兎来栄寿1年以上前編集『嘘解きレトリック』の都戸利津さんによる、通算20冊目となるコミックスということでおめでとうございます! もう都戸さんの作品であれば絶対に面白いことに疑いはなく、全幅の信頼に本作でも応えて頂いています。 特筆すべきは、花ゆめAiというレーベルの作品ですが、少なくとも1巻部分では恋愛要素からは完全に解き放たれて完全に家族愛にフィーチャーした物語となっているところです。 少女マンガであればおおよそ恋愛要素はmust、少なくともあるのがbetterという暗黙の了解がありそうですし、実際同じ花とゆめAiという雑誌でも雑誌名に違わず「恋」や「婚」といった文字が使われている作品も多いのですが、『ホームドラマしか知らない』はそうした縛りから解き放たれた感じがあります。 子供っぽくて生活力皆無な義兄と、家庭環境のせいでしっかりし過ぎている義弟。不器用な二人が織りなすドラマがとにかく心に沁み渡ります。 誰にも必要とされたことのない義弟の視点が主軸となりその心情がたっぷりと語られるのですが、苛立ちも喜びも落ち込みも、まるで自分が体験しているかのように共感してしまいます。 どういう落とし所になるか解りませんが、この義兄弟には幸せでいて欲しいと願うばかり。 やっぱり都戸さんのマンガ、好きだなぁ……。5わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじ“今すぐ消えてしまいたい”――小6の夏休み、父親から家を出るように言われた怜央は、再婚した母を頼り義理の兄と初めて対面することになる。彼の前に現れたのは、変人美大生・透介。自由奔放な透介に振り回されつつもスタートした毎日の中で、怜央は…?不器用な二人が紡ぐ、やさしいファミリーライフ。(このコミックスには花ゆめAi Vol.17,18,19,20,21に掲載されたstory01-05を収録しております。)続きを読む
『嘘解きレトリック』の都戸利津さんによる、通算20冊目となるコミックスということでおめでとうございます!
もう都戸さんの作品であれば絶対に面白いことに疑いはなく、全幅の信頼に本作でも応えて頂いています。
特筆すべきは、花ゆめAiというレーベルの作品ですが、少なくとも1巻部分では恋愛要素からは完全に解き放たれて完全に家族愛にフィーチャーした物語となっているところです。
少女マンガであればおおよそ恋愛要素はmust、少なくともあるのがbetterという暗黙の了解がありそうですし、実際同じ花とゆめAiという雑誌でも雑誌名に違わず「恋」や「婚」といった文字が使われている作品も多いのですが、『ホームドラマしか知らない』はそうした縛りから解き放たれた感じがあります。
子供っぽくて生活力皆無な義兄と、家庭環境のせいでしっかりし過ぎている義弟。不器用な二人が織りなすドラマがとにかく心に沁み渡ります。
誰にも必要とされたことのない義弟の視点が主軸となりその心情がたっぷりと語られるのですが、苛立ちも喜びも落ち込みも、まるで自分が体験しているかのように共感してしまいます。
どういう落とし所になるか解りませんが、この義兄弟には幸せでいて欲しいと願うばかり。
やっぱり都戸さんのマンガ、好きだなぁ……。