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名無し

青春ど真ん中の若者達が、若者なりの
希望や不安をそれぞれに抱きながら走る。
自分が何を希望し何に不安なのかにさえ戸惑いながら。

高校陸上でトップランナーだった蔵原走は
3年の夏に陸上部内で問題を起こし、
陸上部全体を半年間の大会出場停止に
追い込んでしまった。
これからは一人で走る。
そう決めていた走だが、
上京して寛政大学に入り清瀬灰二と出会い、
万引きを見逃してもらったり住処を面倒みてもらうかわりに
「一緒に箱根駅伝を目指そう」
と誘われることになる。
マトモな部活動には自分はむいていない、
と考えていた走は拒否するが、
そもそも寛政大学陸上部はマトモではなかった。
走と灰二以外の8人はほぼ陸上ド素人。
だが灰二は
「この10人で次の箱根駅伝に出場する」と、
あっけにとられる(走も含めた)9人に宣言したのだった。
自分を、灰二を、仲間を、
そして箱根駅伝出場を信じていいのだろうか?
寛政大学陸上部竹青荘の10人の住人は
それそれ戸惑いながら箱根に向けて走り出した。

青春ど真ん中の若者達が、若者なりの
希望や不安をそれぞれに抱きながら走る。
自分が何を希望...
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スポーツ漫画には、ド素人が本人の意思に反して
スポーツをやるはめになったりとか、
主人公がチームを結成するために
ド素人であろうとも構わずに仲間を集める、
というストーリーのものも結構な数あったりする。
それはそれで面白くもアルが、
そう思いつつも、
「その競技がキライならやるなよ・やらせるなよ」
という思いを、自分は常に感じてもいた。
とくに、そのスポーツがキライなのに
好きなふりしてやっているキャラには、
見て嫌悪感すら感じることもあった。

風が強く吹いている、はそのへんに関して、
かなり上手く(自分の好みな感じに)扱っていると感じた。

主人公の蔵原走自身は、何があっても
走るのをやめられない人間だ。
一方、他のメンバーは灰二を除けばほぼド素人。
灰二の知略に絡めとられて箱根駅伝を目指すことになる。
半ば強制的ではあったし、なので基本的に駅伝に関して
「好きだから走りたい」という気持ちは希薄。
素人ゆえその競技の苦しさをしらないからこそ、
なめて安請け合いをしたな、という感じもあった。
だが「実は駅伝が好きでした」とか軽薄なことを
言われるよりはよほど良い。
そして徐々に強度を上げていく練習について行きながら
(強度を上げるのは灰二(笑))
箱根駅伝を目指すことの厳しさを正しく認識し、
それでいて各自がそれぞれ自分で箱根を目指す意味を
見出していく展開がとても良く感じられた。
そして各自が見出した「意味」が、
本番で各自がそれぞれの区間を走っているときに
走りから醸し出されていて、とても良かった。

勿論、10ヶ月程度でド素人集団が箱根駅伝に
出場を目指すのには無理があるし、
やはり漫画だから許される都合のいい面も
作中にはいくつかあるようにも思う。
だが少なくとも、箱根駅伝を舐めず侮らず、
敬意を持った上で漫画にリアリティを出そうとして、
色々と試みられた作品のように感じた。
そしてその試みがかなり結実した漫画だと思った。

原作が三浦しおん先生の小説。
その後、漫画化映画化。
小説の出版が2006年。
漫画化が2007年。
映画化が2009年。
そして2018年にアニメ化。

映画は松坂桃李(走)さんと小出恵介(灰二)さんのW主演。
正直、映画はヒットしたとは言いがたいし、
イケメン俳優揃えりゃヒットするだろ、くらいに
考えて企画したのかな、と思ってしまう部分もあります。
小出さんが事件をおこしたこともあり
不遇な扱い?を受けていますが
それなりに味があります。
是非、小説も漫画も映画も御鑑賞のほどを(笑)。

ただ、映画での竹青荘の大家で陸上部監督の役は
津川雅彦氏ではなく、高田純次氏にやってほしかった(笑)。

走る姿ってのはそれだけで絵になる。
だがそれにプラスアルファの思いを
加えて更にイイ絵にするのは結構難しいと思う。
まして名作小説が原作であれば
その世界を超える絵を見せるのは容易ではない。
けれども漫画「風が強く吹いている」は
凄くイイ絵を魅せてくれていると思う。

走る姿ってのはそれだけで絵になる。
だがそれにプラスアルファの思いを
加えて更にイイ絵にす...

作画の海野そら太先生って
色々と上手いと思います。
駅伝に参加する10人とか、
下手な漫画ならイケメン10人を並べそうだけれど、
風強では個性的に10人を書き分けていらっしゃる。
主人公の走もイケメンともいいがたいが
味のある表情を見せてくれる。
逆に、イケメン揃えりゃ受けるでしょ、感が
すごくしているのが映画版なんですよねえ・・。
ただ映画はランニングフォームを徹底的に演技指導を
したみたいで、こまかいところで
ランナーっぽい走りが垣間見えて、
そういうのは凄いな、と思いました。
走とキングが灰二を見舞った病院で
廊下を小走りに走るシーンとか(笑)。
ああいうのは映画(実写)でしか見せられない
部分かと思います。
が、一方で海野先生は漫画で
様々な漫画的表現で色々な走る姿を
とても上手く魅せてくれていると思います。
走のラストの走りとか、
見た人によって好き嫌いは分かれそうだけれども、
私は、こんな描き方もあるのか、と見惚れました。

作画の海野そら太先生って
色々と上手いと思います。
駅伝に参加する10人とか、
下手な漫...

アニメも見終えて、これで
小説、漫画、実写映画、アニメと全部見た。
それら全て面白かった。
それぞれ基本ストーリーは同じなのだが、
各登場人物のキャラや話の細部がそれぞれ違っていて
それがまた面白かった。
映画やアニメに比べると漫画は
「動かない」「BGMが無い」という分だけ
つまらなくなりそうだが、意外なことに
走るシーンに関しては自分は漫画のほうが
いい絵に見えた。
また、アニメはときどき原作小説に無いエピソードもあり、
それらがいい感じで面白かった。

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