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きらい! きらいきらい! なにもかもきらい! なにもかも雨と一緒に消えてしまえばよい! そう思いながら雨の中を歩く1人の少女・美沙都。お父さんとお母さんの仲が良くないから、帰ったって独りぼっちだと思っていた矢先、信号のところで、うずくまっている少年を発見する。思わず声をかけた美沙都であったが、少年は捨て猫を見ていたのだった。とりあえず家につれて帰る美沙都。少年の名前はたけるといった。少年の将来の夢は獣医だという。そして他の人の夢なら叶えてあげられるんだけど、僕の夢だけはどうしようもないんだと、寂しそうに語るたける。その理由とは? 《P》シリーズでおなじみ、北原文野先生がお贈りする、ふんわり不思議で、心温まる短編集。
表紙が繊細で可愛かったので読んでみました。獣医になりたかった少年の幽霊、記憶を失い性格まで変わってしまった女子大生、死んだ少女にそっくりな転校生、超能力者の娘、自分だけが消えた人間を覚えている女子高生、もう1人の自分に乗っ取られる少年の六つの短編。
一番面白かったのは四つ目の「昨日いたベン」。
世界が変わってしまってます自分だけがその人を覚えてるって、ベタな設定なんだけどメチャクチャ好き。突然現れて消えたベンのカヲルくん感がすごく良かった。