことも多く難解な部分もありますが、水彩で印象的に描かれたニカラグアのジャングルの草木や土の色と光に満ちた画面を見るだけでも十分楽しめます。少し邪道かもしれませんが作者のインタビューを収録したあとがきを読んでから読むと話に入りやすいかもしれません。