タイトルからするに、何かしらの理由で死んだ芸能人とそのファンの話かと思ったら、幼馴染かつ親友同士の話でした。ただふたりの関係性がとても特殊で、ひとりは超人気女優・ハルコ。もうひとりはなんの取り柄もない暗い女・ユキ。そのユキの唯一の生きがいが親友ハルコの存在なんだけど、ユキはハルコのことを崇拝し神と崇めて接している。
ある時ユキは、ハルコのそばに自分がいるとハルコの格が下がると考えて離れる決意をする。その直後にハルコは自宅で首を吊って死亡。

ハルコはユキに対して親友以上の感情を持っているようにも取れる描写もあり、その時点で自殺は明らかにユキが原因では?と考えたんだけど、ネット上でハルコと密接な関係だと噂されているプロデューサーの男が出てきて、その男が連れていた赤ん坊がもしかするとハルコの子供かも、というびっくりな展開。それを知ったユキはショックを受け(たからか不明)気付いたときには学生時代にタイムスリップしているというところまでが1話でした。

最初に想像していたよりもめちゃくちゃハードな話です。自殺の原因は一体何なのか?もしくは自殺ではないのか?あの赤ん坊は一体誰の子なのか?

推しが死んだのでタイムリープして生存ルート確保します!
歪んだ、女性同士の”感情” #1巻応援
推しが死んだのでタイムリープして生存ルート確保します! 鈴木二三江
兎来栄寿
兎来栄寿
「ドラえも~ん! 感情の矢印が巨大オブ巨大な幼馴染の女の子同士の関係性を描いていて、かつそこそこ闇を感じるマンガが読みたいよ~」 「しょうがないなあ、のび太くんは……そんなときにはこれ。『推しが死んだのでタイムリープして生存ルート確保します!』!(SE)」 「どんな内容なの?」 「主役のふたりは幼馴染の親友同士。片方は生きるのに向いておらず、自分を『劣等種』と自認しているユキちゃん。そんな彼女の人生を唯一照らす光が、マルチ俳優で五輪の開会式に出るほどの大スター・ハルコちゃん。ユキちゃんのハルコちゃんに対する感情は大好きすら超えて、唯一神として”信仰”や”崇拝”の域に達しているんだ。ハルコちゃんの方は、そんなユキちゃんの想いを受けながらよく家に遊びに来てユキちゃんのために料理も作ってくれる」 「推しがそんな神対応してくれたら死んじゃう! でも、タイトルからすると推しの方が死んじゃうんだよね」 「そう。ハルコちゃんは謎の死を遂げてしまう。自分のすべてである唯一神を喪失してしまったユキちゃんは茫然自失。でも、ハルコちゃんを殺したと思しき”不純物”に行き当たるんだ。すると、ある瞬間突然に6年前の学生時代にタイムリープしちゃってもう大変」 「ぼくたちみたいな急展開だ」 「ユキちゃんがなぜタイムリープしてしまったのかはわからないけど、とにかく過去に戻って生きているハルコちゃんに再会したユキちゃんは決意するんだ。今度は地獄までだってハルコちゃんに着いていき、クソ未来をぶち壊すと」 「いいぞいいぞ~!」 「過去に戻って未来を変えるのは本当は良くないけど、幼馴染百合だったらタイムパトロールも許してくれるはずさ。ともかくハルコちゃんと常に一緒にいるために、ユキちゃんはハルコちゃんが入っている劇団に入ろうとするんだ。だけど、基本的に社会不適合者で運動も勉強もコミュニケーションも苦手なハルコちゃんが演技なんてできるわけもない。それでもユキちゃんのために強引に試練を突破していくんだけど、その様子も見どころだよ」 「ユキちゃんからハルコちゃんへの感情はわかったけど、ハルコちゃんからのユキちゃんへの感情はどうなのさ。」 「うふふふふふ。そこは読んでみてのお楽しみだよ」 「うわーん、てんとう虫コミックス26巻『空気中継衛星』で途中から突然絵のタッチが変わったときくらい気になるよう!」 「それは当時のチーフアシスタントたかや健二先生が代筆したからだね。絵のタッチといえば、この作品も作者の鈴木二三江先生の絵がとても魅力的なんだ。かわいさと危うさが同居してて、喜怒哀楽の表情もそれぞれすごくいい。多分初連載だと思うし初々しい荒さはあるけど、これから更にどんどん上手くなっていくと思う。表紙の絵もかわいいけど表紙とタイトルだけ見たらコメディチックな内容なのかな? と思っちゃう人も多い気がする。サスペンス性も強いし、のび太くんみたいに闇のあるお話が好きな人にも届いてほしいなぁ」 「ありがとう、読んでみるね!」 (15分後) 「ドラえも~ん! カバー下のおまけもいいし、何より続き! 続きが気になるよぉ!」 「そう言うと思った。コミックスの続きは『マガジンエッジ』2023年1月号、2月号で読めるよ」 「わ~い! じゃあさっそく……」 「その前に、宿題はやったのかい?」 「ええー!?」 「世の中はなにかほしいと思ったらそのためにそれなりの努力をしないといけない」 「ドラえも~~~ん!!」
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