すいしょうのひびき
水晶の響
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あらすじ
3歳のときに脳性まひ(小脳低形成)と診断された式町水晶はバイオリニストを目指している。耳の聞こえない親友なっちゃんとの交流の中で、自分の音をどう伝えたらいいのか悩むが、そんなときバイオリニスト中吉俊博のライブを観て衝撃を受ける。一つ年上のなっちゃんの卒業が間近に迫り、なっちゃんに「音」を聴かせたい水晶は……!?  この漫画はバイオリニスト式町水晶さんをモデルにしたフィクションです。式町さんの実際の経験とは異なる部分がありますのでご了承下さい。*ドキュメント読み切り「水晶の音」収録。

耳の聞こえない親友に届けたい音色

実在の脳性麻痺のバイオリニスト、式町水晶さんをモデルにした物語です。 この単行本1巻に収録されている短編「水晶の音」から始まったこの作品ですが、「水晶の音」は母親視点から見ると非常に心が苦しくなります。何らかの障害を覚悟しての出産。何とか産まれた後も、度々医師から告げられる他の子たちにはない困難。動かせない体、見えなくなるかもしれない目、尽きるかもしれない命。それでも、懸命に我が子の生きる道を作ろうと尽力する姿に心を打たれます。と、同時に自分がもし同じ立場に置かれたら、と考え込まずにはいられませんでした。 少年がバイオリンや素晴らしい奏者と出逢いその天性の才能を花開かせることはそれ自体素晴らしいですが、そこに至るまでに精神的にも大変な疲弊をしたであろう彼の親の愛と努力も同様に素晴らしいと思いました。 そして、連載版。少年が出逢ったのは、腎臓が悪く透析が必要で耳が聞こえない親友。彼に自分のバイオリンを聞かせたい、という純粋で切なる願いの尊さがまた響きました。 しかし、異質な物を排除しようとする人間の醜さにより、少年は差別・いじめという試練も受けます。子供特有の残酷さに人よりも生きるのが大変な心身を更に傷つけられる様子は見ていて心が痛くなります。 それでも、親友のために頑張ろうとする水晶のように美しい心を持った気高い少年を応援せずにはいられません。良い舞台の上で、少年のバイオリンで親友がその音色を聞きながら得意のダンスを踊れる日が訪れることを待望します。

兎来栄寿
兎来栄寿
ぴあにしもでささやいてだいにがくしょう
ピアニシモでささやいて 第二楽章
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あらすじ
名作復活!シンガー・須佐朱(すさ・あけみ)、歌う<運命>を生きる!!かつて音と魂で強く結ばれ、だが二度と会わないと誓った二人……須佐朱と渡会一意(わたらい・かずい)が再会した。また、一意から女性として愛され、妻となった貴子(たかこ)は亡くなったが、その娘・日輪(ひわ)が、挑戦的な表情で朱の前に現れる。朱の歌が、愛が、運命が――大きく変わろうとしていた……!!