エッセイマンガの感想・レビュー1010件<<3839404142>>ムーピーのようなうつヌケ 田中圭一影絵が趣味手塚治虫キャラを使ったパロディギャグ漫画で世に出た田中圭一が手塚治虫文化賞を受賞してしまったという皮肉はひとまず置いておいて、それどころか、この『うつヌケ』という漫画の主題である鬱という病気のこともひとまず置いておきたいと思います。 というのは、この漫画が単なる鬱病のひとの処方箋となるべく手に取ってもらいたい本という以上に、もっと普遍的に感動的なストーリー漫画であるからだと思うからです。ストーリー漫画というのは、手塚治虫いらい数々の漫画家によって描かれ、無数の大人子供を熱中させてきた、あのストーリー漫画に他なりません。 この漫画は単なる病気への処置を促す書物という以上に、もっと肯定的で出鱈目なパワーに満ち溢れた感動的なストーリー漫画であると思うのです。田中圭一のストーリー漫画としての資質は前作の漫画家2世をインタビューする『ペンと箸』のときからすでにあらわれていたと思います、あの連載に涙したひとは少なくないのではないでしょうか。そして今作、あの忌々しい鬱という病気が、手塚治虫の『火の鳥』にでてくるムーピーを彷彿とさせるキャラとして描かれている。しかも、それぞれの短編の主人公が鬱を抜けるとき、あの丸っこいキャラとして描かれた鬱なるものを抱いたり突いたりして愛ででやるのです。そのときどきに、鬱でもないじぶんもつい目頭が熱くなってしまうのです。 一時期広告で超人気だった作品!捨てられ女の処方せん うえみあゆみ少女漫画博士うららか旦那に浮気された妻による実録エピソード集! スカッとして終わる話もあれば、「えーコレで終わり?」と思う話もあったので、そこにリアルさを感じました。 表紙と実際の漫画の絵柄とはギャップあり。 妻かわいいうちの妻ってどうでしょう? 福満しげゆき大トロ妻に恋する〜の方が面白かったので最近こっちも読んだんですが、こっちは喧嘩ばっかりしていてなんだか殺伐としていますね。特に初期は。 福満しげゆき先生には一生妻漫画を書き続けてほしいと思ってます。身が引き締まります失踪日記 吾妻ひでおサンジュスト私もほぼ毎日飲酒するのですが… 酒マンガだと酒のほそ道とかは「あるある!」とか「うまそー!」なんて楽しく読めるのですが、この漫画は…「気を引き締めなければ」とか「酒は飲んでも飲まれるな」とか、そういう言葉が頭をグルグルします(T-T) 自虐的に、または面白くは描いてはいますがね… 最近、某メンバーの、酒でやらかした話もありますし、酒に飲まれたらあかん!と肝に命じます。 とっても大好き!ドラえもん〜ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~ むぎわらしんたろう 藤子プロサンジュスト30年以上前、小遣いを貯めてドラえもんのコミックを買って、ワクワクしながら読んだのを思い出しました。 きっと、この作者にとっても藤子・F・不二雄先生はヒーローなんだろうな〜 当時、何回も下手くそなドラえもんをノートに書きました!(笑)赤裸々すぎてすごい実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。 ペス山ポピーstarstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)嗜虐趣味を持たない自分からしたら理解しがたいが、一方であまりに赤裸々に語るこのエッセイ漫画を読むと彼女の嗜好を、欲求を理解したいと強く思う。 読んでいて自分の中にふと浮かび上がってきた感情は「感謝」だった。 ネテロ会長みたいになってしまったが、何かが自分の中で許されていく感覚があった。 自分で自分をハグしてあげたい。 普通の人間なんてこの世にいないと思っている。 細かく分類すればどこまでも違って、平均をとろうとすること自体が間違っている。 それでも「普通」を追い求め、規範で縛り、押しつけてくるのが世の中の構造だ。 子どもの頃から誰しもが無意識にそうしてしまっている。 現在、マイノリティにも光が当たり少しずつだが世の中は変わりつつあるが、互いの理解は根本的には無理だと思っている。 分かったふりをするのが上限で、最大限の譲歩だ。 理解しようとし続ける行為の先にこそ救いはある気がするので、今後もいろんな赤裸々に語ってくれる人たちが現れてくれると嬉しい。タイトル通りの内容かわいいきのこ うつろあきこ 保坂健太郎霧兵衛良かった点 ・可愛い絵柄で読みやすい ・きのこの勉強にもなった 総評 タイトル通りの内容 ハムスター飼育日記花丸ハムスター めで鯛大トロこれを読んでハムスターに詳しくなりました。 種類や生態などを可愛く解説してくれるので癒されます。現代人はみんなドキッとすると思う凪のお暇 コナリミサトななな現代人はどんな人でも場の空気を読んだり、無理に笑ったりすると思います。 主人公の凪ちゃんはそんな私達の生き方をかえてくれる先駆者です!ちょっと気になる事を…わたしのハテナちゃん 柘植文サンジュスト著者の柘植さんが、普段からちょっと気になっているけど詳しく調べる程でもない、または気になってはいるけど1人では行かないよねー、というような事やイベント、場所などをレポートしています。 柘植さんの視点で描かれていて私的には面白いです。 想像と違ったけど凪のお暇 コナリミサトフルカワ虐げられ追い込まれている主人公が自由を手にして、人生をやり直すという単純な話かと思っていたら、皆それぞれに、理由があり登場人物を色々な角度から書くことによって深みのある物語になっていて驚いた。絶妙に涙腺を刺激してきます。題名通りすごいうまそうな料理ばかりだったおいしいロシア シベリカ子starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男ロシア人と結婚した女性が一年間ロシアで過ごした生活を料理を中心に、ロシアでの生活、ロシアの文化を紹介する漫画。甘党の俺が好きそうな料理ばかりだ。スメタナというヨーグルトみたいなのがうまそう 特に良かったのが、知り合いの結婚式をやるレストランが急に変更になった話。理由がその日にプーチンが予約したので、そのレストランを使うのが無理になった。 その町は川の流れのようにちづかマップ 衿沢世衣子影絵が趣味明治時代の作家、国木田独歩は、その昔より、壮麗な原野として、ひろく「武蔵野」と呼ばれ、伝聞されてきた、東京とその近郊の一帯をみずからの足で練り歩き、いまや生活と自然とが一体となり、雑木林のそこここに生い茂る、その当時現在の武蔵野の地をみずからの目で再定義し、その美しさを随筆『武蔵野』に書き記しましたが、どうやら、古地図大好きガールちづかのやっていることは、独歩にずいぶんと近いのではないでしょうか。 ちづかは古地図という飛び道具を使い、みずからの目で、あの街やこの町から、些細な、でも、とっても喜ばしいちょっとした出来事を発見します。古代人のみた武蔵野も、独歩のみた武蔵野も、ちづかのみている現在の東京も、そして、これから先のあの街やこの町も、それらの風景は川の流れのように絶えず変化をして、あとには残らないけれど、それでもひとつ変わらないことがある、それはみずからの目でものをみて、そこから些細な、でも、とっても喜ばしい何かを感じとることのできる人間の心だとおもいます。 読んだこともあるのも多かったけど満足グ印観光 グレゴリ青山マンガトリツカレ男昔講談社からから発売されていた「ひみつのグ印観光公司」を改題し、未収録作品を収録、加筆したバージョン インド映画/日本映画の話からベトナム、上海、タイ、マカオの旅行記/ナイスガイ マイタケ/糸魚川の50坪 100万円の家に住む力丸夫妻の話と色々収録されている。こ いつ読んでも力丸夫妻と、マイタケがいいな。 東北地方街中鳥虫草等自然観察記とりぱん とりのなん子名無し※ネタバレを含むクチコミです。食べ放題に行きたくなるそうだ、食べ放題いこう。 西つるみひろりんぬ食べ放題って魅惑的な響き… 実際にある食べ放題のお店に行ってきた様子をレポする漫画。 時間とか料金も詳しく紹介されてて、まだ1巻しか読んでないけど中華とか行ってみたいなと思った。 見どころは編集のK成さんの食い意地の張りっぷりだと個人的には思っている。 すごい。 八百森のエリーの前身のマンガうちのダンナは野菜バカ。 仔鹿リナ名無し「八百森のエリー」の前身のマンガという事で、この「うちのダンナは野菜バカ。」を知りました。 こっちは、コミックエッセイですね。 旦那さんが青果市場にお勤めになっている事から「ダーリンの会社は青果市場」という題名で雑誌連載されていたようです。 実話系漫画で、ギャグも面白く、野菜の豆知識もあり、とても面白いマンガと思います。 世代なので面白いです。ピコピコ少年 押切蓮介メロン米もともと、この作者の漫画が好きで、読んでいましたが、この作品はおそらく作者の実話を元にした話だと思われます。 ずっとゲームばかりしているんですが、このころの経験がハイスコアガールに繋がっているのかなぁ・・・と思ったりします。 個人的にはゲームボーイが出た時の衝撃やプレステとセガサターンどちらを買うかを悩んだりしたとか、世代ど真ん中ですっごく共感できる作品です。 セガサターンを選んだ友達はのちのちエロゲームをやるためだけの機械になっていたのが懐かしいです。サイバラ式抒情詩はれた日は学校をやすんで 西原理恵子影絵が趣味主婦の日常を描いた『毎日かあさん』や、とことん身体を張った『まあじゃんほうろうき』など、体験記もので名を売っている西原理恵子だけれども、実は抒情詩の天才である。過度にデフォルメ化された雑な線画に抒情の溢れんばかりにトーンをはみ出せば不思議とそのコマのなかに詩的空間が生まれる。おそらくこれは誰にも真似のできない芸当だろう、西原は決して絵が下手なのではなく、誰にも真似のできない巧さを持っている、その真似のできなさを人は下手と言うのである。 2巻刊行記念の自選原画展が渋谷で開催!ニューヨークで考え中 近藤聡乃マンバ運営2巻の刊行を記念して、渋谷で原画展が開催されています! 展示の様子をマンバ通信でお伝えしています。 https://magazine.manba.co.jp/2018/01/13/kondouakino_genga/ 近藤聡乃『ニューヨークで考え中』②刊行記念 自選原画展 2018年1月12日(金)〜2018年2月28日(水) 会場 NADiff modern 〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F TEL 03-3477-9134 開場時間 10:00〜20:00(金・土は21:00まで)※定休日ナシ小学校の同級生を思い出したよく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 いしいさや霧兵衛良かった点 ・小学校の時に謎に思ってた大部分が解消された 総評 この系統だとヤマギシの漫画の方が面白かった カルト村で生まれました。という題名忘れてた記憶が蘇るマンガでおさらい中学数学 春原弥生 佐々木隆宏hysyskもしかしたら授業で先生が言ってたかも知れないけど忘れてしまった数学を勉強する際の心構えとか、疑問に思ったけど教科書では「そういうもの」とされていて納得できなかった話が、すっと入ってくる。章の終わりに丁寧なまとめもあって良い。パート5は初歩的な統計学を扱っていて、仕事にも役立つ。 「ととのったぁ!!!!」言えましたマンガ サ道~マンガで読むサウナ道~ タナカカツキ名無し日本に2人しかいないというサウナ大使(もう1人は長嶋茂雄氏)のタナカカツキ氏による、サウナの楽しみ方を分かりやすく解説した本作。 サウナのことは、ボクサーが減量する時に入るもの?くらいの認識で、温泉に行っても、スーパー銭湯に行っても冷やかし程度でしか入ってこなかったサウナ。 本作を読んだ後、認識を改めまくりました。 作中で、正しくサウナに入ると「ととのう」という合法的なトリップ状態に突入します。 乱暴に言うと「ととのえる」ために、サウナに行くようなものみたいで 話半分、そんなことある〜〜?ええ〜〜?と思いながらサウナへ 実際に、そのサウナで偶然話した人の指導もあり正しく入ってみると ととのったぁ〜〜〜〜 と言える、なんとも言えない快楽の時間が!!!!! ウワァ〜これが、ととのうってことかぁ!と目から鱗! その日以来、暇を見つけてはサウナ行こうかな…と思ってしまうほど。 怖いもんです。みなさんも是非サ道を読んで、サウナで、ととのえましょう。「空気を読む」って疲れるよねぇ凪のお暇 コナリミサトなまやかちゃん1巻の試し読みだけで「絶対に続きを読もう」と決心。 「空気を読むって疲れるなぁ」と、女性なら一度は感じたことがあるはず。私ももちろんある。 だから空気を読みすぎて爆発してしまった主人公『凪』は、空気を読むことを放棄した”違う世界線の私”を見ているかのよう。凪がこれから何を思い何に出会って過ごすのか、続きが気になって仕方ない! あと、読むと豆苗を育てたくなると思います。<<3839404142>>
手塚治虫キャラを使ったパロディギャグ漫画で世に出た田中圭一が手塚治虫文化賞を受賞してしまったという皮肉はひとまず置いておいて、それどころか、この『うつヌケ』という漫画の主題である鬱という病気のこともひとまず置いておきたいと思います。 というのは、この漫画が単なる鬱病のひとの処方箋となるべく手に取ってもらいたい本という以上に、もっと普遍的に感動的なストーリー漫画であるからだと思うからです。ストーリー漫画というのは、手塚治虫いらい数々の漫画家によって描かれ、無数の大人子供を熱中させてきた、あのストーリー漫画に他なりません。 この漫画は単なる病気への処置を促す書物という以上に、もっと肯定的で出鱈目なパワーに満ち溢れた感動的なストーリー漫画であると思うのです。田中圭一のストーリー漫画としての資質は前作の漫画家2世をインタビューする『ペンと箸』のときからすでにあらわれていたと思います、あの連載に涙したひとは少なくないのではないでしょうか。そして今作、あの忌々しい鬱という病気が、手塚治虫の『火の鳥』にでてくるムーピーを彷彿とさせるキャラとして描かれている。しかも、それぞれの短編の主人公が鬱を抜けるとき、あの丸っこいキャラとして描かれた鬱なるものを抱いたり突いたりして愛ででやるのです。そのときどきに、鬱でもないじぶんもつい目頭が熱くなってしまうのです。