マコちゃん、さ
マコちゃんはすごいよ! #完結応援
マコちゃん、さ たまいずみ
nyae
nyae
2巻が出たときにこの漫画の存在を知って読んでみた。連載じたいはかなり前に終わってたのに2巻だけ出てなかったみたいですね。 いわゆる「こじらせ女子」的な子が主人公の話と言ってしまっていいと思うんですけど、その一言では片付けられない奥深さがあります。基本的にいつも自分がやることなすこと上手くいかなくて自己肯定感が低いマコちゃん。その心の穴をいつも男で埋めようとするのは全く共感できないですけど、この漫画の面白さは共感できるかできないかではないのかなと読んでくうちに感じてきました。あらすじにあるように、まさに彼女の"旅"を記録したドキュメンタリーです。 自分の幸せってなんなのかを模索する話ってたくさんありますけど、マコちゃんのそれは頭で考えるよりも先に口や体が出てしまう感じで、常に体当たりなのがすごいんです。深く考えず飛び込むから失敗する。その様子にイラッとしないといったら嘘になりますけど、そういうやり方でしか得られないものってあるし、それをマコちゃんが体を張って証明してくれるのが気持ちいいです。というか本人は失敗失敗いうけど、こっちからしたら常人には出来ないことをいくつも成してるように見えます。なのにいつも軸がブレブレ。そこも人間らしくていい。 2巻の終わりの方にマコちゃんがお母さんに突っ走って失敗することを指摘されて「突っ走らないとチャンスが逃げちゃうことだってあるもん」と反論するところすごく刺さりました。マコちゃんだからこそ言えるセリフだなあと。 この漫画が世間にどんなふうに評価されてるのか知りませんが、2巻が出たことによって多くの人に読まれてほしい一作です。
れいしょくガール!
冷食グルメ×少女マンガ編集! #1巻応援
れいしょくガール!
兎来栄寿
兎来栄寿
皆さんは普段、冷凍食品は食べますでしょうか。私は10年前くらいに食べたとある逸品で完全に冷凍食品を見る目が変わってしまい、それ以来冷凍庫には常に常備してあります。忙しい時には調理の簡便さがありがたく、それでいて最近のものは味も良いものが多いです。冷凍茶豆やブロッコリー、ブルーベリーも愛食していたのですが最近はそれらも高くなってしまって物価高を感じます。 タイトルと表紙から想像される通り、冷凍食品に特化したグルメマンガです。ただ、それに加えて入社1年でまっく興味のない少女マンガ編集部に異動になってしまった青年・聖と彼の教育係である宇津木のふたりを中心とした、編集者マンガとしての側面も持ち合わせています。少女マンガのことを微塵も知らないところから、巨大な同人イベントで出会った作家さんの同人誌に心惹かれて担当し、一緒に作品作りをしていくまでに成長する姿は、胸が熱くなります。 登場する冷凍食品は、実在するものばかり。名だたるメーカーの協力のもとに描かれており、そのまま食べてももちろん美味しいのですが料理のできる聖によってアレンジを加えられるレシピも見所です。エビシューマイから作るエビチリや、チャーハンクッパなどはとても美味しそうで実際に作ってみたくなります。 また、グルメマンガといえば食べる際のリアクションがクライマックスですか本作では毎回少女マンガにありがちなシチュエーションで美味しさや味わいを例えられるのが特徴的で面白いです。 キャラクターとしては、マンガ好きでエビ好きの黒髪ロングストレートつり目美人の宇津木さんを私が推さないわけもなく。 ″ 冷凍食品は「手抜き」じゃなくて「手間抜き」なの!″ などのセリフに表れる、冷食愛の強さも良いです。彼女と聖の間に芽生える、まさに少女マンガ的な関係性にもにっこりしてしまいます。 味の素の海老大餃子、見つけたら買い込みたいです。
終末の箱庭
新たなる恐怖の幕開け! 連作ディストピアホラー #1巻応援
終末の箱庭
兎来栄寿
兎来栄寿
バズりにバズった「笑顔の世界」を始めとするホラー短編で『ちゃお』読者にたくさんのトラウマをもたらしたホラーの名手・岬かいりさんの新作です。 今回も、1話ごとに恐ろしい世界をたっぷりと見せてくれます。あたかも『世にも奇妙な物語』の怖い回のような、さまざまな設定がなされた世界における恐怖の数々。本作の特徴としては、単話ごとに楽しめるように描かれているのですが、それぞれのお話ごとの繋がりが明確に描かれておりやがて収斂していくことを仄めかす構成が挙げられます。 短編としても楽しめながら、大きな設定がもたらす謎やサスペンス性により1粒で2度美味しい作品です。 『笑顔の世界』のクチコミにも書きましたが、岬かいりさんの描く歪んだ世界はただ露悪的なだけではなく現実世界と地続きなのが印象的です。 さまざまなディストピア感が描かれますが、それらは決してファンタジーではなくややもすれば現実で人間の愚かさや弱さが引き起こしてしまいそうなものでもあります。逆に言えば、人間が愚かであるからこそこうした物語による警鐘が必要であり、それを浴びて生きてきた血脈がこうした物語に対して悍ましくも目が離せないという感情を抱かせるのかもしれません。 岬かいりさんは、個々のシーンにおいても「通常であれば読者はこういう感情を持つから、こういう反応を期待するだろう」という部分をそのまま描かず、たくさん裏切ってくれるのもまたホラーに合っています。 終わったときには近年のホラー系作品の中でも一際名作として聳え立っていそうです。
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