筑摩書房マンガの感想・レビュー4件近藤ようこ先生を語るなら外せない大傑作!水鏡綺譚 近藤ようこ 坂口安吾starstarstarstarstarかしこなんと!ずっと未完だったけど12年後に最終話が描かれて完結した作品だそうです。単行本の帯は盟友・高橋留美子先生が書かれているし読む前から私の期待値は上がりまくっていましたが、それでもすっごく面白かったです。 狼に育てられたワタルと記憶を失くしてしまった鏡子が旅をしながら物の怪や不思議な事物に出会う物語で、1話1話が珠玉なんですよ!ワタルと鏡子のキャラクターもすごく魅力的で読み終わった後も2人のことが心から離れません。これは描き終えるのに12年かかったのも大納得です。 あとがきでは近藤ようこ先生の漫画に対する想いと、先生にとっても「水鏡綺譚」は特別な作品であることが語られていました。るきさんの生き方るきさん 高野文子かしここないだ「自分はるきさんの性格に似てるってよく言われるけど全く嬉しくない」という人に出会ったんですが、私はるきさんという作品の魅力はあの生き方にあるし、読んだ人は全員憧れるものだろうと思っていたので衝撃でした!その人曰くああいう地に足がついてない生き方は好きじゃない、自分はどちらかと言えばエッちゃんタイプの人間だと思うとも言っていました。もしかしたら嫌いな人にそんなことを言われたから悪印象になってしまったのかもしれないなぁ…と思いつつ、よくよく考えたらあれってバブルの終わり頃の漫画だから今と感覚が違うところも結構ありますね。るきさんは在宅で病院の保険の計算の仕事をしていてるけど、計算が得意だから1ヶ月分を1週間で終わらせて、あとはのんびり暮らしてる。でも今それを東京で一人暮らしで出来るかって言ったら出来ないもんな(それが出来るのはエッちゃんタイプの人な気がする…)。その人はそういうことを言ってるのかもしれない。でも私は自転車に乗りながらおせんべいをかじったり、突然イタリアに飛んでっちゃうようなるきさんにやっぱり憧れる。地に足がついてない方が自分でも予想がつかないことが起きて、より人生が楽しくなるってことがあると思うから。私と鈴木翁二オートバイ少女 鈴木翁二かしこ鈴木翁二を好きと言っていいほど詳しくはないのですが「オートバイ少女」は10年くらい前に買って以来、度々の断捨離でも手放すことなくずっと本棚にあります。でもどうして鈴木翁二を知ったのかも忘れてしまったなぁ…。ガロに興味があったからたどり着いたんだろうか。久しぶりに読んだら初めて読んだ当時よりもグッとくるものがあったり、これはどういう意味なのかよく分からないと前にも思ったことを思い出したりしました。表紙の人魚と少年は内容と一切関係ないんですが鈴木翁二の世界観ってまさにこういうことですよね。オートバイに乗る少女の反骨精神とか、お金がない中で迎える正月の侘しさとか、言葉じゃなくて絵で詩的に伝わってくる感じ。絵の魅力がすごい。私が小金持ちになったら絵を購入して一緒に暮らしたいです。色彩と感傷の美しい共演おともだち 高野文子名無し日本のお友達――春ノ波止場デウマレタ鳥ハ やりたい劇の役になれなかったことを独白する場面から、しばらく目が離せなくなった。初版の淡いカラーページと少女的な感傷の組み合わせがあまりに美しすぎる。 物語も、嫉妬から、チルチル役の笛子さんの境遇を知り、手を差し伸べる、成長譚として完成されている。とにかく美しい漫画だった。
なんと!ずっと未完だったけど12年後に最終話が描かれて完結した作品だそうです。単行本の帯は盟友・高橋留美子先生が書かれているし読む前から私の期待値は上がりまくっていましたが、それでもすっごく面白かったです。 狼に育てられたワタルと記憶を失くしてしまった鏡子が旅をしながら物の怪や不思議な事物に出会う物語で、1話1話が珠玉なんですよ!ワタルと鏡子のキャラクターもすごく魅力的で読み終わった後も2人のことが心から離れません。これは描き終えるのに12年かかったのも大納得です。 あとがきでは近藤ようこ先生の漫画に対する想いと、先生にとっても「水鏡綺譚」は特別な作品であることが語られていました。