ユーモア・ギャグマンガの感想・レビュー6117件<<1920212223>>新しい季節の色を感じる短編集 #1巻応援北福佳猫作品集「君に降るミモザ」 北福佳猫starstarstarstarstar_border兎来栄寿北福佳猫さんの作品集が遂に! 北福佳猫さんといえば『原始人彼氏』のインパクトがあまりにも大きかったと思いますが、この1冊を読めば解るはずです。デビュー作の「明日へのla」から始まり、感情を揺さぶる正統派学園ラブストーリーの巧さや良さが煌めいているということが。 ミモザに染まった表紙絵がとても鮮やかで目を引きますが、表題作でありこの作品集に収録されている中では最も最近描かれた(それでも2021年ですが)「君に降るミモザ」は特に好きな1篇です。ドイツ系アメリカ人と日本人のハーフで、友達もいない時代を長く過ごしてきた立花クラウゼ瑠輝(るか)が転校をして新たな環境で不安で一杯の最初の日に、クラスの人気者である真風保(まかぜたもつ)と良い出逢いを果たすことでこれまでにない充実した学校生活を送っていけるようになる話です。居場所がない苦しさ、馴染めなかったらどうしようという不安で一杯の転校先で受け入れられる嬉しさ、絆が芽生え花咲く瞬間の輝きが鮮烈に描かれています。3~4月に咲いて春の訪れを告げるミモザのごとく、人生の新しい季節が降り注ぐ様子が過去の自分の想いと重なりながら感情を揺れ動かしてくれます。 男子校から転校してきた都と運命的(?)な出逢いを果たした、ちょっと重くて痛いオンナである宮本きらりを描いた「今日もやってんなキラリ」は、ヒロインの突き抜けたキャラクターが特徴的。ただ、その理由付けが上手くなされており20ページほどの短さの中で綺麗にまとめられていてもっとこのふたりの関係性を見ていたくなります。 前後編で80ページほどある「夜明けの星が燃える」は、歌劇部が非常に人気で精力的な活動をしている中高一貫の女子校に高校から入り、廃部寸前の演劇部に入部する女の子・晶の物語。数少ない演劇部員の伊万里と千世の3人だけで歌劇部に対抗すべく奮闘していく中で、徐々に明らかになっていく晶の才能とその影響も受けて変化していく関係性が見どころです。自分がやってきたことが誰かに影響を与えたとして、それが目に見えないと無かったものと思ってしまいがちですが、それでも確かに動かしたものがあってそれを知覚できたときは代え難い歓びを得るものだよなあとしみじみと思います。 デビュー作の「明日へのla」は、優等生のヒロインと、落ちこぼれながらギターに命を懸ける少年の物語でまさに青春。抑圧されて秘めた想いや憧れを解き放つ、その瞬間の気持ちよさ。無限の前途がある若者たちの相貌が瑞々しいです。 あとがきで筆者が描いていたように、今や直視できないそうですが、読者としては「明日へのla」から「君に降るミモザ」の数年間での大きな成長が見て取れて、そこもまた味わい深いです。 『原始人彼氏』のような作品も描けることを既に示している北福佳猫さん、これからまたどのようなものを生み出してくださるのか楽しみです。 余談ですが、田中メカさんとの合作の「かわいいふたり」なども今後どこかで収録して欲しいですね。今でも大好きです地獄先生ぬ~べ~ 真倉翔 岡野剛starstarstarstarstarあいざっくコメディーシーンやお色気シーンが多いのですが、 いざという時に強くて頼りになるぬ〜べ〜のバトルシーンがとってもかっこいいです。 子ども達も、普段はぬ〜べ〜をいじっているのですが、 ちゃんと信頼していて、ぬ〜べ〜も命を張って生徒を助けるという関係性も好きです。 あと、可愛い (そしてエロい) 女の子が沢山出てくるところも見どころです!! 私はゆきめちゃんが一番好きです。 ストーリーもキャラクターも魅力的で、愛され続ける作品だと思いますお寺も大変なんだ。極楽寺ひねもす日記 宮本福助starstarstarstarstar_borderPom 面白かった唐揚げ 思い描くお寺のイメージとは逆で緩〜い雰囲気になっていて楽しく読みました。 最初に、本当は絵本作家になりたかったらしい父である住職がいなくなり、次に母親がいなくなって寺の後は息子よ、よろしく的な始まり方が笑ってしまうし、続きが読みたくなる始まり方で掴まれた。 しかも父は見つかったと思ったら、漁師になってテレビに出るし。何故。謎。笑 お息子の仁海はてんやわんや振り回されながらも頑張っていた。 結果、終わりよければ全て良し!です。ダメっぷりが板につきすぎて逆に憧れる秋津 室井大資名無し人生で達してはいけない境地No. 1だと思ってる 亜人、人外と学園で青春する漫画、ハズレがない尾守つみきと奇日常。 森下みゆstarstarstarstarstarmampuku『亜人ちゃんは語りたい』や『ルリドラゴン』の系譜、というのが一番わかりやすいでしょうか。 「幻人」とよばれる亜人種がマイノリティとして溶け込んでいる社会。彼女らとの違いに対する戸惑い、ちょっとしたつまづきや戸惑いやすれ違いなどを、悪意や悲しさで表現するのではなく、さりとて目を背けるわけでもなく、優しさと前向きさで爽やかに描いている。 このタイプの漫画、どれも心温まるしキャラクターもチャーミングで良作揃いなイメージなんですよね。 本作『尾守つみきと奇日常。』においてはメインヒロインのつみきはウェアウルフ(人狼)でヒトと比べるとしっぽが生えてたり怪力だったり、満月を見ると遠吠えが出てしまったりするのですが、それらがどれも彼女の魅力的可愛さに繋がっています。 とはいえすべてが彼女のようにハッピーなわけでもなく、例えば蜘蛛女と思われるモブの少女が周囲の視線を気にしながらそそくさと昆虫食を食べていたり、この世界にも“生きにくさ”は確かに存在するようです。 主人公のヒト少年・友孝はメタ認知が暴走して周りと距離を取ってしまうが、ヒロインつみきは持ち前の鈍感力で他種族とガンガン距離を詰めていく。この凸凹すぎる2人がゆえに周りとのドタバタの中で見えてくるそれぞれの「本音」──ただただ「優しい」だけの世界じゃねえぞとふんわり覗かせてきます。がんばれ〜負けんな〜力の限り生きてやれ〜ジャヒー様はくじけない! 昆布わかめstarstarstarstarstar_borderゆゆゆアニメ化もされたジャヒー様。 読んでいて、昔放送されていた「笑う犬の生活」内のコント「小須田部長」を思い出した。 現・ジャヒー様の言動はかわいらしいし、幼い姿でけなげにがんばっておられて、魔界復興のために必要な魔石がたくさん見つかって報われてほしいと思う。 でも、ちらほら描かれるNo.2だったときの態度は魔も魔でヒドイので、やっぱり魔石はホドホドに見つかって欲しいなとも思う。 ビフォー&アフターのあと、当時を懐古して、きちんと反省しているところがまた、かわいらしい。 きちんと反省できる子は大成すると聞いた。 人間界では子供の見た目をしているせいもあって、もやしだけじゃなく、賄いでお腹いっぱいになってほしい。 ぐぬぬと悔しがる姿のオチがまたかわいいジャヒー様。 本来の姿は子供に痴女と言われるほど露出多め。 人間界(ちびっこ)ではTシャツ一枚。 あれ、どちらも露出が多い??と、ドゥルジの指摘で気づいてしまった。至高のギャル現るはじめてのギャル 植野メグル名無しギャルをこんなにも理想通りに描いた作品があるだろうか… ギャル×陰キャ漫画の中でもかなり上位と思います ラブコメ的にもテンポ良くて面白いしエロい ギャルエロい…! 陰キャ羨ましすぎだろ! 外で読むのはNG深夜のダメ恋図鑑 尾崎衣良starstarstarstarstarこめつぶダメ男をスッパリ、バッサリ成敗していて、大笑いしてしまいました! キャラも女性の本音を正直に面白く書いてあるから共感できました。 完結してますが、もっと続きが読みたい作品です! 2人のコビトの冒険ヨルとネル 施川ユウキstarstarstarstarstar_borderさいろく主人公の2人は小人である。 小人である理由はわからないが、実験体(モルモット)らしい、ということは序盤でも少し触れられており、目撃情報などから注意報が回るぐらい何故か「敵視」されて指名手配というか組織からは追われている状態のようだ。 敵視される理由もわからないし追われている理由もわからないし、小人って何?というのもわからないが、ただただ彼らは追手から逃げる。 彼らなりの日常を手にするために。青春ラブコメ作品それでも歩は寄せてくる 山本崇一朗 ねこまど 北尾まどかstarstarstarstarstarこめつぶ将棋のことは全くわからないですが、このラブコメ作品は第一話目から惹き込まれました! 2人のやり取りが微笑ましいと言うか、可愛らしくて見ていて飽きません。 「からかい上手な高木さん」とは逆で、女の子が翻弄されるのもかわいいです。 何度も読みたい作品あたしンち けらえいこstarstarstarstarstar_borderこめつぶゆるい感じなので気軽に読めます。 母とみかんのやりとりが何度読んでも笑えます! 日常を楽しく描いていて、共感できる話ばかりです。 漫画とアニメどちらも見てます!やはりギャル子ちゃんは最高でしたおしえて! ギャル子ちゃん 鈴木健也starstarstarstarstarさいろく久しぶりに読んだけど非実在ギャルとしても思春期のJKとしてもギャル子ちゃんは最高だなと思わされます。 親友であるオタ子・お嬢はなんだったらギャル子よりぶっ飛んでいるが、全てがポジティブにギャルマインドこうあるべしという作品の主旨が一貫されていて常時ハッピー。素晴らしいです。 (電子版の1巻だけえらい画質悪いけど2巻からはキレイでした) このシーンはモブだけの話だけど世界平和を祈りたくなる想像以上の作品往生際の意味を知れ! 米代恭starstarstarstarstar_borderこめつぶ結論からいうと、個人的には大満足。 ひよりがだんだん人間になる様子や市松の心境の変化が人間のリアルさを描いていて感情移入がすごいです。 謎が謎をよぶ、ラブサスペンスな作品です。 陰と陽は互いに依存し合う #1巻応援人間万事塞翁が馬 おきぬstarstarstarstarstar兎来栄寿お酒を片手に、こういう百合を読んで破顔したい秋の夜長もあるでしょう。 レズビアンバーで出逢い、酔ってホテルであられもない写真を撮られたことで半ば脅される形で関係を深めていく27歳ドラッグストア勤務の陰キャ芭蕉口と、彼女に迫ろうと同じドラッグストアに応募してきた20歳陽キャ大学生木村のふたりを描く百合コメディです。 作者のおきぬさんの絵の上手さは商業レベルで、まず絵が魅力的です。前作の『後は野となれ山となれ』はBLでしたが、百合も描けるのは素敵滅法。 多少嫌がられても気にせずグイグイ強引に迫り籠絡していきすぐに下の方に行きがちな木村のキャラの濃さと、それに対するウブな芭蕉口のリアクションがたまりません。お酒を飲みながら読むくらいが丁度いいです。 これが陽キャの手管か!! 陰と陽は、対立はしても孤立しないもの。共鳴し合いながら、自らにないものを補い合って変化しながらバランスを生むもの。 両極的な、しかしそれが故に抜群の相性をもって末永く幸せな掛け合いをしていって欲しいです。 年下ガン攻め・年上受けが好きな方には特にお薦めです。ちょwタイトルどうしてそうなったww異世界で最強魔王の子供達10人のママになっちゃいました。 遠山えま名無し1話目から飛ばしまくり!かつてないほど最速で出産→母になっちゃいました。孕ませ設定で最初はヒヤヒヤしたけど、超安産、超スピード出産だった。魔王が傷を追った優しいイケメンすぎてヤバい😭魔王軍、辛い思いをしてるのになぁ・・良い人たちばかりで好きとしか言えないコナンファンにおすすめ!名探偵コナン 犯人の犯沢さん 青山剛昌 かんばまゆこstarstarstarstarstar_borderこめつぶ暇つぶしにちょうどいい、クスリと笑えるような作品です。 犯罪率が高い米花町、事故物件ばかりの住宅事情など、言われてみれば確かに…なんで思わず笑ってしまう。 「名探偵コナン」を知らないと分からない笑いですがおすすめです。 常にほんわかしてて良い古見さんは、コミュ症です。 小田智仁 オダトモヒトstarstarstarstarstar_borderこめつぶまだ読み始めたばかりですが、面白いです。 コミュ症だけど、可愛らしい頑張りがいいと思います。 思わずクスッと笑ってしまうストーリー展開! 古見さんに微笑ましい気持ちになれます。 想像以上の作品コタローは1人暮らし 津村マミstarstarstarstarstarこめつぶコタローくん、子どもと思えないほどしっかりしてて、子どもなりに事情を理解して周りに心配させないように振る舞ってて、読んでて切ないですが、コタローくんの周りを取り囲む皆さんのやり取りが面白い。 泣いたり笑ったり、内容の濃い作品です!外で読むのはNG月刊少女野崎くん 椿いづみstarstarstarstarstarこめつぶ登場してくるキャラが個性的で主人公の女の子がとても可愛らしい す。 何度読んでも声出して笑ってしまいます。 お腹が痛くなるくらい笑いたい人にオススメです! 早く続きが読みたいです。 マンション+ダンジョン=マンジョン僕の部屋がダンジョンの休憩所になってしまった件 東国不動 たこやきよし ツギクル JUNAstarstarstarstar_borderstar_border宮っしぃマンション借りたら曰く付きの物件だったではなく、異世界のダンジョンつきだった、という内容 現実世界の食べ物や服が異世界だと特殊効果があったり、主人公のスキルがちょっと特殊だったり、異世界の美少女と仲良くなってラブコメしたりと、昨今の現実世界と異世界が合体した系のよくあるお話です。 登場する美少女とのラブコメ要素を楽しみつつ、ちょっとした冒険もありつつと、いっぱい要素詰め込んだ系なので飽きずに最後まで読めた。 ただこの手の作品にありがちな、最後は相変わらず「俺たちの冒険はこれからだエンド」です・・・これだけはいつもいただけないと思うんですよね・・・世界の終わりとはじまりオンノジ 施川ユウキstarstarstarstarstar野愛なんとヤンチャンwebで全話無料(2023.11.2まで)ということで読んできました。読んでよかったです。 ある日突然、ひとりぼっちになってしまった少女ミヤコ。コンビニも病院も世界のどこに行っても誰もいなくなってしまった。 そんな世界の中でもミヤコは過酷なサバイバルを生き抜くわけでもなく、ひたすら孤独に耐えるわけでもなく、ごく普通の日常を生きている。 世界の終わりが訪れてもこんなふうに生きればいいのかと心が少し軽くなる。 でも、オンノジと出会ってしまった。 どこかに行くのも遊ぶのもご飯を食べるのも、ひとりよりふたりがいい。 かけがえのないひとに出会ってしまうと、毎日が楽しくて失うのが怖くて、軽やかになんか生きてられない。それはとても素敵なことだ。 ああそうか、これは世界の終わりを描いた物語ではなく世界のはじまりを描いた物語だったんだ。 ひとりになりたいと思うこともあるけれど、この作品を読んだらひとりじゃないことに感謝したくなるかも。当時ぶっちぎりでハマってたマンガの1つハヤテのごとく! 畑健二郎starstarstarstarstar宮っしぃ当時これを読んだとき、なんて面白く、女の子が可愛く、いいラブコメなんだ!と思ったのが懐かしい 今になって読み返しても楽しく、コメディ要素やメタなネタで笑わせる所もありつつ、魅力的な女の子キャラが多数登場、どの子もキャラがもの凄く立っているので甲乙つけがたいと、ラブコメとしても完成度が高い作品。 不幸な少年がお嬢様の執事になってコメディしたりラブしたりと、ドタバタラブコメとして話が進んでいくが、急に差し込む真面目なSFっぽい要素でいきなりの落差に驚いたりと、ジェットコースターみたいに勢いのある良い物語の展開だったと思う。 当時ヒナギクさんめっちゃ可愛いなぁって思ってたけど、読み返してもやっぱりめちゃくちゃ可愛かったですね。 何度読んでもキャラの可愛さ、コメディとしての面白さはピカイチです。 今読むと最初の方は古く感じるが、それでも楽しい良作なので是非読んでいただきたい作品です。 男のいない女たちの感想 #推しを3行で推す男のいない女たち 櫻井稔文starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 変な話、感動できそうな話と色々あったが第一話のが一番好きかな ・特に好きなところは? 第一話に尽きる。最後のページであれだけやばい気持ちにさせるのはさすが櫻井稔文だね ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! なんとなく読むのではなく気分がいい時に読むのをお勧めします。または一話づつ日をあけて読むのをお勧めします ファッションを楽しく学べる服を着るならこんなふうに 縞野やえ MBstarstarstarstarstarleon男性向けのファッションを紹介した作品で、 ユニクロやGUの服の着こなし方やハイブランドの 特徴などを漫画で楽しく学ぶことができる。 ストーリーのベースも王道で読みやすいのも良し。 自分もファッションの在り方について考えたくなってきた。<<1920212223>>
北福佳猫さんの作品集が遂に! 北福佳猫さんといえば『原始人彼氏』のインパクトがあまりにも大きかったと思いますが、この1冊を読めば解るはずです。デビュー作の「明日へのla」から始まり、感情を揺さぶる正統派学園ラブストーリーの巧さや良さが煌めいているということが。 ミモザに染まった表紙絵がとても鮮やかで目を引きますが、表題作でありこの作品集に収録されている中では最も最近描かれた(それでも2021年ですが)「君に降るミモザ」は特に好きな1篇です。ドイツ系アメリカ人と日本人のハーフで、友達もいない時代を長く過ごしてきた立花クラウゼ瑠輝(るか)が転校をして新たな環境で不安で一杯の最初の日に、クラスの人気者である真風保(まかぜたもつ)と良い出逢いを果たすことでこれまでにない充実した学校生活を送っていけるようになる話です。居場所がない苦しさ、馴染めなかったらどうしようという不安で一杯の転校先で受け入れられる嬉しさ、絆が芽生え花咲く瞬間の輝きが鮮烈に描かれています。3~4月に咲いて春の訪れを告げるミモザのごとく、人生の新しい季節が降り注ぐ様子が過去の自分の想いと重なりながら感情を揺れ動かしてくれます。 男子校から転校してきた都と運命的(?)な出逢いを果たした、ちょっと重くて痛いオンナである宮本きらりを描いた「今日もやってんなキラリ」は、ヒロインの突き抜けたキャラクターが特徴的。ただ、その理由付けが上手くなされており20ページほどの短さの中で綺麗にまとめられていてもっとこのふたりの関係性を見ていたくなります。 前後編で80ページほどある「夜明けの星が燃える」は、歌劇部が非常に人気で精力的な活動をしている中高一貫の女子校に高校から入り、廃部寸前の演劇部に入部する女の子・晶の物語。数少ない演劇部員の伊万里と千世の3人だけで歌劇部に対抗すべく奮闘していく中で、徐々に明らかになっていく晶の才能とその影響も受けて変化していく関係性が見どころです。自分がやってきたことが誰かに影響を与えたとして、それが目に見えないと無かったものと思ってしまいがちですが、それでも確かに動かしたものがあってそれを知覚できたときは代え難い歓びを得るものだよなあとしみじみと思います。 デビュー作の「明日へのla」は、優等生のヒロインと、落ちこぼれながらギターに命を懸ける少年の物語でまさに青春。抑圧されて秘めた想いや憧れを解き放つ、その瞬間の気持ちよさ。無限の前途がある若者たちの相貌が瑞々しいです。 あとがきで筆者が描いていたように、今や直視できないそうですが、読者としては「明日へのla」から「君に降るミモザ」の数年間での大きな成長が見て取れて、そこもまた味わい深いです。 『原始人彼氏』のような作品も描けることを既に示している北福佳猫さん、これからまたどのようなものを生み出してくださるのか楽しみです。 余談ですが、田中メカさんとの合作の「かわいいふたり」なども今後どこかで収録して欲しいですね。