パイ インターナショナルマンガの感想・レビュー5件孤独な少年と龍神が”愛”を知るまでの物語 #1巻応援ひとりぼっちがたまらなかったら idonakasogor25紫太郎は中学の入学式の直後、見知らぬ神社の前で目を覚まします。 そこで彼が遭遇したのは巨大な龍神。 龍神はなぜか紫太郎のことを“お嫁さん”と呼び、そのまま結婚の儀式をしようとするのですが、 結婚の意味も知らず、名前を持たなかったその龍神に「ヤマブキ」という名前を付け、紫太郎は少しの間ともに過ごすことになります。 龍神が神社に棲み着くきっかけとなった100年前の出来事、 龍神と紫太郎、それぞれの心の中に根を張っていた孤独な感情 そして紫太郎から失われていた神社で目覚めるまでの記憶と右目 それら全ての要素が一本の線で繋がった時、 紫太郎と龍神は“愛”という言葉の意味を知る― そんなストーリーが300ページ超の大ボリュームで紡がれた1冊です。宇宙の不思議なお話。星旅少年 坂月さかなstarstarstarstarstar干し芋ふわふわとした浮遊感漂う作品。 PGT社の星旅人登録ナンバー303が、『まどろみの星』(住民のほとんどが眠った星)の文化保尊任務を行うために、宇宙空間を移動して、色んな星でなくなってしまったものを記憶、保存していく。 それぞれの場所で、出会った人々の残してほしいものを聞いたり、亡くなった人の記憶が宿るトビアスの木の赤い実に情報をもらったりしながら仕事をこなしていく。 赤い実は、毒があってそこに住んでいる人々はあまり近づかないけど、303は、その毒に対して無反応な体を持っている。 きっと、何かまだ明かされていない謎が潜んでいるはず。 私が、いいなぁと思ったのは、書いた文字が1時間後にキラキラ光る砂になるペン。文字は、全部消えてしまうけど、それを思い出として取っておくことができる。 1巻読了緩やかに眠りゆく世界を旅する少年 #1巻応援星旅少年 坂月さかなsogor25人々を"覚めない眠り"につかせてしまう毒を放つ「トビアスの木」という植物が宇宙全体に広まってしまった世界。 この作品はそんな世界を舞台に、各地に残された文化を記録・保存する企業に所属する「登録ナンバー303」と呼ばれる少年が星々を巡る様子を描く"宇宙の旅の記録"の物語です。 「トビアスの木」の毒により"覚めない眠り"についてしまった人間は、最後にはその人自身が「トビアスの木」に変わってしまい、その木には元の人間の記憶が詰まった赤い実が成るといいます。 そんな「トビアスの木」と共存しながら"緩やかに眠りゆく世界"で生きる人々を、優しくおだやかに、だけど少しの切なさを交えながら描かれます。 また、星々を旅する「登録ナンバー303」にはとある秘密があり、彼のミステリアスな雰囲気と各地の人々との交流も魅力的に描かれている作品です。 1巻まで読了実践的なテクニックが詰め込まれてる素人ですが、デザインしてみました。 京田クリエーション 原あいみhysysk「なんとなく読みにくい」とか「うまく言い表せないけどださい」という事例の原因と解決策がまとまっていて参考になる。感覚やセンスじゃなくて論理的に教えてくれるので、練習すれば誰でも習得できるはず。 手を動かす前段階の、デザイナーはこんな風に考えて仕事をしてるんだっていうのも描かれてるので、デザイナーと仕事をする人にも読んで欲しい。何より大事なのは発注者がどうしたいかだから。 巷では「デザイン思考」が流行っているが、まずこういうのを読むのがいいのではないかな?街中で見かけるガタガタのものを「直したい!」と思う人が1人でも増えますように。 原作リスペクト感がたっぷりあるコミック版Bloodborne: The Death of Sleep 林田球 アレス・コット ピョートル・コワルスキ アディティア・ビディカー ブラッド・シンプソン鳥人間Bloodborneは元々はフロム・ソフトウェア開発のゲーム。その海外でのコミカライズ版があると知って早速買って読んでみた。購入したのは日本語化されたもの。中身は海外著者のアメコミ風(?)だが、日本語版のカバーイラストは、漫画家の林田球先生による描き下ろしだそうだ。 たぶん原作ゲームを知らない人が読むと、さっぱりわからないと思う。死んで、狩人の夢の中で目覚めて、また現実をやり直すというループめいた現象は、ゲームをやってる人しかピンとこないだろう。逆に原作を知っている人であれば、この雰囲気や謎めいたストーリーで「あぁこんな感じこんな感じ!」と思うはず。 ストーリーは著者のオリジナルだそうだ。とはいえ原作のストーリーはフロムお得意のユーザーに想像をさせるところが多く、多様な解釈ができる不明瞭なもの。ストーリーについては数あるアイテムテキストや状況から推測しなければならない部分が多いゲームだ。おそらく著者もその辺りをよく理解しており、原作の世界観に著者の考えを上手く盛り込んでいると思う。 そして原作リスペクトがとてもよくわかる描写やキャラクターたち。例えばボスモンスター「血に渇いた獣」が原作通り絶望感たっぷりに描かれている。ゲームで最初こいつに出会ったときの「どうやって倒すんだよ……」と途方に暮れた感覚を思い出した。他にもボスでいえばアメンドーズ。NPCでは狩人デュラ、ゲールマン、人形など。ノコギリ鉈や回転ノコギリといった仕掛け武器。旧市街や禁域の森、漁村などのエリアが描かれていてファンならニヤリとするだろう。 全編オールカラー、カッコいいコマも多く、見応えがある。ストーリーは希薄だが隙間を想像しながら楽しめる。とりあえず1回だけ読んでみたが、繰り返し読めば色々発見がありそう。言い換えれば不明瞭な話なので、モヤモヤとした感じを覚える人もいるかもしれない。原作ファンでも好みは分かれそうだ。
紫太郎は中学の入学式の直後、見知らぬ神社の前で目を覚まします。 そこで彼が遭遇したのは巨大な龍神。 龍神はなぜか紫太郎のことを“お嫁さん”と呼び、そのまま結婚の儀式をしようとするのですが、 結婚の意味も知らず、名前を持たなかったその龍神に「ヤマブキ」という名前を付け、紫太郎は少しの間ともに過ごすことになります。 龍神が神社に棲み着くきっかけとなった100年前の出来事、 龍神と紫太郎、それぞれの心の中に根を張っていた孤独な感情 そして紫太郎から失われていた神社で目覚めるまでの記憶と右目 それら全ての要素が一本の線で繋がった時、 紫太郎と龍神は“愛”という言葉の意味を知る― そんなストーリーが300ページ超の大ボリュームで紡がれた1冊です。