恋愛・ラブコメマンガの感想・レビュー4460件<<1819202122>>そのただ一言が聞きたくて。 #1巻応援お守り女房 山口カエ兎来栄寿コメディではありながらも基底となる設定に切なさがあり、敷き詰められた笑いの隙間から仄かに滲み出てくる作品は何とも堪りません。 『魔法少女大戦』や『消滅都市』などで有名なイラストレーターの山口カエさんによるこの『お守り女房』もそんな作品です。 83歳で妻に先立たれてしまった男性・伊豆沼蓮太郎の下に、死んだ妻・華代が何とお守りの姿となってやってきて共に暮らしていく様子が描かれます。 妻のキャラクターが典型的な昭和の妻という感じではなく、箪笥にはエアガンやヌンチャクがしまわれていたり、暗視スコープやギリースーツまで所持していたりと自由奔放。お守り姿となっても賑やかで、蓮太郎との愛と優しさに溢れた掛け合いは非常にハートウォーミングです。 華代は生前に蓮太郎から一度も「好き」という言葉を言ってもらったことがないという未練を抱えており、しかし昔気質の蓮太郎はそういった言葉を軽々には口に出せないという部分のもどかしさも良いです。 独居老人を狙った瓦詐欺や闇バイトなど時事ネタも上手く取り入れながら、賑やかで忙しない日常や非日常が面白おかしく描かれます。 しかし、華代も言う通りこの状況は本来不自然なもの。明るい雰囲気の裏には、いつか終わる夢のようなエクストラタイムの儚さと切なさがあります。それは、物語という優しい幻想の在り方にも似ています。 一人になったら米を炊くこともできない蓮太郎のような人は、現実にもたくさんいることでしょう。喪ってから気付いたり後悔したりすることばかりなのが人間ですが、こうした物語を通して喪ってしまう前に今大切にできるものをもっと大切に、できることをできる内にしようという気持ちにさせてくれます。 絵柄も綺麗で人を選ばない、間口の広い良質なコメディです。 補足として、細かい好きな点も挙げておきます。 ・長女の梗子も孫のはこべもすみれも女の子がみんなかわいい ・ステュムパーリデスはギリシャ神話、ヴェズルフェルニルは北欧神話とごった煮で好きな感じの厨二病あるある ・1話冒頭の謎の映画の腕ひしぎ十字固めから逆エビ固めに笑顔で移行するところ ・134Pの1Pまるまる使ったパロネタ何度生まれ変わっても忘れられない巨乳ぼくの輪廻 嶋木あこstarstarstarstarstar_borderかしこ主人公には輪廻転生を繰り返しても惹かれあう運命の相手がいた。現世で大学生ながら漫画家になった彼はいつも夢で見ている恋物語をそのまま作品にして連載を始める。すると「この話と同じ夢を私も見ている」というアシスタント希望の女の子が現れた。なんと彼女は夢の中の運命の相手と全く同じ巨乳だったのだ…!! 少女漫画と思えないほど巨乳の描写に力が入ってます。同じく輪廻転生を繰り返してる恋敵も美男子で三角関係が複雑なところもぶっ飛んでて面白いです。一気読みすると絵柄もだいぶ変わってきますが初期の頃がよりエロいと思いました。ガングロギャルとかピーチガール 新装版 上田美和starstarstarstarstar_borderゆゆゆ元水泳部でこんがり焼けた肌、塩素で赤くなった髪の毛と、一見遊んでいそうな見た目、吊り目で強気そうな顔立ちの、内面は純粋で真面目なもも。 そして、もものオトモダチとして仲良くする、なんでも欲しがる、分かりやすく悪役の(なので見ていてイラッとしてくる)さえ。 ももが好きな同じ中学校出身のとーじ。 とーじを奪われまいと適当に指さしてしまった、学年一のモテ男の岡安。 彼女たち4人による、ドキドキハラハラ恋愛漫画「ピーチガール」。 帰省して、ふと思い出したこの漫画。 たしかガングロと呼ばれたお肌こんがりファッションが若者の間で流行っていた頃に本誌で読んでいた漫画だ。 あの頃テレビでは、ヤマンバのような髪型をしたチョコレート色の顔のギャルが「黒人みたいになりたーい」と言って、日焼けサロンに通う姿を特集していたのを覚えている。 今だと、プールで日焼けして、色素が抜けているくらいでどうして主人公は勘違いされてるの?となるかもしれないけど、当時はそう見られ得る時代だった。 漫画では読むにつれて、読者側としてはその容姿はだんだん気にならなくなり、(ももは日焼けした肌を嫌がっていたが)他のキャラクターも強いて気にしておらず、普通の恋愛漫画と変わらなくなったように思う。 ガングロギャルの時代はおわり、美白の時代へ移り変わっていったせいもあるかもしれない。 読み直してみたら、さえはお友達にみえるときもあるけど、やっぱりムカつくなあと思ってしまった。VRで彼女を作ろうルサンチマン 花沢健吾starstarstarstar_borderstar_borderかしこ※ネタバレを含むクチコミです。 いま連載してる中でいちばん面白いかも…?私のことを憶えていますか 東村アキコstarstarstarstarstarnyae※ネタバレを含むクチコミです。いいわぁ、1話が長くないので読みやすいです好きな子がめがねを忘れた 藤近小梅starstarstarstarstar_borderママ子小村くん、こんな純朴な子可愛すぎる! なかなか進展はないけど頑張れ!!と応援したくなります。 三重さんの天然、武士な感じもツボです。決して計算じゃないところがまたかわいい! 二人のやり取りが読んでてほっこりします! 三重さん眉間にシワ寄っても前かがみになって変なポーズになっても可愛い。無意識で小村くんに甘えてしまう三重さんと、三重さんに近づきたい煩悩と戦う小村くんの様子がほのぼのします。ガチの理系がアホな恋する良作理系が恋に落ちたので証明してみた。 山本アリフレッドstarstarstarstarstar_border宮っしぃガチガチの理系が自分たちの恋を定量化したり、成分分析や法則性見出したりと、マジで真剣に恋を理系の観点から見ていく内容で、良くあるラブコメとは異質な観点で読めて面白かった もちろんラブコメとしても楽しめたが、内容がガチ過ぎて一部学術要素もりもりなのがギャップあって楽しめる 最高のキスをするために周囲の騒音・人の目・明るさなどのムードを数値化し、最高のシチュエーションでキスするんや、とか頭良過ぎて一周回って頭悪くて大好き! 厨二全開俺つえーありふれた職業で世界最強 たかやKi RoGa 白米良starstarstarstarstar_border宮っしぃ異世界転移でクラスごと呼ばれ、ダンジョンの下層に落とされた主人公、そこで様々な能力を身につけて世界の謎を解き自分の世界に帰るために神に喧嘩売る 俺つえーはもちろん、可愛いヒロインたちと冒険にバトル、ラブコメももちろん、しっかり異世界物らしい魔法や剣のファンタジーもありと、要素はかなりもりもり 厨二全力全開で異世界物!って感じなので好みは分かれるかもしれないが、個人的には頭からっぽで読めるし好みではある イラストのクオリティもちゃんとあるので、数多の異世界物の中では楽しめたし、好きな人は多い良い作品だったかなぁと思いましたこれは面白いわ...!恥じらう君が見たいんだ 甜米らくれstarstarstarstarstar_border宮っしぃ映画を勉強してる主人公が教師の不倫映像を文化祭で流し、それを見たヒロインが自分を撮ってくれという所から始まるエロエロなストーリーかと思って読んでたが、かなりしっかりエロあり知識ありラブコメ要素ありと、すごくバランス良い作品 もちろんエロに寄せてるので、ヒロインは可愛くエロく素晴らしかったが、しっかりと映画の知識を活かした内容もありで読んでいてなるほどとなる場面も ここ最近ではかなり当たりの作品で一気読みしてしまった良作でした エロOKな人はぜひ読んでみて欲しい設定はおもろい4000倍の男 雁木万里starstarstar_borderstar_borderstar_border宮っしぃ全く精力がない男の子が事故で4000倍の精力になってしまい、幼なじみの女の子はその男の子のエロい意味で面倒見ることになって〜な設定のエロ要素ガン振りのラブコメ 設定はおもしろかったけど、特に盛り上がるポイントはあまり無く、平坦なストーリーで個人的にはイマイチ... エロに寄ってたけどあまりエロさも個人的には刺さらなかった... サラッと4巻で完結してしまったので、作者の次回作に期待したいかなぁといった感じでした 「ただ帰るだけ」を「楽しい」に放課後帰宅びより 松田舞starstarstarstarstarNano直希ちゃんで直帰ちゃん、センスがいい。瞬くんの三点リーダーの多さが性格出ていて好きです。この二人の間に流れてる、ゆったりとしてるけど豊かな時間みたいな…読んでて心がぽかぽかするような空気感がとても良い。 ひかるイン・ザ・ライト!の時から変わらずキャラクターの表情や口調から分かる性格など、どれも愛しくて優しい気持ちになれる。瞬くんの過去やら直希ちゃんのこれまで生活などなど、気になるところがいっぱいある。あと帰宅部ラブコメって煽りだし、二人がこの先イイ感じになったりするのかな~~気になる~~~!80年代少女漫画ラブコメ!ときめきトゥナイト 池野恋starstarstarstarstar_borderゆゆゆ80年代前半〜90年代前半まで「りぼん」にて連載された少女漫画『ときめきトゥナイト』。 自分より年上のお姉様たちが読んでいた作品と覚えています。 これまで、タイトルだけ知っている漫画でした。 今ならKindle Unlimitedで10巻まで読めるとのことで読んでみて、「こんな話だったの!!」と驚きました。 現代ものの漫画かと思いきや、主人公が狼女と吸血鬼のハーフというファンタジー要素ありの現代ものだったこと。 懐かし漫画あるある、主人公が不良少年に恋する乙女であること。 恋敵は暴力団組長の娘であること。 びっくり設定から、キャッで、たじっ…になるなんて、すごいです。 80年代ラブコメパワー、おそるべし。 ウィキペディアをみたら、主人公をかえて第一部から第三部まであるそうで、さらに第一部はギャグ漫画要素が特に強いそうです。 これからどんなストーリーになっていくんでしょう。 読み進めていくのが楽しみです。ちょっと大人になったGALS!!GALS!! 藤井みほな渋谷部※ネタバレを含むクチコミです。 愛って何なのか。ユリゴコロ(コミック版) 亜月亮 沼田まほかるstarstarstarstar_borderstar_borderPom 結構な衝撃を受けました。 これ自分だったらメンタルが持たないし、日常生活にも支障をきたしてしまう気がする。 母親が殺人を犯していたとは。。 だけど、この手の話って続きが気になって読んでしまう。漫画だとよりリアルだったのもあったのかな。 息子の亮介のラストに入ったあたりの表情がね、何ともいえなかったな。。 思い出すとゾクッとします。連載再開しましたね!獣人隊長の(仮)婚約事情 春が野かおる 百門一新 晩亭シロ名無し9話を最後に連載が止まっていましたが、10話から12話が一気に更新! 原作のエピソード的に、もう少しで最終回ですかね~ https://comic-mangashelf.com/jyuujintaicyounokarikonyaku-novel作品の古さで忌避するのはもったいない!悪女 深見じゅんゆゆゆ巨大企業へ、末端窓際コネ入社したマリリン。 出世したい理由が会社のどこかにいるはずの王子様探しという乙女な理由を持っています。 古めの絵と価値観。 数ページで苦手かもと思ったものの、読み進めていくと気にならなくなり、おもしろさにハマってザクザクと読み進めてしまいました。 タイトルは「悪女(ワル)」ですが、嫌がらせをしてくる人くらいしか悪い人はおらず、四半世紀以上前の働く女性社会のこと?と悩んだのですが、マンバの口コミをみて、なるほどなと思いました。 たしかに、愛嬌と強かさと宴会芸を持つ、人たらしの主人公マリリンは悪女といえば悪女です。 あっけらかんとしたマリリンのおかげで、古くさい価値観を水に流して読むことができます。 よくここまでザザーッと流せるなと感心してしまいます。 きっと連載中に読んだ働く女性方には、フィクションとはいえ、頼もしい存在だったのかもしれません。 こういうほっこりな短編集は良い式の前日 穂積さいろく短編集好きとしてはこういうのを定期的に摂取しなければ。 『さよならソルシエ』の穂積先生の"短編よみきり集"。 少し複雑な家族愛であったり、心理描写が多めなのかなと思いきや後半は少しファンタジーな要素が加わってきたり、飽きの来ない流れ。本当の「悪女(わる)」とは誰?悪女 深見じゅん名無し1988年というバブリーな時代真っ只中に連載が始まったOL漫画です。当時、テレビで流行していた"トレンディドラマ"の漫画版という感じかな。「悪女(わる)」という題名に目を引かれて手に取ったのですが、表紙には題名にはそぐわない可愛い女の子の絵。そのギャップに興味を持って読み始めました。 コネで商社に入社した麻理鈴がひょんなことから社内で出会った男性に一目惚れ。その人物探しから始まって、同時に麻理鈴が優秀なOLとなっていく様を描いています。その中で、恋や仕事のライバルに邪魔されたり、意地悪されたりするのですが、天性の天使爛漫さとお気楽さ、人の良さでライバルたちの心も和ませていきます。全37巻とかなりの長編ですが、クセのない画風とテンポの良さ、そしてコミカルなシーンも多いので、軽ーく読めます。 私の場合、題名の「悪女」の意味が最後まで気になっていました。麻理鈴は天然で悪女とは程遠いし、意地悪なライバルたちのことを指すのかと思ったのですが、実はみんな良い人たちで、最終的には麻理鈴と親しくなってしまうし、結局最後まで「悪女」らしい悪女は登場せず。でも、待てよ。天真爛漫さという武器で、誰もの荒んだ心や悲しみまでもやっつけて(=癒して)、みんなを味方にしてしまう麻理鈴こそが本当の「悪女(わる)」なのかなぁ。恋の行方の結果は、最後の最後までお預けです。バブリーな時代のOLを垣間見つつ、麻理鈴の恋が果たして実るのかをドキドキ待ちつつ、最後までとても楽しく読めた作品でした。キュンキュンはしないけど、なんか面白い8億稼ぐ43歳の恋【特装版】 IKARINGstarstarstarstarstar_borderママ子幼いころの夢がかなって、順風満帆の43歳の金持ちの慎さん。 困っていた貧乏娘の舞を助けたことから、話は始まる。 モテモテだと思っていた自分は、15歳の小娘から見たらいつの間にか「おじさん」扱いされ衝撃を受ける。 恋?とは言わないけど、親子みたいなやり取りから慎さんのいいひとぶりがそこかしこに感じられます。 都会のおじさんと田舎娘のドタバタコメディ。ハッピーエンドです。 性に真面目に取り組んでる人達ってすごいなと思いました情熱のアレ 花津ハナヨstarstarstarstarstarあいざっくひょんなことから主人公が親がアダルトグッズの問屋に務めることになり、 実際にアダルトグッズの開発などにも携わることになるという設定が新鮮で面白かったです。 憎めないキャラが多く、コメディ要素もたっぷりなので、 「セックスレス」という、意外と重たいテーマも扱っているのですが、 楽しく読めます。 主人公がアダルトグッズを通して、 人としても前向きに変わっていくのも見どころです。 性的なことがメインテーマになっていますが、下品な感じはなく、 寧ろ様々な人のことを考えて、アダルトグッズを作っている人達ってすごいなとも思いました。 ちなみに、 この漫画を通して障がい者の人用に開発されたアダルトグッズがあることを初めて知り、 驚きというか感動しました。 色んな収穫がある漫画だと思います。懐かしいと思って読んだら時間泥棒されています天使禁猟区 由貴香織里starstarstarstar_borderstar_borderさいろくどうやら続編が出たと。 そのためか、キャンペーンで1・2巻が無料公開中(2023年7月現在) むかーし読んだと思っていたもののどうやらソレは一部だったのか、どこを読んだかも憶えてないうろ覚えぶりだったので、エイッと勢いで購入して読み途中。 当時、今で言う"厨二病"な女子を大量生産していた一端となる本作。 年代の背景が見えてくるのはビジュアル系とかメディアとのリンクを知ってるか否かで結構変わっちゃうとは思いますが… マンガ自体は一回読み出すとずーっと同じテンションで物語が進み…と思いきや唐突に緩急が出てきたり、著者の試行錯誤が目に見えて楽しい。 序盤のマンガとして古臭くて恥ずかしい!くすぐったくて読めない! みたいな世代的な苦行パートを抜けるまでちょっと大変でした。 (まだ電子愛蔵版?の6巻ですが、この辺でようやく抜けてきたかもと感じる) ちなみに1冊で2〜3巻分の厚みがあります。400Pぐらい。 なんだか褒めてない気がしてきたんですが、絵はキレイだし(上手いとは言わないでおくけど)キャラもいっぱい出てきて好みが刺さるのがきっと見つけられると思います。 あと少女マンガのバトルとか呪い系好きだったらなお刺さるかなと。 ただ、物語の内容が非常に癖があり、愛憎乱れ撃ちな天使のシガラミが多方面を巻き込みまくってエライコッチャなお話。 各天使と天界設定など、盛りだくさんではありますが主軸は兄弟愛。 読んでると頭が90年代になるんだけど、この空気感はやっぱり90`sの良さだと思います。 ※このシーンは台詞がめちゃくちゃ多くてネタバレを含まないフキダシがほとんどない本作において珍しい見開き冴えない男の話モテキ 久保ミツロウstarstarstar_borderstar_borderstar_bordermotomi映画にもなったモテキ。先に映画で見てしまったのですがとても楽しかったので漫画もと読みました。 漫画の方が細かく書いているので楽しかったです。 さえない主人公にいきなりモテ期到来して、それまでの人生ではあり得なかった手つなぎとか色々あるので、つられてドキドキしちゃいますww 主人公が全然イケてないのにチャラいところも(笑) ストーリーも絵も凄くしっかりしてるので面白いです! 入れ替わって自分で体験しないと感じられない思い。宇宙を駆けるよだか 川端志季starstarstarstarstar_borderPom 自殺をしようとする然子。然子と入れ替わるあゆみ。 相反する二人が入れ替わった時にどの様なことが起こるのか。 設定が高校生なので、読めるかなぁと思ったけど、問題なく読めた。むしろ、読んで良かった。 然子は、なぜここまであゆみを、人を恨み妬んでしまったのかな。しかし考えてみると唯一安らげる場所の家庭で母親に冷たい態度されたら、心の居場所みたいなものが無くなってしまうかもしれないな。と思う。 ラストの然子の可愛らしい微笑みが忘れられないかな。不憫可愛いという新ジャンル姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い 安田剛助六文銭負けヒロインの不憫さがこんなに可愛いく描けるなんて思わなかった。 幼馴染みは負けフラグなんていいますが、そんないわゆる「負けヒロイン」の要素をすべてもった姫ヶ崎櫻子。 何やっても想い人・三森夏樹には届かず、真剣に扱われず、むしろコミカルになってしまう。 ラッキースケベも、見飽きたレベル。 ぽっと出の転校生である榊雪菜は、黒髪清楚で、謎な親の都合で夏樹と同棲することになるといった、正ヒロイン感がむんむん。 姫ヶ崎の空回りっぷりも面白いのですが、 どこかズレている榊雪菜との二人のやりとりがとにかく面白い。 姫ヶ崎が究極的に何もわかっていないのが(何がわかってないかは本編1巻で出てくるので確認してほしい)、より面白い。 不憫可愛いというのも、よく分かる感じ。 もうすでに負けているのか、勝っているのかわかりませんが、ラブコメとしては好きな部類でした。 ラブコメのドタバタした感じが好きな人はハマると思います。<<1819202122>>
コメディではありながらも基底となる設定に切なさがあり、敷き詰められた笑いの隙間から仄かに滲み出てくる作品は何とも堪りません。 『魔法少女大戦』や『消滅都市』などで有名なイラストレーターの山口カエさんによるこの『お守り女房』もそんな作品です。 83歳で妻に先立たれてしまった男性・伊豆沼蓮太郎の下に、死んだ妻・華代が何とお守りの姿となってやってきて共に暮らしていく様子が描かれます。 妻のキャラクターが典型的な昭和の妻という感じではなく、箪笥にはエアガンやヌンチャクがしまわれていたり、暗視スコープやギリースーツまで所持していたりと自由奔放。お守り姿となっても賑やかで、蓮太郎との愛と優しさに溢れた掛け合いは非常にハートウォーミングです。 華代は生前に蓮太郎から一度も「好き」という言葉を言ってもらったことがないという未練を抱えており、しかし昔気質の蓮太郎はそういった言葉を軽々には口に出せないという部分のもどかしさも良いです。 独居老人を狙った瓦詐欺や闇バイトなど時事ネタも上手く取り入れながら、賑やかで忙しない日常や非日常が面白おかしく描かれます。 しかし、華代も言う通りこの状況は本来不自然なもの。明るい雰囲気の裏には、いつか終わる夢のようなエクストラタイムの儚さと切なさがあります。それは、物語という優しい幻想の在り方にも似ています。 一人になったら米を炊くこともできない蓮太郎のような人は、現実にもたくさんいることでしょう。喪ってから気付いたり後悔したりすることばかりなのが人間ですが、こうした物語を通して喪ってしまう前に今大切にできるものをもっと大切に、できることをできる内にしようという気持ちにさせてくれます。 絵柄も綺麗で人を選ばない、間口の広い良質なコメディです。 補足として、細かい好きな点も挙げておきます。 ・長女の梗子も孫のはこべもすみれも女の子がみんなかわいい ・ステュムパーリデスはギリシャ神話、ヴェズルフェルニルは北欧神話とごった煮で好きな感じの厨二病あるある ・1話冒頭の謎の映画の腕ひしぎ十字固めから逆エビ固めに笑顔で移行するところ ・134Pの1Pまるまる使ったパロネタ